米Omniture、2008年第1四半期は6320万ドルの売上

Web解析ツール「SiteCatalyst」やSEM自動入札管理ツール「SearchCenter」を提供する米Omniture(オムニチュア)は2008年5月1日、2008年第1四半期の業績を発表した。売上高は前年同期比117%増、前期比47%増の6320万ドル(約65億円)だった。また、非GAAPベースの売上高は6,960万ドル。Omniture共同創業者でCEOのJosh James氏は、今後もマーケットでリーダーシップを発揮し、最も活発なこの分野でエコシステムを形成していくと述べている。

cf.
オムニチュア、SEM自動入札管理ツール「SearchCenter 3」を提供開始 :: SEM R

オムニチュア、Web解析ツール最新版「サイトカタリスト14」を提供開始 :: SEM R

オムニチュア、モバイル向けWeb解析ツール「サイトカタリストモバイル」を提供開始 :: SEM R

ビートレンド、販促ASP「BeMss」にモバイルSEO診断オプションを提供

ビートレンド株式会社は2008年5月7日、携帯向け販促ASP「BeMss(ビームス)」でモバイルSEOを支援する「モバイルSEO診断オプション」を提供開始した。SEOソフト開発の株式会社ジーネットワークスと提携した。

モバイルSEO診断オプションは、ジーネットワークスの携帯向けSEO診断ツール「DoctorSEOモバイル」の技術をBeMssに組み込んだ。特定キーワードの検索順位やページ内のワード構成、競合サイトとの比較レポートなどを自動的に作成することができる。

ビートレンドは同日、株式会社アクシイズのモバイルLPO対策ツール「CONDUCTOR MOBILE」と連携させ、簡単に携帯サイトのこんてんつを動的表示できるようにするモバイルLPOのオプション提供も開始している。

ビートレンド BeMss
http://www.betrend.com/services/bemss.html

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アクシイズ、モバイル向けLPOソリューション「CONDUCTOR Mobile」提供開始 :: SEM R

アクシイズ、最適な情報を動的配信するLPO「Conductor LPO」を開始 :: SEM R

ジーネットワークス、DoctorSEOにクロスリスティング登録有無の確認機能を追加

株式会社ジーネットワークスは2008年5月8日、DoctorSEOにディレクトリ登録を確認できる機能を追加した。クロスリスティングと提携し、指定したサイトがクロスリスティングの運営するディレクトリ(モンキーポッド)に登録されているか確認可能。

DoctorSEO
http://www.doctorseo.jp/

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「Yahoo!上位表示の55%はクロスリスティングのディレクトリに登録済み」 - クロスリスティング、ジーネットワークス共同調査 :: SEM R

ディーボ、夏のSEO対策キャンペーン実施、45%オフ

株式会社ディーボは2008年5月8日、テキストリンク広告(Paid Link、ペイドリンク)サービス「Power TEXT」を最大45%オフで提供する夏のSEO対策キャンペーンを開始した。夏のボーナス商戦に向けてSEOをするのに最適な時期だという。

Power TEXTは海外の評価が高いサイトから指定のキーワードを記述したテキストリンク広告を配信する。契約期間は1ヶ月または3ヶ月。サイト状況にあわせて34の商品から選択可能。

夏のSEO対策キャンペーンとして第2~第4弾が続けて発表された。

Googleがスパムと公式に認めるテキストリンク広告(Paid Links、ペイドリンク)サービス「Power AD」購入者に、30分間のSEOプチコンサルティングを提供。Power ADはウェブサイトやブログ、ブログパーツなど5万以上のサイトから指定のキーワードをアンカーテキストにしたリンクを設置・配信するもの。このキャンペーンは2008年5月15日から5月27日までの申し込みが対象。

また、必要なSEO対策のみを発注できるSEOコンビニ購入者に対して、海外のサイトからテキストリンク広告を配信するペイドリンク「Power TEXT」(先のPower ADと同様)を1ヶ月無料で提供する。このキャンペーンは2008年5月27日までの申し込みが対象。

ディーボの成果報酬型SEOサービス「Power SEO」は5月27日までに申し込むと初期費用が通常63,000円から52,500円に割り引きされる。同じく5月27日までの申し込みが対象。

5月20日から22日の3日間限定で提供されるのが、15分間無料でSEO相談ができるサービス。SEO電話相談終了後には、具体的なSEOのプランを提案するという。

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ディーボ、SEO用テキスト広告(有料リンク)配信サービスPower AD開始 :: SEM R

ディーボ、有料リンク(Paid Links)販売の代理店制度を開始 :: SEM R

ディーボ、海外サイトからのSEO用テキスト広告(有料リンク)配信開始 :: SEM R

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このプレスリリース乱発は、SEOのつもり?もしプレスリリースSEOのつもりでやってるなら、方法が間違ってる。SEO対策キャンペーン1~4は1回のリリースで出してくれた方が親切。

アルファイット、成果報酬型モバイルSEOサービス開始

アルファイット株式会社は2008年5月9日、成果報酬型のモバイルSEOサービスを開始した。初期費用36万7,500円、キーワード難易度調査やサイト調査、外部要因のリンクポピュラリティ対策、内部対策指示書の費用が含まれる。また、希望の検索エンジンで10位以内を10日以上達成した場合、成功報酬として別途、課金される。

アルファイット株式会社
http://www.upseo.jp/mobile/

Google最新事情「検索アルゴリズムの傾向と対策」(2007年3月版)

検索エンジンからの誘導がWebサイトで展開するビジネスに多大なる影響を与える今日、SEOへの関心も急速に高まり、多くの企業がWebサイトでのSEO実装に取組んでいる。しかし中には、検索アルゴリズムの弱点をつくもの、明確にランキングの不正操作を目的としたスパム行為を行うウェブマスターが増加し、その手口が巧妙・悪質化しているのも事実だ。こうした現状に対処するべく、検索会社もその検索品質を維持するために日々アルゴリズムの改良に取り組んでいる。

筆者がSEOを開始した1997年当時、そしてGoogle PageRankがSEO業界で話題となった2001~2003年、そして今日(2006年12月)を比較すると、確かに検索アルゴリズムは革新的に進化している。本章ではSEOに取り組んで効率的な検索経由のトラフィックを獲得したいウェブマスター向けに、最新のGoogle検索アルゴリズムの傾向と対策について解説していく。

なお、Googleを中心に話を進めるが一部の「Google特有の現象」を除いては基本的にYahoo!検索やLive Searchなどにも適用できる概念であると解釈して頂いて差し支えない。SEOとは特定の検索エンジンのアルゴリズムの裏をかくためのものではなく、検索エンジンに適切に情報を伝達し、適正な評価を得るための技術手法であり、従ってSEOの実装において検索エンジン毎の差異は存在しないからだ。

Index

SEO:「時間」を評価するGoogleエイジングフィルタ :: SEM R

SEO目的の相互リンクを駆逐 - 進化するGoogleのスパムフィルタリング技術 :: SEM R

SEO:信頼できるリンクを特定する「TrustRank」の概念 :: SEM R

SEO:リンクの関連性にあらためて着目しよう :: SEM R

同じコンテンツの公開に注意:SEO「重複コンテンツ」問題 :: SEM R

Google PageRankは過去の遺物 - SEOで考慮する必要性は限りなくゼロ :: SEM R

検索各社が表示するバックリンクデータ(link:)は信頼できない :: SEM R

検索各社が表示するバックリンクデータ(link:)は信頼できない

自分のWebサイトがどれだけの数のリンクを受けているかは link: 検索式を利用することでGoogle、Yahoo!、Live Searchいずれも簡単に調査できる。ところで「Yahoo!とGoogleが表示する被リンクの数が全然違うのは何故ですか?」という質問を頻繁に受けるのだがそれは当然だ。

