SEO連載(1) 「SEOとの向き合い方」 - かんたん!SEO実践講座 より

株式会社CPI運営サイト「CPIで人気サイトを作ろう!」にて連載中のSEOコラム「かんたん!SEO実践講座」から加筆・修正して転載しています。第1回「SEOとの向き合い方」。


公開日時:2006年03月17日 22:23

まず最初に、これからSEOに本格的に取り組んでいこうとする皆さんに、キチンと頭に叩き込んでおいてもらいたい「SEOの考え方」について説明をします。「そんなことより具体的なテクニックを知りたいですけど」という声も聞こえてきそうです。しかし、どんなに切れる包丁を渡されても包丁の基本的な扱い方を知らなければ野菜や魚を上手に切れないように、どんなに素敵なSEOテクニックを学んでもそのSEOの基本的な考え方を知らなければその知識は上手にされません。「SEOって何するものなの?」 - そんなSEOへの取り組む姿勢、考え方を学んで下さい。


「人」と「検索エンジン」を意識したWebサイト作りを

SEOを通じて常に皆さんに意識してほしいことはたった1つ、シンプルです。「Webサイトを作る時には、『人』と『検索エンジン』の2種類の訪問者がいること。この両者を意識し、情報が適切に伝わるようにすること」です。皆さんが作ったWebサイトを、人が見て内容を理解できるだけでなく、検索エンジンというロボット(ソフトウェア)が読んでも内容を理解できるようにサイトを設計、HTMLのコーディングをしてくださいね、ということです。

これだけの説明ではピンと来ない方もいるでしょうから、もう少し深く突っ込んで説明してみます。

Web サイトを作成する皆さんは、知人、友人を、あるいは商売をしている人であればお客さんなど、「人間」にサイトを訪問して、見てもらうために作成しているはずです。人に見せることを前提としていないサイトを作る人というのはいませんね。

ところで、人に見せるWebサイトというのは、言葉を換えると「ブラウザを通じて、どのようにサイトを見せるか」ということになります。パソコンやPDA、ケータイなどいずれのデバイスを駆使してもWebを閲覧する時はInternet ExplorerやFirefoxなどの何らかのブラウザを利用することになりますから、人に見せるとは「ブラウザでどのように表示されるかを意識」して作成するわけです。

WebサイトはHTMLタグなどを駆使して作成されますが、ブラウザはこれを人が見る形に変換してくれますので訪問者タグを直接に目にすることはありませんし、作成者である皆さんがそれを意識することもないでしょう。HTMLタグの扱い方が文法的に正しくても間違っていたとしても”ブラウザで見た時に自分が意図した通りに表示されていさえすれば”気にすることは決してないでしょう。

以上のように「ブラウザを通じてどう見えるか?」を意識することは、特にデザイナーにとっては当たり前のことですから「うん、そうだよね」と思う方が多いものです。ところが、GoogleやYahoo!のようなロボット型検索エンジンの登場と、その影響力がネット社会において無視できないほど影響力が大きくなってきた今日、ブラウザでどう見えるかだけを捉える考え方は正しいとはいえなくなってきたのです。

ロボット型検索エンジンとは、クローラ(スパイダーともいいます)と呼ばれるWebページ自動収集ロボットがインターネットを巡回して皆さんのWebを収集します。
収集したページを評価、ランク付けして検索結果に表示しています。Googleで検索した時の検索結果の表示順序は「キーワードにもっとも関連性が高いページ」の順番に並べられています。Yahoo!もMSNサーチも同様で、各社ともにレリバンシー(検索結果のキーワードに対する適合性)の精度向上は命題となっています。ところでこの「評価」や「順位付け」を行っているのは誰かというとGoogleやYahoo!で働いている人々ではなくて、 検索アルゴリズムと呼ばれるとっても複雑なプログラムです。つまり、人じゃなくてロボット(ソフトウェア)です。つまり、皆さんが作成したWebページがどれだけ特定のキーワードと関係しているかを判断するのも人ではなくロボットなのです。

『ロボットが皆さんのWebページを読み、評価している』。ここが重要なポイントです。なぜなら、ロボットは皆さんのWebページを、ブラウザを通じて見るのではなく、皆さんが書いたHTMLソースコード、タグそのものを解釈してページの内容を理解しようとしているのです。ブラウザで開いた時にどう見えるかはロボットには一切関係ありません。

人という訪問者はブラウザを通じてコンテンツを理解する、ロボットはHTMLコードを通じて理解しようとする。人とロボットはこのように、皆さんが作成した同じページにアクセスしてくるものの解釈する方法が異なっているのです。この両者の違いを認識した上で、「人が見ても、ロボットが見ても、同じようにページの情報を伝達することができるか否か」が、SEOがうまく機能するか機能しないかの分かれ道になります。

残念ながら世の中の多くの人は、SEOというものが何かWebサイトに特別な仕掛けや工夫を施さなければ決して成しえないとても高度なテクニックを要するもの、あるいは「常に最新のアルゴリズムを追い続けて、それにあわせてWebを何度も作り変えなければいけない」という認識を持っているようです。しかし決してSEOはそういうものではありません。単に、作成したページをロボットが見ても理解できるようにしてあげるだけのことであり、実はそんなに難しいことではないのです。

