SEO 有料リンク問題の補足説明

有料リンク問題の補足解説。


公開日時:2007年11月01日 11:35

10月はSEOの「有料リンク(Paid Links)」問題について、いくつかコラムを書いてきた。

グーグル、SEO"有料リンク"対策に新ポリシー - 販売サイト側へのペナルティ発動へ(2007/10/10)

国内サイトのPageRank下落も確認 - Google PageRankデータ更新と有料リンク問題(2007/10/28)

有料リンク & Google PageRank減点ペナルティを巡るFAQ(2007/10/29)

Googleのリンクスパム取締り強化で変化が迫られるSEO

有料リンク販売サイトのGoogle PageRank低下は何を意味するのか?

本日、中島聡氏のエントリーを読んで、私の文章について非常にわかりにくい部分があることがわかったので、周辺事情について説明をする。

1つ目。Googleは公式ブログやWebmasterWorld、コンファレンスなど様々な場を利用してサイト運営者に対し、不正なランキング操作(スパム行為)に厳しく対応していくとのメッセージを常に発信し続けている。とりわけ近年問題視されてきた有料リンクについても、今年になってメッセージを発信し始めた。公式ヘルプページに有料リンクについて明記されたのもつい数ヶ月前のこと。そして今回、具体的に、有料リンクを標的とした対策を行ってきた。

だから、私の頭の中では、Googleは常に検索エンジンスパムに対して厳しい姿勢をとる、検索アルゴリズムを改良してそうしたスパム行為を駆逐していくという方針は既成事実になっており、今回の有料リンクはその具体的な行動の一環という認識でいる。だから、私が最近書いたコラムも全て、「今回のメッセージはスパムに対する厳しい姿勢ですよ」ということは論ぜずに(少なくとも、私の頭の中では当たり前のことだったので)、いまリンクを購入している、あるいは販売している企業の皆様に対して「今回の対策の内容、今後の対応」にフォーカスして説明をしている。

2つ目。このテーマにこだわったのは、有料リンクの問題は『有料リンクを"利用しない"業者にとっても迷惑な問題』だから。つまり、同じSEO業者であっても今回のGoogleの対応を苦々しく思っている人もいれば、歓迎している人もいるということ。同様に、SEOに取り組んでいるクライアント企業にも、困惑している人もいれば歓迎している人もいるはずだ。

残念なことに「お金を払って大量にリンクを購入しないと、検索上位に表示できるチャンスが全くない」キーワードというのが現実に存在する。だから、リンクを買いたくなくても買わないとどうしようもない、買わないならSEOをあきらめろというのに等しい状況がある(業界の方ならおわかりかと思う)。そういう状況を変えさせるには、検索会社が本気で有料リンクを駆逐してくれないとどうしようもなかった。まっとうにSEOをしている人にとっても、検索ユーザーの利益のためにも対策をしてほしいと願っていた。

だから、Googleがその問題に取り組む姿勢を見せたことを歓迎している人もいるはず。ただし日本はYahoo!の検索シェアが大きいから、Yahoo!もこの問題を認識し、有料リンクを駆逐する技術をリリースしてくれないと根本的な解決にはならない。

今回話題とした有料リンク以外にも、SEO業者にとっても迷惑な、検索会社が排除できていないスパム手法が数多く存在する。「コンテンツの質で勝負しよう」、よいコンテンツを提供するその延長上でSEOをするというアプローチの会社にとってやっかいな問題は山積する。今回のGoogleのアクションは、そうした問題を1つ1つ解決していくための最初のステップだと信じたいし、そうしてもらいたい

3つ目。今回の話題についてGoogleの本質論についてでなく、今後の対応という個別論で書いたのは、1. 先述した通り、私の頭の中では(Googleの姿勢の本質については)当たり前のこと過ぎてあえて書く気もおこらなかった、2. その手の話はIT系のメディアがきっと取り上げるから私が書くまでもない。また、3. この状況を把握し、今後の対応について、国内のサイト運営者に向けて情報発信する人は、そう多くないだろうし、これは私がやれる仕事だと考えたから。