Googleで link:(調査したいWebのURL)と検索した時、表示されるのは「被リンクの一部の情報」を表示しているに過ぎない。つまり、本当は1,000のリンクがされているとGoogleが認識していても検索結果上には100しか表示しないということだ。また、検索結果の表示順序も「Googleが重要と認識している被リンクほど上位に表示される」と思い込んでいる人が少なくないのだがそれも間違いで、Googleはランダム表示しているだけ。

つまり、Googleで link: でバックリンクを調査してもそれほど意味がないのだ。筆者は被リンクの調査をしたい時は比較的数多くの(Googleでは絶対表示されない)リンク元ページを表示してくれるYahoo!とLive Searchを利用している。Googleの数が少ないからといってあまり心配する必要はないのだ。

なお、Yahoo!やLive Searchなら全ての情報を表示するわけではない。さらに、Yahoo! Site ExplorerやLive Search Webmaster Center、Googleウェブマスターツールといったサイト運営者向けのコンソールでは、多くのリンクを表示するが、それでも全てではない。


執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

GoogleツールバーのPageRankデータは、過去のスナップショット

2002~2003年ごろのGoogleは確かに検索インデックスやPageRankの更新はおよそ1ヶ月に1度実施していた。しかし現在のGoogleは毎日のようにインデックスを更新しているし(これをEverfluxと呼ぶ)、PageRankは (1) 私たちがGoogleツールバーを通じて閲覧できる値、(2) Googleのシステム内部で持つ値、で更新頻度が異なる。

PageRankについて詳しく説明しよう。通常、私たちが各々のWebページに割り当てられたPageRankを知る手段はGoogleが配布しているGoogleツールバーに搭載されている10段階表示のPageRankバーだ。しかし、Googleはツールバー表示のPageRankデータの更新は四半期に1回しか実施していない。対してGoogleの検索システム内部ではもっと短い期間 - 2~3週間に1度とも言われる - 程度で更新している。

さらに、Googleツールバーのデータが更新される時、その情報は過去のある一時点の情報を反映しているだけだ。つまり、(ツールバーのデータが)更新されても、その更新時点でそのデータは過去のものであり、現在のランキングを反映したものではない。いま、私たちが目にする検索結果ランキングに反映された最新PageRankを知る術はないのだ。

すなわち、あるサイトを訪問した時にツールバーのPageRankが4を示していても、いま、それを閲覧している時点の本当のPageRankを知ることもできないということ。常に過去の時点のPageRankしか表示しない以上、「いま」SEOをしたい私たちにとって必ずしも参考に足るとは限らないのだ。


執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

Google PageRankは過去の遺物 - SEOで考慮する必要性は限りなくゼロ

PageRankは「1つの評価指標」に過ぎないし、少なくともGoogleツールバーは全然気にする必要はない。未だに「Googleで検索上位に表示するためにはPageRankをあげなければ」「PageRank 5 まであげるにはどうすればいいか」なんていう方が少なくないのですが、これは正確ではないので認識を改めよう。

全く価値がない・重要ではありませんとは言わないが、例えば筆者は少なくとも、Webサイトの診断においてGoogleツールバーの値は全く考慮しないし、PageRankの高低は「10か5か1か」のレベルでは判断するがそれ以上の詳細な差は考慮しない。つまり、PageRank = Webページに張られたリンクの"数"と"質"に基づいたページの重要度の評価 = という指標は「単なる1つの評価指標」である。

さらに、現在のGoogleはリンクの「信頼性」や「関連性」「アンカーテキスト」という要素も判定指標として採用している上、むしろ関連性や信頼性のウエイトが比較的高い現状においてはPageRank(先ほど定義した意味でのPageRank)は考慮しても仕方がないのだ。

「GoogleのランキングはPageRankだけで決まっているのではない」ことは認識している人でも「PageRank自体の高低は重要」と考えている人もいるようだが、今日はそういう時代ではないので注意してほしい。

なお、ネット上には指定のPageRank値にあげるために必要なリンクの計算式のようなものもあるが、こうした数学的根拠を示しているかのような情報は、10年以上前に公開されたPageRankの最初の論文(The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine、1998)に記述されている内容を簡易化した計算式を根拠にしている。しかし、当時論文で発表されたPageRankの計算式とGoogleが現在、システムに実装しているPageRankは全く別物であり、したがって全く信頼性に欠ける情報だということを知っておいてほしい。

執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

テキストリンク広告はSEOに効果的か?

今回は、テキストリンク広告について解説していきたいが、その前に「テキストリンク広告」とは何かについて定義する。

テキストリンク広告とは

最近の検索エンジンはWebサイトの重要度を判断する基準としてリンクに着目しているが、同時にアンカーテキストとリンク先ページの関連性も重視する。通常、Webサイト運営者はアンカーテキストにリンク先ページの内容を示すテキストを入れる可能性が高いので、アンカーテキストに「アイレップ」、リンク先を www.irep.co.jpとした時、検索エンジンは www.irep.co.jp というページと「アイレップ」という単語を結びつける。このアンカーテキストとリンク先ページの重み付けの結果が顕著に検索結果に現れるのがGoogleで、一昔前ほどの影響力はないが現在でもキーワードとWebページの関連性(レリバンシー)を判断する際の重要な指標として用いられている。

この、アンカーテキストとリンク先ページの結びつきを人工的に強化するためのSEO施策の1つがテキストリンク広告と呼ばれるものだ。

要はメディアサイトが販売する広告枠は通常、インプレッションやクリック数などをカウントするためにアドサーバ(効果測定用のサーバ)を経由させるためにURLが動的になる(例えば http://○○○/ADCLICK/CID=00002ec56b34520a00000000/SITE=IREP.FRONT/AREA=TOPTEXT/SIZE=TEXT/acc_random=70026111/pageid=77504163 )ものだが、SEOのために直リンク、つまりアドサーバを経由せず、リンク先に直接広告主のサイト(URL)を指定する。

いわゆる「直リンク」だが、これを多くのニュースサイトやコミュニティサイトの広告枠に貼り付ければ、簡単にそうした(大抵は検索エンジンからの評価も高い)サイトから多くのリンクを集めることが可能になり、アンカーテキストで指定したキーワードでの検索上位表示が非常に簡単になる。

つまり、テキストリンク広告は簡単にいってしまえば「お金を払ってリンクを買う」ということだ。

テキストリンク広告は英語圏では「Paid Link」と呼ぶが、日本国内で有料リンクと呼ぶと意味を勘違いする人が多数いる模様のため、本文では「テキストリンク広告」と呼ぶ。


Yahoo!、Googleとも「スパム」と判断するテキストリンク広告

このテキストリンク広告、実は結構、大手の企業にも利用されているものだ。ニュースサイトやコミュニティサイト、あるいは無料ホームページサービスなどの広告枠を見ると、ただキーワードが延々と並んでいる広告があるのだが、こうしたものは大抵、SEOの外部リンク獲得を狙ったテキストリンク広告だ。

こうしたテキストリンク広告、読者の中には「お金を払ってリンクを獲得するなんてずるい」とか「結局SEO目的のためだけのリンクだから、スパムなのでは?」と考える方がいらっしゃるかも知れない。

