PageRankスカルプティングの否定は、Googleガイドラインの趣旨と矛盾するから?

Googleマットカッツがnofollow利用時におけるPageRank配分の仕様変更を1年前に行っていたことを公表。いわゆる「PageRankスカルプティング」が否定される。では何故、Googleはいま、この変更を明らかにしたのか?


公開日時:2009年06月18日 13:37

nofollowリンクの仕様変更の話の続き。Matt Cuttsが自らのブログにて公式にnofollowの仕様変更を1年前に行っていたことを明らかにしました。

過去の講演やビデオで、Matt Cuttsは確かに「PageRankスカルプティングによって、より重要なページにPageRankを流すことが可能になる」となる旨の発言を何度か行っています。にもかかわらず、それらに一切触れず、「1年前からやってるよ、サイト内に流通するPageRank量が増えるわけじゃないよ」と、しらを切ろうとしています。Google(Matt Cutts)は近年、ウェブマスター向けに検索フレンドリーなサイト構築について様々なアドバイスを行ってきましたが、今回のように過去の公の発言を取り消してしまうのはきわめて珍しいことです。

Matt Cuttsの釈明記事"PageRank sculptingを読んでも、あまり明確に理由を述べていないのですが、そもそもの経緯を考えるとここに書いてある理由はとりあえず後付けで作ったものに過ぎず真実は書かれていないと思います。

で、なぜGoogleが今更PageRank Sculptingを否定するかを考えてみたのですが・・・結局のところ、nofollowによるPageRankコントロールを認めることは、ウェブマスター向けガイドライン全体の趣旨・方針に反する可能性があることに気がついたからではないかと考えられます。

つまり、ウェブマスター向けガイドラインの内容は、「ユーザにとって役立つことをする、ユーザに有益なことが優先される」という大前提のもとに作成されています。しかしPageRank Sculptingというのは完全に「検索エンジンのため」のものであり、ユーザにとって一切の利益・不利益もなければ、検索エンジンにとって利益もありません。こうした行為を認めると他のガイドラインの趣旨や意図との整合性がとれなくなりますので、否定する、もしくはそれ自体を無効にする必要があったと考えられます。

さらに、PageRank Sculptingを認めることは、ユーザにとって有用性が低く、しかしPageRankによる評価が高いページを生み出してしまうことにつながります。「アウトバウンドリンクの数を分母において、その数で割る」という最初のPageRank論文に記述されているその内容は、そういう計算を行うことの合理性があって行われているのです。適当にユーザに役に立たないリンクがあちこちに記述されているのに、それをnofollowでPageRankを内部留保させてしまうと、本来評価すべきでない程度のスコアが蓄積される・他に渡されることになり、全体のサイト(ページ)評価を歪めることにもつながります。

1年前に仕様変更しつつ今まで公表しなかったのは、単に公表する意志が全くなかっただけなのでは。今回たまたま質問きちゃったから、まぁいっか、くらいで回答した気がします。Googleにとってみれば、わざわざアルゴリズムの変更などを公開する義務も義理もないわけで。

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google.comという検索エンジンにおけるルールを決定するのはGoogleです。しかし、Googleは必ずしも常に合理的な理由を持ってルールを設定しているわけでは有りません。最近の例を挙げると「有料リンク」がまさにそうです。Googleは2004年~2008年にかけて何度かに渡り有料リンクに対する同社の考え方について(Matt Cuttsが)述べていますが、実は根拠が毎回違っています。一番最初の段階では「問題なし」。これが「有料リンクはページの内容と無関係なページに向けてリンクが張られるから」という関連性を根拠にして否定し、さらには「お金を払ってリンクを設置することがダメ」と関連性云々以前に、リンクを購入すること自体がダメだというように根拠を変えてきています。有料リンクという手法自体が新しく、当初はそれを十分に、合理的な理由で否定する論拠が見つけられなかったのでしょうね。

nofollowもブログコメントスパム対策として2005年に登場した、新しい仕様です。それをGoogle自らが有料リンク対策やPageRank Sculptingなど、利用用途を広げてみたところ、いつのまにかガイドラインと矛盾してしまった、というところでしょうか。

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と、色々書いてみましたが、個人的にはPageRank Sculptingなんて97%のウェブサイトにとって不要物だと考えていますので、今回の発表はどうでもいい話です。login画面へのリンクくらいならともかく。

たとえばBuzzurlのようにユーザ生成コンテンツ(ブックマーク)が無限に増加し、かつ、タグやユーザなど様々な軸・単位でページが切り出させるようなタイプのサイトにおいては一定の有効性があると思うのですが、あんまりないじゃないですか、そういうの。nofollowをどこにおくか頭を悩ませるくらいなら、サイトアーキテクチャを設計する段階で人とクローラの両者を考慮しておけよ、と。





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