ネイバー クローズドβテスト レビュー

クローズドβテストが始まったネイバー(NAVER)の簡単レビュー。全体的に完成度は高いけれども、「検索+コミュニティ」を通じて提供しようとする新しい価値を、どう理解して、ユーザに興味を持ってもらえるか。


公開日時:2009年06月19日 10:11

6月15日からクローズドβテストを開始したネイバー。数日間利用してみて、ネイバーのコンセプトや戦略、狙っているマーケットなどが見えてきましたので簡単に箇条書きで。

まとまったものは後日、どこか他の媒体で掲載します。

・率直にいって、この仕組みはモバイル検索でやったほうが良さが生かせるし、面白いと思う。

・日本再上陸が明らかになって2年以上が経過した挙句に、レリバンシーのよさを掲げてきたらどうしようかと思っていましたが、予想よりもはるかによい作りこみがされていました

・「同じ2バイト言語だから大丈夫」とか「その国のユーザにあわせたサービスを提供します」とか結局、具体的に何するつもりかわからなければ、最近めっきり話を聞かなくなった某社よりも全然◎。

・UIの細かいところの使いにくさはクローズドβ中だからともかく、全体的に、サービス設計がよく練られている、長期間にわたる準備をしていただけのことはありそう。

・β中だから検索精度についてあれこれいうつもりはないけど、とりわけ「最新ウェブ」の部分は完成度ちょっと低いよね

・画像と動画の操作性はExcellent!

・「探しあう検索、ネイバー」のタグラインどおり、検索とコミュニティ(SNS)を融合して、従来の検索エンジンにない新しい検索体験を提供しようという意図がみられる。編集型検索エンジンといえるかもしれない。私たちが使い慣れているYahoo!やGoogleといった検索エンジンは、私たちが質問(クエリ)したのに対して、回答(検索結果)を返すという1(人):1(検索)のコミュニケーションだったが、ネイバーが目指すものは質問に対して、検索だけでなくほかのユーザから答えを得たり、逆に他のユーザに自分の持った知識を提供できる1:多のコミュニケーションを実現している。

・GoogleやYahoo!は基本的に、探し求めている情報へ迅速にたどり着くための解決策を提供している。Yahoo!はその到達先を同社プロパティ内にとどめようというGoogleとは違う狙いもあるものの、両社ともに「検索に対して適切な回答を素早く出す」という点は変わらない。しかしネイバーは、ある程度naver.jpという検索サイトに滞在させて、無味乾燥な検索タスクに”楽しさ”を付加しようとしている感じ。

・「Googleで十分じゃん」っていう人は少なくないけど、実際のところ私たちはGoogleやYahoo!に"飼い慣らされている"部分も多分にあって、本当はとても面倒だったり手間がかかるようなタスクも「それが当然の作業」と思い込まされている部分もあるはず。それをショッピングや旅行、健康、地域という4分野にフォーカスしてスマートな解決策の提供を試みているのがMicrosoft Bingだけれども、ネイバーはとりあえず「人の編集能力」による暗黙知や気づき、提案、おすすめ情報を発掘させることで便利な検索を実現しようとしている模様。アルゴリズムだけで100%解決できるわけじゃないし、部分的に人間の持つ編集能力を取り込むことで検索はもっと便利になるはず。

・マイクロソフトがOKWaveと資本提携して知識検索を目指しているのは、ウェブページには存在しない情報が求められる検索タスクは数多く存在するから。たとえば「彼女の誕生日に何をプレゼントしよう?」という検索タスクにピンポイントで答えてくれるページは存在しないわけで。OKwaveはそういう質問に対して答えられるコミュニティサイトだし、MS Bing(日本版)はそれをバーティカル領域の1つとして取り込めば、差別化の1つになる(もっとも、OKWaveのコンテンツはGやY!も検索可能だから、MS Bingに乗換させるほどの決定的要因にはならないのかもしれないけど)。

・ネイバーまとめ機能の良さは「iphone 3g」と検索した時にわかった。「白ロム販売サイトを探している」とか「特集記事だけ見たい」とか、他の検索エンジンで同じタスクをこなそうと思ったら検索→クリック→戻る→クリックと何度もいったりきたりしないといけないものが、1回で済ませられる。

・事業戦略的観点からの懸念事項。これを一般リリースするとき、自分たちのサービスを何というメッセージで伝えていくのでしょう?単純に検索サービスという位置づけだと「Y/Gでいいじゃない」と思われてしまうし、コミュニティに位置づけると「コミュニティはネイバー使うけど検索するときはY/G」なんて行動になってしまうし。ユーザに「"検索も十分に使える"」ということは印象付けないとネイバーが狙っているであろう新しい検索マーケットはとれないんじゃないか。試みは面白いと思う、ものすごいシェアを取れるとは思わないけど、一定数は獲得できそう。

・私は検索業界の人間だから、こういう新サービスは使ってみる。だけど一般の人はわざわざ”試す”ことすらしないでしょう。まずは触れてもらうということも大事だと思うけれど、それどうするのか。アメブロみたいに芸能人使って、まとめページ作らせる?どこの誰か知らないまとめページよりも芸能人が作ったまとめページなら見てみたいかもね

・今回のネイバーもBingもそうだけど、GoogleやYahoo!からシェアを奪う、関連性(検索精度の高さ)を謳うよりも、それぞれのサービスが提供する独自の価値(BingならDecision Engine、ネイバーなら探しあう検索)を全面に出していくというマーケティング戦略は王道だしこれでいいと思う。Ask.jpやその他の検索エンジンの二の舞にならないよう祈ります。

以上。次回はマイクロソフトBingのレビューです。

ネイバー
http://www.naver.jp/

cf.
検索の利便性強化に取り組むネイバー


(なお、かなり前に、ネイバー関連の記事を書いたら理不尽なクレームを、親会社さんですか?○H○さん広報から受けたことがありましたので、本当は当ブログでネイバーについて触れる予定がありませんでした。ご意見などございましたら、今度は理不尽じゃない方法でお伝えくださいますようよろしくお願い致します 関係者の方)





記事カテゴリ:サーチニュース 09





最新の検索エンジンニュース

新刊:ネットショップSEO 2014発売されました(2014年5月)
宿泊予約の米ホテルズドットコム、著名ブロガーにSEO目的のリンク依頼 報酬と引き換えに
グーグル、社名やブランド検索時にもカルーセルUIで表示
英国の著名なブラックハットSEOが逮捕される
Looksmartエクスプレスが閉鎖? Webサイトにアクセスできず
スペインも「Google税」徴収へ 新しい著作権法可決、ニュース記事抜粋表示に使用料求める
米Google マットカッツ氏、長期休暇を2015年まで延長
日本語でSEOの記事を読みたい人のためのリンク集
「良質なリンク」の原理原則
パンダアップデートに対する結論は「良質なコンテンツを制作せよ」に終始する
Google ニュースパブリッシャーセンターがドイツ語や日本語にも対応
「SEMリサーチ」トップへ戻る




免責事項:SEMリサーチは、本記事中で触れている企業、商品、サービスの全て(情報)について、有用性、適合性、正確性、安全性、最新性、真実性に関する一切の保証をしておりません。各自の判断でご利用下さい。