実際、GoogleやYahoo!はこうした、お金を支払ってリンクを購入することに対して「NO」とSES※1などの講演で明言しているし、Googleはこうした「リンクをお金でやり取りしているサイト」(リンクブローカーと呼ぶ)のリンク評価を無効にする(PageRankをゼロにする)、リンクを販売しているサイトからのリンク評価をゼロにする(見かけ上のPageRankはいくらか表示されるが、実際にはリンク先ページにリンク評価が与えられない、つまり、問題とされたWebサイトからのリンクはゼロとみなす)などの対策を施している。

また、アルゴリズムでこうした「SEO目的のためにリンクを販売しているサイト」を特定することも可能であるとの説明もしている。あるいは、こうしたテキストリンク広告を販売する際にはアンカータグに rel="nofollow" を挿入する、つまり検索エンジンがリンクを評価しないためのコードを埋め込むように呼びかけたりもしている。このように、検索エンジンはSEO目的のためのテキストリンク広告は決して歓迎していないのが実情なのだ。

ただし、だからといってテキストリンク広告が全くダメかというとそういうわけでもない。要は、「SEOのため"だけ"のテキストリンク広告」が問題となるのであり、その広告自体から有意なトラフィックを生み出せる、純粋な広告としての役割を果たしているのであれば問題はないという意見も多数を占める※2し、それももっともな意見である。また、今までリンク評価が無効とされたサイトは明らかに悪質(もはや広告ではない)ものが多いので、検索エンジン側も全てのテキストリンク広告を締め出しているわけではない。

読者の方で今後、テキストリンク広告導入を検討される場合は、このように検索エンジン側は決してよいとは思っていないことを肝に銘じた上で、単にSEOのためだけにしか機能しないリンクではなく、それ自体でトラフィックを誘導できる機能も持つ(つまり、比較的目立つ場所に張られる)リンクを選ぶように心がけよう。

最後に、コストパフォーマンスの観点からテキストリンク広告について触れておこう。"広告"と名のつくとおり、テキストリンク広告はそれの維持に費用が発生するため、中長期的に見るとコストが高くついてしまうという欠点もある。また、一時的に広告を取り外すとそれまでのリンク評価の積み重ね(別項:「時間の概念」を参照のこと)が消えてしまうし、もしかしたら競合他社がその枠を埋めてしまうかもしれず、将来もその枠にリンクを設置できるとは限らない。テキストリンク広告を採用するのであれば、あくまで一時的な対策法として捉えておき、その間に、中長期的にわたり安定したランキングを獲得できる、「自然リンクの獲得」「自然リンクが自然に増える仕組み」※3を構築するための対策を行おう。

■ 注釈
※1 SES = Search Engine Strategies Conference。米国を中心に世界各地で毎年、何度か定期的に開催されている検索業界のカンファレンス。日本で開催されるSES Japan と異なり、米国ではGoogle、Yahoo!、Microsoftといった検索会社のエンジニアなどもスピーカーとして登場する。

※2 この意見はSEO業界サイドのもの。ただし、「検索エンジンスパムと判定しない」ための合理的な理由ではある。検索エンジンがペナルティを科すことができる行為は基本的に「検索品質を著しく低下させる行為」に限定されるため。

※3 自然リンクとは、何らかの理由で一般ユーザが自然に張ったリンクのこと。つまりWebサイト運営者が意図的に設置したリンク以外のものを指す。例えば、面白いコンテンツを公開した時に、みんながブログで「これ面白いよ」といってリンクを張る場合、または有益なコラムをニュースサイトで紹介してみんながそれを引用した場合、あるいは新商品の発表を行いメディアサイトが参照先企業としてリンクを設置した場合などを指す。


執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

同じコンテンツの公開に注意:SEO「重複コンテンツ」問題

RSSフィードなどの新しい情報流通フォーマットや、ブログやSNSに代表されるCGM(Consumer Generated Media、消費者がコンテンツを作成していくメディア)の増加により、検索エンジン各社は重複コンテンツ(URLは異なるがほぼ同一のコンテンツを持つページ)の扱いについても厳しくなってきている。Webサイト運営者は不必要に※1重複コンテンツが生成されないように注意を払うこと、また、コントロール可能であれば同じコンテンツを「検索エンジンに登録させない(クロールさせない)」ための措置が求められる。今回は、この「重複コンテンツ」の扱いについて説明しよう。

重複コンテンツ(Duplicate Content)とは

重複コンテンツとは、同一コンテンツが複数のURLに存在する状態を指す。検索エンジンは重複したコンテンツは基本的に登録を行うことはない。もし同じコンテンツを重複してインデックスしていくと、ある検索クエリに対する検索結果として同一内容を持つ異なるURLを複数表示することになり、検索利用者の検索体験の質低下を招くからだ。

したがって、Googleはもっとも評価が高い、あるいは一定以上の評価を受けたページのみを登録するし、Yahoo!は重複コンテンツと判定すればクロールをしないようになっている。

重複コンテンツは検索エンジンスパム「ではない」ので注意して欲しい。よく、「重複したコンテンツを公開するとスパムと判断されますか?」という質問を受けるが、この措置はスパム対策としての措置ではなく、検索利用者のための措置だ。同じ検索結果が表示されないようにするためのアルゴリズムにすぎない。

ただ、結果として検索結果への表示に障害が発生するのはWebサイト運営者にとって大問題であり、十分に配慮する必要があることに変わりはない。しかし現実のWebサイト運営において、システム上の問題で重複コンテンツが発生してしまうケースもあれば、悪意のある第三者によってコンテンツが作られたり、あるいは通常のビジネスを進めていく上で発生してしまう重複コンテンツもある。ここでは実際のケースを紹介しながら対応策を紹介していく。


Webサイト運営上の都合で発生するケース

先ほど触れたように、悪意がなくても重複コンテンツが生まれてしまうケースがある。

ケース1 Eコマースサイト

多数の商品を取り扱うECサイト(例えば家電)は、ユーザが色々な視点から目的の情報に辿り着けるようにするために、切り口を多数用意している。例えば「メーカー別」「価格別」「ブランド別」といった一般的な分類や「今月のお買い得品」「春の新商品」といったシーズナリティなどによる分類だ。こうしたカテゴリ分類を行った時、Webナビゲーションを構成する「パンくずリスト」の論理的な整合性を保つために、同一コンテンツ(同一商品・詳細情報)が複数のURLに存在してしまうことがある。


ケース2 Web閲覧用記事と印刷用記事

ニュースサイトの中には、たとえば japan.internet.comのようにWeb閲覧用のページとは別に印刷用のページを別途設けているケースがある。印刷してゆっくり読みたい、資料として保存しておきたいユーザのために印刷に最適化したレイアウトで用意されているわけだが、当然コンテンツ(この場合、記事本文)は同一だ。これは検索エンジンから見れば「(レイアウトの違いはあれど)コンテンツは同じ」とみなさざるを得ない。


重複コンテンツ問題の対処法

以上2つのケースは、Webサイトの運営・管理上の問題やユーザの利便性を考慮した結果として生まれてしまうものであり、決して悪意を持っているわけではないだろう。しかし検索エンジンに登録し適切に各々のページが評価される環境を作るために、次のような対応を検討しなければいけない。


対処法1: robots.txt を活用

こうしたWebサイトの運営・管理上の問題で生まれてしまう同一コンテンツに対処して適切に検索エンジンに登録させるにはどうすればよいだろうか。ここではいくつかの方法を紹介しよう。

