UGC(User Generated Contents)を活用した SEM 戦略の可能性とリスク

UGC (User Generated Contents)はSEM戦略において様々な活用の可能性が存在するが、良い面ばかりではない。企業にとって不都合な情報も瞬時にUGCを通じて拡散し、検索結果の”面”が占拠されるリスクが存在する。サーチを通じた企業のレピュテーション(評判)の監視や制御も必要となろう。


2006年05月02日 12:01 | ニュース 06H1 | TrackBack (1) |

先週、米国・サンフランシスコで開催された ad:tech のキーノートスピーチにおいて、米 Sequoia Capital(セコイヤキャピタル)の Mark Kvamme 氏が UGC の台頭について触れていた。同氏は動画共有サービスで知られる YouTube において1日あたり3,000万のビデオが視聴され、視聴時間は平均30分に達し、1日あたり3万本のビデオが投稿されていると指摘している。

これに限らずブログや SNS、ソーシャルブックマーク、音声/動画を配信するポッドキャストやビデオキャストなど、ネット上で急速に UGC(User Generated Contents、ユーザー生成コンテンツ)が増大している。今回はこの UGC が及ぼす検索エンジンマーケティング(SEM)への影響について考えてみよう。

米国では既に UGC を活用したサーチキャンペーン事例が報告されている。例えばある米自動車会社はブログを組織化して、特定のブランドキーワードで検索された際に当該ブランドについて記述しているブログがずらりと検索結果画面に表示されるようコントロールする一方、TV を通じて(そのブランドキーワードで)検索するよう促した例がある。これは消費者の購買決定・ブランド認知・イメージに影響を与える消費者が作り出すブログという UGC に、TV と SEO を通じて触れさせていこうというキャンペーンの例だ。

ビデオ検索を活用した事例も報告されている。とある雑貨を販売する会社はその商品の活用方法や利用シーンを示した動画を作成し、ビデオ検索サービスを通じて配信することにより購買意欲を高めつつ、その動画内に誘導したい Web サイトの案内を挿入することで結果的にコンバージョン率を高めることに成功した。

UGC は数が膨大であり、口コミで広範に拡散していくことからそれ自体が強力なトラフィック誘導能力を持っている。例えば日本のとあるソーシャルブックマークサービス1つをとってみても、人気ページ一覧に表示された日には、サイト全体のトラフィックの20%近くを占め Google や Yahoo!に匹敵するケースもあるなど無視できない程度の影響力を持っている。

近年、テレビや雑誌、電車の広告などで検索を促す類のメッセージを発して自社サイトへの誘導を図る例が増えてきているが、今後は UGC の特性を活かしたサーチキャンペーンも展開されるようになるだろう。先に米国の事例で示したブログや SNS を利用して、例えば口コミを発生させて自社の商品名を告知する、話題を集めるキャンペーン専用ページを開設して UGC に広めることでリンクを誘発・増加させるという UGC を活用したリンク対策、商品やサービスと連動した企画ビデオ/音声番組などはサーチマーケティングに積極的な企業が取り組み始める可能性はあろう。

ただし UGC はよいことばかりではない。「ブログは検索エンジンにヒットしやすい」といわれるが、企業にとって好ましくない情報も上位に表示されるということを示唆している。昨年、日本でもブログマーケティングに失敗した、新商品を発売開始したが不具合多発で不評をかったケースがあるが、この例ではブランドキーワードでその悪評が検索上位に表示されている。その批判自体は反省材料として次の商品開発に活かせばよいが、そのブランド自体のオンラインにおける評価は傷ついてしまうことになる。UGC のネットワークは SEM でも活用機会の可能性が広がる一方、そのリスクも肝に銘じておくべきだろう。








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