欧米と比較して日本語で取得できるSEOの情報量は、SEOを専門とする人による情報発信そのものが少ないために、海外で取得した情報がそのまま国内にも適用できるかよくわからないことも多い。そういう事情も考慮して、今回は「国内のサイト運営者向け」に「現在の状況と今後」を伝えることを念頭に解説をしている。海外で騒いでいるこの問題、日本ではどうなの?という疑問に答えたかった。


最後。中島氏の文章を読んでいて、たぶん「PageRank」の位置づけ・意味あいが私と全く異なることも誤解を招いた原因になっていると思うのだが、この解説は少々大変そうなので、割愛させて頂きたい。きっと、「GoogleにとってのPageRankの重要性」と「SEOにとってのPageRankの重要性」が違うことを理解していただくことが必要と思うのだが、説明の仕方が難しそうだ。このテーマは現在執筆中の書籍で書くつもりだったので、今回の意見を参考に文章を再構成させていただこうと思う。

(例えば、テレビ。テレビの開発者にとって、映像をどのように美しく見せるかの技術は重要だけど、テレビ視聴者はテレビを作るのが目的じゃなくて映像を見たいのだから、テレビの電源入れる方法やチャンネル切り替えが重要なのであって映像技術そのものは重要じゃない。

同じモノであっても、それに接する姿勢が異なれば、重要なこと、重要でないことは変わってくる。

同じように、検索エンジン開発者にとって、ページの重要度を識別するPageRank技術は重要かもしれないけれども、キーワードとの関連性を最適化したいWeb制作・SEOにとって、PageRank技術そのものな重要じゃない。みたいな説明だけどわからないですよね)


[追記] Googleが定義するPaid Links(有料リンク)

However, some SEOs and webmasters engage in the practice of buying and selling links that pass PageRank, disregarding the quality of the links, the sources, and the long-term impact it will have on their sites. Buying or selling links that pass PageRank is in violation of Google's webmaster guidelines and can negatively impact a site's ranking in search results. [Why should I report paid links to Google?]

paid links = buying and selling links that pass pagerank


Google Matt Cutts氏の説明

The partial update to visible PageRank that went out a few days ago was primarily regarding PageRank selling and the forward links of sites. So paid links that pass PageRank would affect our opinion of a site. [Matt Cutts Confirms Paid Links & Google PageRank Update]

アクセスカウンター埋め込み型リンクを何て呼ぶかは皆さんの好きにしてください。ただ、今回のMatt Cuttsの説明やGoogleのアクションの内容を説明する時は『Googleが"今回"問題視したリンクはどのリンクのことを指しているか』適切に伝える必要があるじゃないですか。

私はサイト運営者の皆さんに不要な不安を与えたくはありません。そのためには、今回特に問題視されたリンクがどんな形式のリンクであるかを適切に伝える必要があるのです。定義を曖昧にしたままでは、あれがダメなのか、これがダメなのか憶測をよんで混乱を招く恐れがあります。皆さんが何をどう呼んでもかまいませんが、今回Googleが問題したリンクはどの形式のリンクであるかを正確に理解していただきたいと思います。

一方、Googleはランキングを不正に操作するあらゆるスパムに対して厳しい姿勢を示していることに変わりはありません。アクセスカウンター埋め込み型リンクは今日のGoogleにおいて大変有効に機能していますが、これは隠しリンクでありスパムでしょう。PRという文字でいいわけを作っていても、人による審査でNGになるでしょう。しかし、今回のGoogleのアクションでそれらについてGoogleは言及していないし対応もされていないし海外でもその手のリンクは話題になっていません。この通り、今回のGoogleのアクションのPaid Links の範疇にアクセスカウンター埋め込み型は想定されていないのです。もしこうしたリンクに文句がある、気に入らない、取り締まってほしいのであれば、私ではなくGoogleやYahoo!、マイクロソフトに苦情を言ってください。

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