まず robots.txt の活用だ。ニュースサイトの例に挙げた「印刷用/Web閲覧用」のようなコンテンツが発生してしまう場合、例えば印刷用のWebページが格納されるフォルダをWeb閲覧用とは別のものになるように指定した上で、robots.txt を用いて検索エンジンのクロールを拒否すればよい。例えば、印刷用Webページのフォルダが /print/ だった場合、検索エンジンがクロールしないように robots.txt で設定するには次のように記述すればよい。


User-agent: *
Disallow: /print/


対処法2: METAタグにクロール拒否を記述

クロールの拒否を行う確実な方法は robots.txt であるが、フォルダが整理されていない、法則性がないなどの理由で robots.txt でクローラを除外することができない場合もあるだろう。その場合は、個々のページのMETAタグにクロール拒否の記述をすることで対応できる。

ここでは記述例を見ながら解説する。

a. <META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,NOFOLLOW">

CONTENT 内の NOINDEX は「インデックスさせない」、NOFOLLOWは「ページ上のリンクをたどらせない」という意味。上記の1行を記述したページは、検索エンジンにインデックスされないし、リンク先ページへ巡回されることもない。検索エンジンから除外したいページは通常、この記述をすればよい。

b. <META NAME="ROBOTS" CONTENT="NOINDEX,FOLLOW">

"FOLLOW"となっている通り、ページはインデックスさせないけれどもリンクの巡回は許可することになる。ページそのものは検索にヒットさせなくないけれども、その先のページがクロール・登録されやすくしたい場合に利用できる。

c. <META NAME="ROBOTS" CONTENT="INDEX,NOFOLLOW">

"INDEX"となっている通り、ページのインデックスは許可するけれども各々のリンクのクロールは禁止することになる。これはページ上で紹介したリンクが何らかの理由で検索エンジンにクロールさせたくない、あるいは、評価をさせたくはない、または広告として掲載している場合(これはウェブマスターの倫理観による)などに利用するが、一般的にこれを使わなければいけないケースは筆者が考えるにそう多くはないだろう。


参考:
Google ページの削除
http://www.google.co.jp/intl/ja/remove.html

Yahoo! 特定のページ、キャッシュを検索結果から削除したい
http://help.yahoo.co.jp/help/jp/search/indexing/indexing-12.html


ケース3 コンテンツシンジケーション(提携)

例えば CNET Japan や Internet Watch、japan.internet.com といったネット系のニュースサイトに掲載される記事の中には、全く同じものが Yahoo!JAPANのニュース内やその他ポータルサイトで掲載されることがある。これは各ニュースサイトがより集客力があるポータルサイトへ記事を配信することでリーチを広げ、多くの読者に閲覧してもらえるからだ。この場合も、同一コンテンツ(各ポータルサイトのナビゲーションやヘッダ/フッタなどを除いて)が複数のWebサイトで発生することになる。


ケース4 ニュースリリース配信サイトを利用する

企業がニュースリリースを投稿すると、複数のポータルサイトへも配信・掲載してくれるニュースリリース配信サイトがある。例えば News2u.net やValuePress! などだ。これは新商品やサービスの告知をより多くの人々に伝える機会が得られる一方、プレスリリースという同一のコンテンツが多数のWebサイトで発生してしまうことになる。

以上のケースは企業がネットで広報/PR活動を進めていく上で発生しうることだ。これもケース1~3同様に決して悪意があるわけではないが、結果として生まれた状況は検索エンジンがインデックスに含めるページを決定する上では問題が発生する可能性は否定できない。

こうしたケースでは、次のような対応が有効となる。


対処法3:オリジナルコンテンツに対してリンクを返す

同一コンテンツが複数URLで存在した場合、検索エンジンは次のような基準でオリジナルコンテンツ(コンテンツ保有者)を推定して、そのページを検索上位に表示するようにする。それは、同一コンテンツを持つページ(サイト)同士の中で、いずれもが同じページ(サイト)を指し示している、つまりリンクを張っている場合だ。

通常、他社から供給されたコンテンツを掲載するWebサイトは、その供給者のサイトに対してリンクを張ることが多い。例えば私が所属する企業・アイレップがjapan.internet.comにコンテンツを提供した場合、japan.internet.com がアイレップにリンクを張る。この場合、検索エンジンは複数URLにわたり存在する同一コンテンツの中からどのサイトにあるコンテンツがオリジナル(供給者)であるかを判定できるので、それを表示する。

たとえリンクが張られていない場合でも、通常、もっともリンクの評価が高いサイト上にあるコンテンツが表示されるので、一般的には供給した会社・個人のページが優先して検索上位に表示されるはずだ(最初にコンテンツを公開したサイトとオリジナルのコンテンツ保持者は同一になるケースが多いから)。

SEOを考慮した場合、コンテンツを第三者のWebサイトに供給する際には必ずリンクを自分のサイトに返してもらうということを押さえておけば、ほぼ問題はないだろう。例えば「提供元:○○○」といった形だけでも十分だ※2。

以上が他サイトにコンテンツを提供するシンジケーションを行った場合の対処法だ。

プレスリリースの場合は通常、本文中や末尾に会社概要とともにリンクを埋め込むはずなので、「オリジナル(この場合はリリース発行者)のサイトへリンクを返す」ことは通常のスキームですでに行われているはずなので特別な配慮は不要だろう。ただし、プレスリリース発行になれていない企業の中には、URLを大文字で記入する、URLが間違っている(これは問題外)、http:// が記載されていないなどの理由で検索エンジンがクロールできないケースがある。当たり前のことであるが、リリースを閲覧したユーザがWebサイトに1クリックでアクセスできるようにするためにも、またクローラが巡回できるように、きちんと半角で、はっきりとニュースリリースに掲載しておこう。


■ 注釈

※1 あるドメインにおいて膨大な量のWebページを持つサイトは、相応に充実した情報を持っていること、サイト内リンクとそのアンカーテキストの調整でランキングを優位に操作できること、また、オーソリティーサイトになるための1つの要件とされていたため、見かけ上のページ数を増やして相互にクロスリンクさせる手法が流行った。最近はこうした手法をとっても検索上位に表示することは難しい。

※2 コンテンツを掲載する側のサイトが、それを供給した側のサイトよりも明らかに検索エンジンからの評価が高い場合、このような施策を行っても常に供給先サイトが検索上位に表示されるケースもありうる。この場合のSEOの観点からの対処法は残念ながらない。

執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

SEO:リンクの関連性にあらためて着目しよう

「リンクの関連性」という話は全く新しい概念ではなく、既に2000年頃から言われていたことだ。ただ、当時はSEOのベストプラクティス(こうあるべきだ)という観点からWebサイトのトピックと関連するサイト(ページ)からリンクをもらうように心がけよう、という程度のものだったのだが、近年はGoogle、Yahoo!、Live Search ともに関連性の高いリンクを獲得することは比較手短期に成果(検索ランキングで上位に表示する)を求めるためには必要なことだ。

ここで改めて話を整理しておこう。

リンクの関連性とは

リンクの関連性とは、リンクを張ったページと張られたページの双方のコンテンツの関連性についての話だ。

例えば、「ケーキの作り方」というコンテンツを持つページAがあったとしよう。ここに対して、「車の修理方法」のコンテンツを持つページXと、「お菓子の作り方」のコンテンツを持つページYからの双方からリンクが張られている時、検索エンジンはXよりもYのリンクをより高く評価する。リンクXを全く評価しないということはないのだが、少なくともYほどの評価は得られない。

