2008年 SEO展望 (後編) - 環境変化で求められる新たなSEO施策のありかた

必然的に生まれたソーシャルメディア対策との親和性を高めたSEO施策を。リンクは購入するものではなく獲得し自社の資産とするもの。


公開日時:2008年01月15日 11:54

今回は検索技術、ウェブ周辺環境、及び企業の検索サービスに対する意識の変化に触れながら、どのようにSEOの施策が変化する可能性があるかについて述べていく。

1. 「リンクを集める」から「リンクが集まる」へ

特に外部リンク獲得施策において対応を迫られる企業が多くなることが予想される。

根拠としては、第1に昨年来より特にGoogleにおけるリンクスパムを中心とした検索エンジンスパム対策の強化が挙げられる。とりわけ10月下旬に発表された有料リンク(Paid Links、リンクを購入すること、具体的にはSEOを主目的としたテキスト広告)に対する規制強化が今年は日本国内でも及ぶ公算が大きい。

また、現時点でリンクを販売する側にしか課されていないペナルティがリンクを購入する側にも課される可能性を否定することが困難なことから、現在外部リンク対策において"購入"にのみ依存している企業は、SEO施策方針を変えないことは「検索結果リストから消滅する」リスクを抱えたままウェブサイトを運営することになろう。

第2の根拠として、これは特定の検索エンジンに限らず自然に張られるリンク(Organic Linkの対比としてのNatural Link)を獲得することが中長期的に検索エンジンで安定したポジショニングを確保して安定したトラフィック誘導につながるということの認識の浸透、及びそれを実現するための手段として近年台頭したソーシャルメディアを活用したマーケティング(ソーシャルメディアマーケティング(SMM)、またはソーシャルメディア最適化(SMO))との親和性を高めることでSEOを実現しようという方向に米国SEOマーケットは進みつつ中、日本でもこうした動きが出てくると思われる。あるいは、先述したとおり近年の”リンクを購入すること”すなわち”リンクをレンタルすることによる順位の確保”という戦略の実効性が検索技術の進化により失われることで、そうした周辺メディアとの親和性を高めた自然リンクの獲得という方針に舵を切らざるを得ない状況になるともいえよう。

従来より情報点数の多いEコマースサイトや不動産・人材系サイト、あるいは複数の事業部や製品ラインを持ち必然的にウェブサイトが大規模になる企業にとっては必須であった、サイト全体の最適化、「適切に情報が検索エンジンに理解、評価され、ロングテールに広がる個々の検索キーワードで最も適合性が高いページが検索上位に表示される仕組み」作りと同様の手法を取り入れることが求められる。

2. とりわけ統合検索(ユニバーサル検索)に注目

米国ではWikia Searchやmahaloに代表される編集型検索エンジン、Yahoo!のソーシャル検索やストラクチャード検索、GoogleやAsk.comの統合検索(ユニバーサル検索)、Powersetの自然文検索など、新しい検索技術やUIの台頭が話題となっているが、とりわけSEOの世界で、かつ日本国内でもあえて注目するのであればGoogleのユニバーサル検索、つまりウェブ文書だけでなく画像や動画、ニュース、地域情報を同一検索結果画面上に表示するタイプの検索UIになった時に備えての対応だろう。既にGoogleはYouTubeやニュースのリンクをウェブ検索上に表示してきている。

ユニバーサル検索は、検索クエリのインテント(検索意図)を判断して、自動的に最適なデジタルコンテンツを検索結果に表示するもの。つまり、HTML文書や画像はもちろんのこと、動画や音声、RSSフィード、ニュース(プレスリリース)など様々なデジタルコンテンツをウェブで発信する企業は増加してきているが、それらは従来であればユーザが特定の検索機能を選択しなければ表示されなかったし、また、その特定検索機能(つまりバーティカル検索)故に検索精度の低さが特別な悪影響を及ぼすことはなかった。しかし、同一検索結果画面上に異なる種類のコンテンツが表示されると、例えば既にGoogleニュース検索でおきている事例として、ある会社名で検索した時に、該当企業のニュース記事が表示されるけれども、同時にその右側に競合企業を示す画像(例えば会社ロゴであったり、その会社の役員の顔)が表示されることでブランド管理上の問題が発生している。

ユニバーサル検索のように発信する異なるデジタルコンテンツが同一検索結果画面上に表示される時代を見据えてSEOの戦略を考えるのであれば、自社サイトに張られるリンクは「重要なデジタル資産である」と認識を改め、それらを購入するという姿勢を捨て、様々なコンテンツに自然にリンクが張られる仕組みを作るという施策が必要になる。これは「自然にリンクが張られるための努力」をしていればどうということはないが、日本のSEOマーケットでは特定キーワードにリンクを集めて(購入して)上位に表示するといった傾向が強いので注意して欲しい。

cf.
2008年 SEO展望 (前編) - 日米 SEO への取組みの違いから見る今後のSEO 展望 :: SEM R





記事カテゴリ:サーチニュース 08H1
他の検索・SEO 関連の記事
新刊:ネットショップSEO 2014発売されました(2014年5月)
Google「パーソナライズ検索による劇的な検索順位変動は都市伝説」と説明
Google、カナダでローカルサービス広告を提供開始
グーグルとディズニーがデジタル広告分野で提携
Googleインド、モバイル検索でカバディの試合情報を表示する機能追加
goo, 2018年検索ランキングを発表、人物の1位は「羽生結弦」など
ロシアYandex、検索アップデート「アンドロメダ」を発表
Microsoft Bing、年末商戦にあわせてショッピング検索機能を強化
米Google、検索結果にユーザーがコメントを投稿できる機能を準備
プライバシーを守る検索エンジン DuckDuckGo、検索回数3,000万/1日 突破
ペンス米副大統領、中国市場向け検索アプリ開発の中止を求める
「SEMリサーチ」トップへ戻る




免責事項:SEMリサーチは、本記事中で触れている企業、商品、サービスの全て(情報)について、有用性、適合性、正確性、安全性、最新性、真実性に関する一切の保証をしておりません。各自の判断でご利用下さい。