PageRankスカルプティングの否定は、Googleガイドラインの趣旨と矛盾するから?

nofollowリンクの仕様変更の話の続き。Matt Cuttsが自らのブログにて公式にnofollowの仕様変更を1年前に行っていたことを明らかにしました。

過去の講演やビデオで、Matt Cuttsは確かに「PageRankスカルプティングによって、より重要なページにPageRankを流すことが可能になる」となる旨の発言を何度か行っています。にもかかわらず、それらに一切触れず、「1年前からやってるよ、サイト内に流通するPageRank量が増えるわけじゃないよ」と、しらを切ろうとしています。Google(Matt Cutts)は近年、ウェブマスター向けに検索フレンドリーなサイト構築について様々なアドバイスを行ってきましたが、今回のように過去の公の発言を取り消してしまうのはきわめて珍しいことです。

Matt Cuttsの釈明記事"PageRank sculptingを読んでも、あまり明確に理由を述べていないのですが、そもそもの経緯を考えるとここに書いてある理由はとりあえず後付けで作ったものに過ぎず真実は書かれていないと思います。

で、なぜGoogleが今更PageRank Sculptingを否定するかを考えてみたのですが・・・結局のところ、nofollowによるPageRankコントロールを認めることは、ウェブマスター向けガイドライン全体の趣旨・方針に反する可能性があることに気がついたからではないかと考えられます。

つまり、ウェブマスター向けガイドラインの内容は、「ユーザにとって役立つことをする、ユーザに有益なことが優先される」という大前提のもとに作成されています。しかしPageRank Sculptingというのは完全に「検索エンジンのため」のものであり、ユーザにとって一切の利益・不利益もなければ、検索エンジンにとって利益もありません。こうした行為を認めると他のガイドラインの趣旨や意図との整合性がとれなくなりますので、否定する、もしくはそれ自体を無効にする必要があったと考えられます。

さらに、PageRank Sculptingを認めることは、ユーザにとって有用性が低く、しかしPageRankによる評価が高いページを生み出してしまうことにつながります。「アウトバウンドリンクの数を分母において、その数で割る」という最初のPageRank論文に記述されているその内容は、そういう計算を行うことの合理性があって行われているのです。適当にユーザに役に立たないリンクがあちこちに記述されているのに、それをnofollowでPageRankを内部留保させてしまうと、本来評価すべきでない程度のスコアが蓄積される・他に渡されることになり、全体のサイト(ページ)評価を歪めることにもつながります。

1年前に仕様変更しつつ今まで公表しなかったのは、単に公表する意志が全くなかっただけなのでは。今回たまたま質問きちゃったから、まぁいっか、くらいで回答した気がします。Googleにとってみれば、わざわざアルゴリズムの変更などを公開する義務も義理もないわけで。

*

google.comという検索エンジンにおけるルールを決定するのはGoogleです。しかし、Googleは必ずしも常に合理的な理由を持ってルールを設定しているわけでは有りません。最近の例を挙げると「有料リンク」がまさにそうです。Googleは2004年~2008年にかけて何度かに渡り有料リンクに対する同社の考え方について(Matt Cuttsが)述べていますが、実は根拠が毎回違っています。一番最初の段階では「問題なし」。これが「有料リンクはページの内容と無関係なページに向けてリンクが張られるから」という関連性を根拠にして否定し、さらには「お金を払ってリンクを設置することがダメ」と関連性云々以前に、リンクを購入すること自体がダメだというように根拠を変えてきています。有料リンクという手法自体が新しく、当初はそれを十分に、合理的な理由で否定する論拠が見つけられなかったのでしょうね。

nofollowもブログコメントスパム対策として2005年に登場した、新しい仕様です。それをGoogle自らが有料リンク対策やPageRank Sculptingなど、利用用途を広げてみたところ、いつのまにかガイドラインと矛盾してしまった、というところでしょうか。

#

と、色々書いてみましたが、個人的にはPageRank Sculptingなんて97%のウェブサイトにとって不要物だと考えていますので、今回の発表はどうでもいい話です。login画面へのリンクくらいならともかく。

たとえばBuzzurlのようにユーザ生成コンテンツ(ブックマーク)が無限に増加し、かつ、タグやユーザなど様々な軸・単位でページが切り出させるようなタイプのサイトにおいては一定の有効性があると思うのですが、あんまりないじゃないですか、そういうの。nofollowをどこにおくか頭を悩ませるくらいなら、サイトアーキテクチャを設計する段階で人とクローラの両者を考慮しておけよ、と。