一応、この理屈(なぜ、関連性が重視されなければならないのか?)を、きちんとSEOの考え方を理解してもらうためにも説明しておこう。


Webページの重要度は「検索クエリ」によって変わるべき

どの検索会社も「どれだけのリンクが張られているのか」を、数・質・関連性・時・信頼性などの多様な観点から分析・スコアリングしてランク付けする。これはインターネット上のWebのリンクコネクティビティ(リンクによる接続網)を分析することで、一般的に人々が重要視(価値が高いと判断)するようなWebページにはより良質なリンクが集まり、その重要性が下がるにつれてリンクにより算出されるスコアも下がると考えられるからだ。

ところで、このリンクによるスコアリングは検索品質を高めるためにはより適切にページごとに点数付けすることが求められるのは当然のことだ。

1997年から2002年当時のGoogleが採用していたリンク分析関連のアルゴリズム(PageRankと読み替えていただいて問題ない)、基本的にリンクの「数」と「質」、そしてアンカーテキストに基づいてスコアを算出していた。これはPageRankの基本的な考え方が「インターネット上における各々のWebページの重要度を算出する」 - 少なくともその当時は、それさえ算出すればより適切な検索結果が提供できると考えられていた - ことにあったのだが、これは実は欠点があった。

次の2つのケースを思い浮かべて頂きたい。コンテンツ「中古バイク」のWebページに対して8つのリンクが張られているが、その8つのページはいずれもバイクと全く関係がないページ。そして、同じく「中古バイク」のWebページであるが、その被リンクとなる4ページのうち3ページは同じく「中古バイク」の話題を扱っている。

この時、当時のPageRankであれば後者のケースよりも前者のケース、「中古バイク」Webサイトを(リンク分析において)より高い点数付けをしていた。しかし、残念ながらこの計算が適切とはいえない。何故なら、どのWebページが重要であるかは普遍的なものではなく、本来は検索キーワード、ユーザーが何を求めているかによって変わるはずだからだ。

この話は現実世界を例にあてはめてみるとわかりやすい。例えば自宅の水道が壊れた時、皆さんはどこに連絡するだろうか。大半の人はその手の専門家である水道工事屋さんに連絡して修理を依頼するだろう。しかし、不注意で交通事故を起こしてしまって裁判沙汰になった時に同じく水道工事屋さんに相談するだろうか?その時は"法律の専門家"である弁護士のはずだ。

このように、その時々の話題・関心ごとにおいて解決するために最も適切な人物を選ぶように、検索サービスにおいても「ユーザが何を探しているか」に基づいて重要なWebページは変わるはずだ。

したがって、"当時のPageRank"の基本システムのように検索クエリにかかわらず"普遍的な重要度の高いページ"を表示することは決して最適とはいえないわけだ。検索キーワード「中古バイク」で検索された時に、中古バイクと関連性のないリンクの評価はゼロにする、あるいは関連性のあるものより低く評価することで、純粋に「同じ中古バイクの話題を扱うWebページ同士で最もリンクが集まっているのはどこなのか」を見つけたほうが、ユーザが満足いく検索結果を表示できる可能性はずっと高い。

実はこの考え方を取り入れた検索エンジンが、当時"Googleキラー"として話題となったTeoma(現在はAsk.com / Ask.jp )のSubject Specific Popularity(現在は ExpertRank (エキスパートランク)と呼ぶ)だ。

今まで述べてきた通り、リンクの関連性を評価に加えた方が合理的なため、Google、Yahoo!、Live Searchも何らかの形式で同様の指標(関連性)を評価するようになってきている。少し本筋から話がそれたが、「なぜ、検索エンジンはリンクの関連性という指標を参考にするのか」という理屈を理解しておくことは今後の検索アルゴリズムの変化のトレンドを捉える上でも大事なことなのであえて説明を加えさせていただいた。

執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

SEO:信頼できるリンクを特定する「TrustRank」の概念

SEOにおける外部リンク対策の基本方針は、昔も今も「優良なWebサイトからリンクを獲得する」「リンクが自然に増えるような良質なコンテンツ・サービスを提供する」ことに代わりはない。一方で、私たちは自らのSEOの努力でもって外部リンクを積極的に獲得したいし、数も増やしていきたい。だからこそ、あれこれとリンクを増やす手法が生み出されるわけだが、ただ闇雲にリンクを増やすのではなく「リンクの品質」を常に考えなければいけない。

これに加えて、安定した検索ランキングを維持するために必要とされるのが「信頼性の高いリンク」だ。これは欧米では Trusted Link などと呼ばれる。元々は検索エンジンスパムを排除するアルゴリズムの手法として論文で紹介されたTrustRank※1 の考えがあるが、同手法が実際の検索エンジンに導入されているかどうかは別※2として、リンクの信頼性という概念を何らかの形でランキングの評価に加えている、という見方は少なくない。この概念は2~3年ほど前に同じく欧米で話題になったAuthoriy(オーソリティー)※2という概念にも似ているのだが、ここで簡単に紹介をしておこう。


リンクの信頼性を考慮する「TrustRank」とは

例えば、あなたの大親友で絶対の信頼を置いているサチコさんがいたとする。そのサチコさんに、あなたは面識がないがサチコさんの大親友であるアヤカさんを紹介されたとする。この時、あなたはアヤカさんを信用するだろうか?

大抵の方は「信用する」と答えるに違いない。なぜなら、サチコさんという大親友で信用している人物が紹介した人物だから、きっと”(アヤカさんは)危険な人ではない”と判断するからだ。

では、サチコさんの親友の、親友の、親友の、親友の、親友の、親友の・・・・・親友のマドカさんを紹介されたらどうだろうか。この時は「信用しない」と答えるはずだ。確かにサチコさんは信用できるが、その親友の親友の(以下、省略)親友(=マドカさん)はあなたにとって赤の他人であり、信用してくれと言われてもできないだろう。

こうした考え方をスパムサイトの判定に用いようと考え出されたのがTrustRankという概念だ。TrustRankとは、あらかじめ人の目で見て「信頼できる、充実している」と判断されたWebサイトを複数決めてマークしておく。次に、このマークしたWebサイトを拠点として、リンク先ページに点数を与えていく。マークされたWebからその直接のリンク先ページには多くの点数が与えられるようにする。一方、マークされていないWebページからのリンクは相応に低く点数を与えていく。

一般的に、”良い"ページは滅多に”悪い”ページにはリンクを張らない(どこにリンクを張るか常に注意していると推定できる)、”悪いページ”は同じく”悪いページ”にリンクを張っていることが多い(リンクを増やしたいというSEOの意識が常に働くため)、つまり”悪いページ”は同じく”悪いページ”から数多くのリンクを張られている、などの傾向がある。

したがって、上記のように最初に「信頼できるWebサイト」を決めて点数を配分していくと、Webサイト群によって点数に顕著な偏りが出てくるため、「検索エンジンスパムの可能性のあるWebサイト」「信頼できるに足ると判断できるWebサイト」を抽出できるようになる。


TrustRankのコンセプト自体は導入されているかも?