例えば皆さんが情報(ページ)の論理構造上「見出し」になる部分をHTMLタグ上でも<h1&gh;;や<h2>で囲ってあげる、論理構造上「段落、文章」になる部分を<p>~</p>で囲ってあげる、という極めて基本的なことを行えばよいわけのお話なのです。

ところが「なにか特別なテクニックがなければSEO なんてできない」という誤った認識を持っているから、たとえばキーワードの使用回数はいくつにするとか(検索キーワードの出現頻度)、タイトルタグ(<title>タグ)には狙ったキーワードを何回どこに入れるべきかを考えるような、SEOの専門家から見れば「き本当にどうでもいいお話」を一生懸命考えてしまっているのです。

では「ロボットが見ても人が見ても理解できるページ」とはどんなページか、具体的な例を挙げて説明します。ここで例として「コニカミノルタ」と「愛 地球博」のサイトを取り上げてみます。

愛 地球博
http://www.expo2005.or.jp/jp/

コニカミノルタ
http://konicaminolta.jp/

まず上2つのサイトを普通にブラウザで見てください。次に、各々のURLについて、Googleから「テキストのみのキャッシュ」を使ってみてみましょう。

愛 地球博(テキストのみのキャッシュ)
http://72.14.203.104/search?q=cache:Pf85970exYwJ:www.expo2005.or.jp/jp/+&hl=ja&lr=lang_ja&client=firefox&strip=1

コニカミノルタ(テキストのみのキャッシュ)
http://66.102.7.104/search?q=cache:DhtoB7bSXZcJ:konicaminolta.jp/+&hl=ja&lr=lang_ja&client=firefox-a&strip=1

Googleの「テキストのみのキャッシュ」というのは、Googleに保存されているページをテキストのみで表示するものです。これはGoogleでキャッシュを表示させた時の画面最上部にある説明文を読んでいくと、「テキストのみのキャッシュ ページを参照する場合はここ をクリックしてください」という記述があるのでそれをクリックすることで閲覧できます。

さて、テキストのみのキャッシュはどうなっているでしょうか。テキストのみの表示とはいえ、情報が論理的に整理されており、人が見ても見出し、文章、箇条書きがそれぞれどこにあるか一目瞭然です。ぜひ他のサイトで同じようにテキストのみのキャッシュを表示させてみて下さい。大抵のサイトは上記のようにきれいにはならないはずです。一方で、たいていのブログサイトは上記のようにきれいに整理されて表示されるでしょう。

愛 地球博やコニカミノルタのほか、多くのブログサイトでテキストのみのキャッシュで表示させるときれいに情報が整理されるのは、HTMLタグとスタイルシート(CSS)を使い分けていることに理由があります。これらのサイトは、情報の論理構造はHTMLタグを利用して記述して、ブラウザを通じてどう見えるかは全てスタイルシートを用いて制御しているのです。こうすると、ロボットに対してはページに記述した各々の情報の論理的な意味がきちんと伝わるようになります。論理的な意味が伝わるというのは、見出し、文章、箇条書き、リンクといった個別の情報がロボットに理解されることを表します。そういった単純なことさえできれば、SEOはほとんどできたも同然です。

ブログを使うとSEOが簡単にできる、というお話を聞いたことがある人がいるかも知れませんが、これはブログを使うと(HTMLタグの知識が全くない人間でも)自然と論理構造がはっきりとしたページを生成できるから結果的に検索エンジンに上位表示されやすくなる、ということです。つまりブログを使わなくても HTMLタグの論理構造をはっきりさせればSEOは簡単にできる、ということです。

いいかえれば、HTMLの論理構造さえ明確にしておけば、検索エンジンへの最適化というSEOの「ロボットにもページの情報を適切に伝達する」という機能要件を満たし、かつデザイン的に優れたウェブサイトを作成することは可能ということを示しています。同時に、たとえMovableTypeや各「SEO的にいいといわれる」CMSを用いても、利用するHTMLテンプレートの論理構造が構築されていなければSEOの効果を全く発揮しないことを意味します。

ここで話を最初に戻します。「Webサイトを作る時には、『人』と『検索エンジン』の2種類の訪問者に情報が伝わるようにすること」と書きましたが、つまり「HTMLの論理構造をはっきりさせて検索エンジン(=ロボット)に情報が伝わるように、スタイルシートを用いて(ブラウザを頼りに理解する)人に情報が伝わるようにする」ということになります。スタイルシートがまだ使えない人の場合は「HTMLタグを使ってページ情報の論理構造をはっきりさせる」と読みかえていただいても結構です。ともかく、ページを作るときには常に「検索エンジンにもこのページの内容を理解してもらう」ことを意識するようにして下さい。この意識さえあれば、SEOにおいて巷にあふれるテクニックの中から、全く不要なものと取り入れたほうがよいものの選別も可能になりますし、すでに SEOに取り組んでいる人はもっと効率よく、デザインやユーザビリティと検索エンジン対策を両立させたサイトが作れるようになるはずです。

具体的にどう検索エンジンに情報を伝えていくかは今後の記事の中で随時取り上げていきます。

渡辺隆広

(この原稿は、CPIにて2005年4月より開始した連載記事「かんたん!SEO実践講座」をリライト・加筆して掲載したものです)





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