おすすめ:最近のニュース記事

米Google、パンダ・アップデート 3.2を実施


米WebmasterWorldなどのフォーラムで数日前からGoogleが通称パンダ・アップデートの更新をしているのではないかとの憶測が流れていたが、Googleが1週間前にアルゴリズム更新を実施したことが確認された。SearchEngineLandが報じている。


米Ginzamarkets、SEOプラットフォーム「Ginzametrics」にリンク分析機能を追加 - SEOmozと提携


米Ginzamarketsは2012年1月18日、企業向けSEO管理・分析プラットフォーム「Ginzametrics」(ギンザメトリックス)にリンク分析機能を追加したことを発表した。大手SEO企業の米SEOmozと提携し、同社が提供するリンク分析ツール・Open Site Explorer相当のサービスを日本語で利用できる。


[SEO] 「位置情報やモバイル端末による振り分けはクローキングではない」Matt Cutts氏によるクローキング解説ビデオ


米GoogleのMatt Cutts氏(Distinguished Engineer)がクローキングについてビデオで解説を行った。


米Google、ページレイアウト分析アルゴリズムを改善 [詳細版]


米Googleは2012年1月19日、ウェブページのレイアウトやコンテンツボリュームを分析するアルゴリズムに変更を加えたことを明らかにした。同社Matt Cutts氏(Distinguished Engineer)は、検索利用者がより高品質なウェブサイトを発見できるようにするための改善策の1つだと述べている。


米Google、ウェブ検索にフライト検索情報を統合


米Googleは2011年12月1日、航空便スケジュール情報をウェブ検索結果内に表示する機能を追加したと発表した。


gooウェブ検索、キーワードと関連性高いTwitterツイートを検索可能に


NTTレゾナント株式会社が運営するgooウェブ検索は2012年1月23日、検索キーワードと関連性が高いTwitter上でつぶやかれたツイートを検索結果の上部に表示すると発表した。PC版とスマートフォン版のgoo検索が対応。


スマートフォン向けサイトを検索エンジンに最適化するためのポイント


GoogleがスマートフォンUAを持つクローラを公式に発表したことで関心を持つ方も増えてきたようです。ここで、スマートフォン端末に最適化したウェブサイトの扱い方について、よく受ける質問について簡単に回答を記しておきます。適当なタイトルが思い浮かばなかったのですが、最適化というか、検索エンジンにどう認識させるかという話だと思ってください。これは広義でいえば「スマートフォンSEO」なのかも知れませんが、どちらかというとデバイス向けを横断した、サイト全体のSEOだと私は思います。














Ask.jp, Ask.com | Bing (Live Search) | Google 05-1 | Google 05-2 | Google 06 | Google 07 | Google 08 | Google 09 | Google 2010 - 2011 | SEO(検索エンジン最適化) | SES | Yahoo!検索 / YST | アクセス解析 / Web分析 | コンテクスト広告 | サイト内検索 | サーチニュース 07H1 | サーチニュース 07H2 | サーチニュース 08H1 | サーチニュース 09 | サーチニュース 2010 | サーチニュース 2011 | サーチニュース 2012 | ショッピング検索 | デスクトップ検索 | ニュース 05Q2 | ニュース 05Q3 | ニュース 05Q4 | ニュース 06H1 | ニュース 06H2 | モバイル検索 / 携帯検索 | リスティング広告 | ローカル検索 | 動画検索 | 旅行検索 | 検索イベント |

検索市場分析 | コンテンツターゲティング広告 | ポータル / ディレクトリ | Google 2003 | Google 2004 [I] | Google 2004 [II] | Google 2005 [I] | AdSense / アドセンス | AdWords / アドワーズ広告 | Froogle / フルーグル | ローカル検索 | モバイル検索 | MSNサーチ | Overture / オーバーチュア | PFI - ペイドインクルージョン | ショッピング検索 | ペイドリスティング(PPC) | 検索エンジンニュース 2004 [I] | 検索エンジンニュース - 2003 | 検索エンジンニュース 2004 [II] | 検索エンジンマーケティング SEM | SEO - 検索エンジン最適化 | SEM/SEOセミナー | サーチエンジンストラテジーズカンファレンス(SES) | 検索エンジンニュース 05Q1 | 検索エンジンニュース 05Q2 | SEO / 検索 統計 | Yahoo! / ヤフー | P4P |

関連SEMサイト - SEMリサーチ | SEO - FAQ | SEO(検索エンジン最適化) | キーワードアドバイスツールプロ

検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書 付録 |
運営者 - 『検索にガンガンヒットするホームページの作り方』