TrustRankはあくまで米スタンフォード大学のZolt´an Gy¨ongyi氏やHector Garcia-Molina氏、米Yahoo! Inc.のJan Pedersen氏らが発表した論文の話であり、実際にGoogleやYahoo!といった検索エンジンが導入されているかどうかは別問題だ※3。ただし、論文や特許で記述された通りに検索エンジンが技術を実装しているかは別として、そこにあるコンセプトが何らかの形で導入されている(と判断できそうな)ケースは少なくない。今回のTrusted Linkと呼ばれる概念もこうした、「導入されていそうな気配」が感じられる技術の1つといわれている。

わかりやすい例として、日本のYahoo!検索対策における「Yahoo!カテゴリ」登録があげられる。Yahoo!検索で検索上位に表示するために必須の外部リンク対策としてあげられるのがYahoo!カテゴリ登録だが、これは「Yahoo!カテゴリに登録されたサイトは、そうでないサイトと比較して明らかに検索上位に表示されやすい」事実が確認されていること、またYahoo!自身、Yahoo!カテゴリからのリンクはそれ以外からのリンクよりも重み付けを行っていることを認めているためだ。

Yahoo!がこうした手法をとるには無論、合理的な理由がある。Yahoo!カテゴリは人の手により審査され、その審査を通過したサイトのみが掲載されるカテゴリであり、すなわり、Yahoo!カテゴリは「良質なWebサイトの集合」だ。

したがって、こうしたサイトに相応の重み付けをして検索上位に表示されやすくすることは、検索品質の担保とより有益な情報を表示する検索エンジンを構築する上で有効な方法の1つといえよう。ここで「良質なWebサイト」とみなしているのは言い換えれば「信頼に足るサイト」ということであり、先にふれたTrustRankと同様の理由の上で成り立っていることがおわかりいただけると思う。


GoogleにおけるTrusted Linkの考え方

品質の精度を高めるために人の判断や価値基準を積極的に採用するYahoo!に対して、Googleはできる限り技術で問題を解決しようとする傾向がある。そうした背景から、Googleが何らかの形であらかじめ「信頼できるWebサイト」を人の手で選び出している可能性は限りなく低い一方で、何らかのアルゴリズム技術を用いて「信頼に足るWebページ」はあらかじめ選択している節がある。これはPageRankの高低とは関係なく、純粋にGoogleが"他のWebサイトよりは比較的、良好な評価を与えている"と状況証拠から類推できることが複数のケースで確認されていることが背景にある。

この原稿を執筆している時点(2007年3月1日)でまだ検証結果が明確に出ていないため残念ながらここで断定することはできないのであるが、少なくとも、比較的良質なリンクを多く集めている少数のWebサイトからリンクを得ることで、クロールの頻度も通常より高く、競争が著しく激しい検索キーワードを除けば比較的検索上位に表示できる現象は確認できている。"信頼性"という基準をGoogleがどのように構築しているのかは不明であるが、「長期にわたり存続し、非常に豊富なコンテンツを持ち、数多くのディープリンク※4を含む良質なWebサイトからのリンクを持ち、定期的に更新され、かつ、定期的に被リンクも増えていくサイト」からのリンクは比較的高く評価されやすいようだ。結局のところ、この定義に該当するWebサイトのPageRankは総じて高くなるので「PageRankが高いサイトからリンクを集めればいいだろう」と捉えてしまうかも知れないが、少なくとも、(多くの人が好きな"PageRank"という言葉で説明するなら)「"PageRankが高いWebページ(サイト)からのリンクを優先的に獲得するための施策を考えるべき」とはいえよう。

少なくとも、「チリも積もれば山となる」的な考え方で、PageRankの低いページからいくらリンクを集めても以前ほどランキングへの影響は及ばないし、むしろ別項で触れたとおり「低品質のリンクが集まるサイト」と判断されればランキング以前にデータベースへの登録で障害が生じてしまう。

以上の説明では「結局、"Trusted Link"を獲得する方法がわからない」となるので、ここでは筆者が日常用いている判断基準を一例としてあげておこう。


1. Yahoo! / Jディレクトリー / モンキーポッド全てのディレクトリ検索エンジンに掲載されているサイト

2. 更新頻度が非常に高く、記事更新のたびに数多くのブロガーからリンク・言及されているサイトで、かつ、大手ディレクトリ検索エンジンのいくつかに登録されているサイト

3. コンテンツボリュームが膨大(目安として、"意味のある(価値のある)"コンテンツが1,000ページ以上存在する)して、かつ、定期的に更新しているサイト、ただし、シンジケーションサイト(他の媒体からコンテンツ供給を受けているサイト)を除く


注釈

※1 原文は"Combating Web Spam with TrustRank"。
※2 Authority(オーソリティー)とは、インターネットの世界でみんなから「権威あるサイトだ」「この話題の専門サイトはこれだ」「ここはすごいんだ」と思われているWebサイトのこと
※3 検索会社が公開した特許文書にこんな記述があった、公開された論文の執筆者が検索エンジン会社の社員だった、などを根拠に該当文書で触れられている仕組みや技術が検索エンジンに導入されている可能性が高いと主張するものがいるが、別に特許が取得されているからといってそれが検索技術に実装されているわけではない。競合他社に同様の技術を開発させない、あるいは何らかの特許訴訟を起こされた際のカウンターとして訴えるための、いわゆる「防衛特許」と呼ばれるものがあるからだ。ただし、だからといってこうした検索関連の特許や論文に目を通す価値がないというわけではなく、これらに触れることで検索技術の開発視点やトレンドを探ることはできるので、余裕のある人は目を通してもいいだろう。

※4 ディープリンクとは、Webサイトのトップページ(通常は 独自ドメイン.jp/index.html )以外のページに張られたリンクを指す。例えば、過去のニュースを全てアーカイブしているニュースサイト(例 CNET Japan http://japan.cnet.com/ ) は、トップページよりも個別記事に対してブログなどを通じてリンクを張られ言及されることが多いので、サイト全体に対するリンクのうちディープリンクが占める割合は多くなる傾向にある。


執筆:渡辺隆広
本原稿は、2007年3月1日時点のもの

SEO目的の相互リンクを駆逐 - 進化するGoogleのスパムフィルタリング技術

常に進化するリンク分析アルゴリズム

Googleに限らずYahoo!検索やLive Searchにもいえることだが、今日の検索エンジンは基本的にWeb上で張り巡らされているリンク分析を通じて個々のWebページの(ネット上における)価値や重要度を特定して、それを基準におおまかなランク付けをしている。いいかえれば、手段を問わず検索上位に表示したいSEOマーケッターが不正操作のターゲットとするのは「外部リンク」だ。したがって、検索会社もリンク分析やスコアリング関連のアルゴリズムには特に力を入れて改良している。

ここでリンク分析アルゴリズムの傾向と対策について話をする前に、基礎知識としてリンクの評価概念について簡単に説明しておきたい。

アウトバウンドリンクも重要 - 「どこにリンクを張るか」

きっと読者の多くはリンクの評価について「いかに多くの(しかも質の良い)リンクを"受け取るか"」ということを考えると思うが、検索エンジンは「どこのページにリンクを"張っているか"」という要素も評価している。つまり、「よく引用される論文は同じく良い論文」が「よくリンクされているページは良いページ」であるように「良い論文は同じく良い論文を参照する」、言い換えると「重要度の高いページは同じく重要度の高いページにリンクを張っている」ということである。

これはネット上で評価の高い(多くのユーザから支持され、リンクされている)サイトの運営者は、自分のWebサイトからどのページにリンクを張るかをよく考えるからである。なぜなら、コンテンツの質が悪いページ、対して役に立たないページを紹介することはユーザの支持を失うことになるためだ。したがって(検索エンジンの視点で)重要度の高いページの多くにリンクを張っているWebページは、リンク先を適切に判断した上で設定したものとして相応にリンクを張ったページも評価をするのである。

ゴミ同然のページに大量リンクを張るのは注意

さて、「どこにリンクを張るかも重要である」ということは、重要度の低いページばかり(狙っているかのように)張っているページの評価はどう取り扱うのが適当であろうか考えてみよう。

本来、Webページはユーザに有益な役立つ情報を提供するために提供されているはずであるから、ページで紹介されているリンク先ページも基本的には有益なページのはずである。しかしユーザには判断能力の差はあるから当然、みんなが良いと思うページばかりにリンクを張るのではなくて、大多数には認められない(つまり、検索エンジンの視点でいうと重要度の低い)ページにリンクを張ってしまうことはあるだろう。しかし、「重要度の低いページばかりに狙ってリンクを張る」ということは特別な意図がない限りはありえない。

検索アルゴリズムで判断される基準はこの点だ。つまり「リンク先ページの大多数が重要度の低いページ」Webページはユーザに有益なリンク情報を提供していないことになるため、検索エンジンからの評価は下がることになる。このリンク分析アルゴリズムが意味することは、「多数のWebサイトを自分で立ち上げて、相互にリンクをしても検索エンジンからの評価は得られない」ということである※1。

エイジングフィルタのページで説明したように、自らが多数のWebサイトを立ち上げることでリンクを簡単に人工生成してリンク評価を高めるウェブマスターが増えた。、こうしたサイトは大抵の場合、他者が運営するWebサイトからのリンクは受けていないし相互にリンクをする相手も自分が用意したサイトになる(だからこそ、不正SEO目的に大量のサイトを用意している)。すると、他者からリンクを受けていないサイト(ページ)(その時点で評価が低いサイト)同士でリンクを張ることになるので、重要度の低いサイト(ページ)同士がリンクを張り合うことになる。すると先述したとおり「重要度の低いページばかりにリンクを張っている」ことになるので評価が下がる(上がらない)ことになる。

また、今まで「重要度の低いページにばかりリンクを張っているページ」ということで説明してきたが、同様に「重要度の低いページばかりからリンクを張られているページ」も同じく品質に問題がある(SEO目的のために作成したWebサイトから大量にリンクを張っているだけの可能性がある)ということでやはり検索にヒットしづらい状況となる※2。

相互リンクする相手を確認せよ

リンク元やリンク先ページの品質が判断指標となるということは、相互リンクをする場合に「自分が誰とリンクをするのか」をきちんと確認する必要があるということだ。

例えば、ネットワークに参加して指定されたファイルを自分のWebサイトにアップロードするだけでその他大勢のWebサイトと相互リンクできるような「相手先不明」な相互リンクには参加すべきではないし、もし個別に相互リンクを結ぶにしても怪しいWebページにばかりリンクを張っているようなところとはリンクすべきではない。


こんなタイプの相互リンクに注意

誤解しないで頂きたいのだが、決してSEOにおいて「相互リンク」自体がダメだといっているのではない。問題は、相互リンクを結ぶスキームにおいて「不特定多数のユーザと勝手に相互リンクが結ばれ」たり、「相互リンクした相手が危ないネットワークに参加している」場合だ。また、相互リンクの仕組み自体に検索エンジンスパムと判定されるリスクはないが、SEO的に何の効果が得られないものも存在する。ここでは具体的なケースを挙げておこう。


ケース1 強制相互リンク型 - スパムと判定される可能性も

相互リンクのための手続きを踏むと、参加条件として指定のWebページを自分のサイト上にアップロードすることが求められており、そのWebページには自分が知らない多数のWebサイトへのリンクが記載されているようなケースを指す。

この指定されたファイルをアップロードすると、あなたは該当相互リンクネットワーク参加サイトから数多くのリンクを受けることになるが、同時に、その条件となったWebページをアップロードすることで自分のサイトから不特定多数のWebページにリンクを張ることになる。こうしたタイプの相互リンクネットワークは、検索エンジンのリンク評価を上げるためだけのリンクネットワークと判断される(リンクファーム)、あるいは品質の低い、検索エンジンスパムを行っているようなWebページに知らないうちにリンクを張ることによってインデックス登録に支障が生じる、例えばWebサイトが全くGoogleで検索できなくなる事態が発生しかねない。


ケース2 ねずみ講相互リンク - 時間の無駄遣いに終わるかも

相互リンクネットワークへの参加者を勧誘した人数に応じてリンクが増える仕組みを採用した相互リンクネットワーク。これは検索エンジンスパムを想定して、それを回避するための仕組みとして出来上がったものなのでGoogleやYahoo!からスパムと判定される危険性は少ない。ただし、この手のものは主催者側だけが得をして後から参加した人はメリットが享受できないことが多い上に、Webサイトやシステムの仕組み上、参加者があまり増えない。また、この手のサービスに参加するWebサイト運営者は総じて検索エンジンからの評価が低いため、たとえ多くのリンクを獲得できても検索エンジンからの評価はそれほど上がらない。つまり、手間をかけた割にさして効果がないので時間の無駄遣いで終わる可能性が高い。


ケース3 テキストリンク自動挿入型相互リンク - 時間の無駄遣いに終わるかも

自分のWebサイト上に貼り付けたリンクの数に応じて、相応の数のリンクがネットワーク参加者のいずれかのWebページから張られるタイプの相互リンクネットワークを指す。Webサイトが属するカテゴリと同一のサイトからリンクが張られるように関連性まで考慮した、高機能(?)なものもあるが、概して参加者数が少ないためにそれほど機能していないことが多い。また、ケース2同様に総じて参加サイト自身のWebサイトの検索エンジンからのリンク評価が低いためにリンクを獲得してもランキングの順位にインパクトを与えるほどの効果は得られにくい。ケース2同様に時間の無駄遣いに終わる可能性が高い。国内において、少なくとも1社が上記に該当するサービスを提供しているが、全く機能していないことを筆者は確認済みだ(2008年5月1日時点)。


相手が確認できる相互リンクへ参加しよう

もし相互リンクによってリンクを獲得したいのであれば、必ず、自分が誰と相互リンクをしようとしているかが把握できるものにしよう。つまり、基本的には相互リンクを募集するWebサイトと個別に結んだほうが無難だ。あらかじめサイトの人気度を表示してくれるAlexa ( http://www.alexa.com ) や Google PageRankなどの数値で相手の大まかな状況を知ることができるし、ざっとHTMLコードを見ればスパムをしていないかどうか※1も確認できる。問題がないと思ったら相互リンクの申し込みをすればよい。

このように相手が確認できるものであれば、例えば「一度に(私が運営する)8サイトと相互リンクが結べます」といったようなものでも基本的に問題がない。8サイトがどれなのかを把握できているからだ。


自由登録型リンク集も効果は薄い

「リンクの品質」という話を相互リンクの観点から述べてきたが、この品質評価問題は一般のWebサイトへのリンク貼り付けについても同様だ。

例えば、1~2年前であれば外部リンク対策の1つとして、個人などが運営する中~小規模の検索エンジン(ディレクトリ)やリンク集への登録があった。誰でも手軽に検索エンジンやリンク集を構築できる無料のCGI/PHPスクリプトで設置できるタイプの検索エンジンだ。こうした検索エンジンやリンク集はネット上に無数に存在するが、アンカーテキストの内容(見出しに相当)を自由に指定できることから、検索上位に表示したいキーワードを含んだ見出しで大量の検索エンジンに登録して、望みのキーワードで上位表示することができた。特にアンカーテキストとリンク先ページの関連付けを重視する対Googleという意味では比較的有効に活用できた。

しかし、ここ最近の傾向を見ると、残念ながら数百という単位で登録をしてもあまり検索上位に表示されにくくなっている。また、過去に登録することで検索上位に表示されていたWebサイトが全く検索されないケースも確認されている。Yahoo!やJディレクトリー、DMOZ (Open Directory Project)といったネットでもメジャーなディレクトリ型検索と異なり、ここで触れたような中小のリンク集やディレクトリは他のサイトへのリンクは多数持っていても(SEO目的で登録するユーザが多いから相当な数になる)、被リンクは少なくなる(こうした中小ディレクトリにわざわざリンクを張る人はいない)ため、検索エンジンからの評価も下がってしまうことが原因の1つと考えられる。

もちろん、こうした類のリンク集やディレクトリが全て効果がないわけではないが、少なくとも「数多く登録すれば相応に検索上位に表示される」わけではなくなっているので注意をしてほしい。せっかく数多く登録したその努力が水の泡になりかねない。


新規立ち上げのWebサイトの外部リンク獲得には注意

なお、新規に立ち上げたばかりのWebサイト、つまり、外部からのリンクが全くないWebサイトの外部リンク対策について1点注意事項を挙げておく。

これは米Googleのエンジニアが認めていることであるし、また筆者自身も2006年の1年間をかけて実験を通じて確認しているが、あるWebサイトへの被リンクの大多数(目安として8~9割以上)のリンク品質が低い - つまり、リンク元ページの評価自体がほとんどない - 場合、検索エンジンのデータベースに登録されにくくなっている。

具体的には、どんなにWebページの数を増やしても、またどれだけの頻度で更新してもトップページ以外のページが全くGoogleに登録されない。これは、リンク評価が著しく低いというよりも、リンク評価の低いページからしかリンクが張られていないWebページのため、Googleがシステム的に登録を排除していると推定される。既に何年か運営しており相応に知名度のあるサイトであれば、Webサイト運営者の意図しないところで勝手にリンクが増えていくため、「低品質のリンクばかりがあつまる」こと自体が起こりえないため心配無用だが、新規Webサイトで最初からSEOをがんばっている場合、しかも外部リンクの集め方に問題がある(低品質のリンクばかり集めてしまう)とGoogleにインデックスされなくなってしまうので注意したい。

ちなみにこの現象はGoogleでのみ確認されている。


■注釈

※1 これは単純に「リンクファーム」という違反によって検索エンジンスパムと判断される場合もあるが、仮にリンクファームの違反基準に該当しなくても「リンクの品質」という観点から結局評価が下げられる可能性があるということ。

※2 自分が誰にリンクを張るかは100%管理が可能(ウェブマスター自身が、リンク先を決定することができるから)だが、どこからリンクが張られるかはウェブマスターの管理範囲外(誰がリンクを張るかはわからないから)なので、誰かが大量に自分のWebサイトに品質の悪いリンクを貼り付けて検索順位を落とされる点を懸念されるかも知れないが、「100%管理できない範囲」ゆえによほど明確な証拠がない限り、被リンクの品質の悪さを理由に順位が下がることはないので気にする必要はない。これは複数Webサイトを運営していて相互にリンクを張ろうとする際に留意すべきものだ。


執筆:渡辺隆広
本コラムは2008年5月1日時点のもの

SEO:「時間」を評価するGoogleエイジングフィルタ

時間の概念を取り入れた検索アルゴリズム

2005~2007年にかけて進化したGoogleアルゴリズムの中でも特筆すべき点は、GoogleがWebページ(サイト)「時間」の概念を取り入れ評価対象に加えたことだ。最も有名なものとして、Webサイトが開設されてからの時間経過によって検索順位が変化する「エイジングフィルタ(Aging Filter)」が挙げられよう※1。

エイジングフィルタとは、新規に取得したばかりのドメインでWebサイトを開設した場合、そのWebサイトに実装した検索エンジン対策の度合いにかかわらず、開設から3~6ヶ月は関連したキーワードで検索しても検索上位に表示されない現象を指す。

「新規に取得したばかりの~」という断りを入れたが、ドメイン自体はずっと昔に取得していた場合でも同現象に陥ることがあるし、逆に新規に取得したドメインでWebを開設しても現象が発生しない場合もある。つまり現時点でもエイジングフィルタのメカニズムは明確にはなっていないのだが、少なくとも米Googleエンジニア・Matt Cutts氏は一般に私たちがエイジングフィルタと呼ぶ現象を招くようなアルゴリズムが存在することは公に認めている。また、同現象の報告は世界中で相次いでいるエイジングフィルタ相当の現象が発生すること自体には間違いがない。

エイジングフィルタはPageRank不正操作の対抗策

エイジングフィルタが導入された背景は次の通りだ。

よく知られているようにGoogleのPageRank(ページ・ランク)アルゴリズムはWebページに張られたリンクの数やその質によってページの重要度を判定するための技術。ところで、このPageRank理論は単純化すれば「多数のWebページから多数のリンクを張り付ければよい」わけであり、格安レンタルサーバ会社を利用することで人為的に評価を無限に高めることができる。つまり、ドメイン1つ数百円、Webサイトも年間で1000~2000円程度で開設できるというWeb開設コストが低価格化している今日においては、資金のある企業はもちろん、個人レベルでも数百単位のドメインを取得して多数のWebサイトを開設して、それらのWebサイトから検索上位に表示したいWebサイトに向けて多数のリンクを貼り付けてしまうことでPageRankを簡単に不正操作することができる。。

新たなビジネスを展開するために新規にWebサイトを立ち上げても、こうした手法で開設と同時に多数のリンクを貼り付けることでサービス開始当日から多数のキーワードで検索上位に表示してしまうことが可能となる。

こうしたSEOマーケッターによる不正なリンク評価の操作に対抗するための1つの措置として位置づけられているのがGoogleのエイジングフィルタだ。一定期間の間の評価を無効にしてしまえば先述の手法は効率性が悪くなるため、同行為を抑制することが可能になるからだ※2。

エイジングフィルタによって「新規に立ち上げたWebサイトは時間が経過するまでWebサイトの上位に表示することはできない」が、困ったことにこのルールは全てのWebサイト※3に適用されてしまうため、最初の数ヶ月間は検索エンジン(自然検索)からの誘導が見込めないことだ。

新規にウェブサイトを開設する時の注意点

このため、新規取得ドメインで新たにWebサイトを開設した場合、次のことに注意する必要がある。


1. Webサイト開設(サービス開始)日まで数ヶ月の余裕があり、かつドメイン名を先に決定できるのであれば、まずドメインを取得して簡単なコンテンツを1ページだけ用意して公開し、検索エンジンにクロールさせておく

2. ドメインを先に決定する、例え1ページでも開設準備が不可能であれば、最初の3~6ヶ月はSEOによる誘導ができないという前提のもとでサーチキャンペーンを組み立てる(つまり、検索連動型広告の積極的活用を検討する)

3. エイジングフィルタはサブドメインやディレクトリ単位など、既存ドメイン上であれば適用されないので、特別な理由がなければサブドメインやディレクトリ単位でWebサイトを開設する。平行して新規ドメインも公開だけしておき、時間経過とともに新規ドメインに移設する。(この方法はサイト移設などの作業が発生するため、あまりお勧めはできない)


■ 注釈

※1 エイジングフィルタは2006年12月31日時点でGoogle特有の現象であり、Yahoo!、Live Searchは無関係。

※2 エイジングフィルタだけではスパム行為の抑止にはならない。これは後述するその他の数々のアルゴリズムの改良との組み合わせで効果を発揮する

※3 冒頭で触れたように、全てのWebサイトに適用されるわけではないが、メカニズムが判明していない以上、「全てのWebサイトにエイジングフィルタが適用される」という前提でSEOの戦略を考える必要がある


執筆:渡辺隆広
本文は2007年3月1日時点のものです

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