Googleがバックリンク情報を開示しない理由 - Matt Cutts氏がポリシーを説明

グーグル、あらゆるサイトやページの全てのバックリンク情報を提供しない方針について、理由を説明。リンク情報を提供することが必ずしもウェブマスターにとってプラスにならないことを理由に挙げた。


公開日時:2012年03月23日 17:09

Googleの検索窓から "link:調査したいURL" と検索すると、対象サイトに張られたリンクの一覧が表示される。しかし、Googleが表示するリンク情報は過去のある時点の情報(スナップショット)であるうえ、並び順もバラバラであり、そこに表示される全てのリンクが評価されているわけではないことは、SEOに携わる人間にとっては半ば常識的なことである。しかし、そうした事実を認識した上でも、もっと多くのバックリンク情報をGoogleから取得したいと考える人は多いのではないだろうか。

ウェブマスターから寄せられた「Googleはもっと多くのリンクデータをウェブマスターに提供する予定があるのか」という質問に対し、米Googleのマット・カッツ氏(Distinguished Engineer )がビデオで回答した。

カッツ氏は最初に、Googleのバックリンク情報の取扱及び提供方法についてのポリシーを説明。「我々(Google)は現在、次の2つの方法によるリンク情報の提供を行っている。第1に、あらゆるサイト及びページのバックリンクのサンプリング情報を、link:コマンドを通じてあらゆるユーザーに提供することと、サイトオーナーのみが閲覧できるより充実したリンク情報をGoogle Webmaster Tools を通じて提供することだ」と方針を説明。様々な事情を考慮した上でこれがバランスの良い方針であると述べ、今後もあらゆるサイト及びページの全てのバックリンク情報を提供することはないという。

こうした方針を採用する背景としてカッツ氏は、こうしたリンク情報を提供することにより、かえってウェブマスターが「間違った事柄」に注力してしまう恐れがあるためと説明する。この事例として、かつて New York Times社がGoogleに、数千ものバックリンク情報を送り、これらがGoogleによってカウントされているかどうかを質問してきたことを紹介。内容を調査したところ、それらのリンクは全くGoogleの評価対象外だったのだが、このケースが示すように、リンク情報を見せることが必ずしも良い結果を生むわけではなく、ウェブマスターが競合サイトのリンクチェックにばかり心を奪われることになってしまう弊害が生まれることを指摘。本当はGoogleが評価すらしない、大量の低品質リンクをウェブマスターが熱心にチェックすることは本来は時間の無駄だが、そうした事実すら知らないウェブマスターは少なくないからだ。

同氏は最後に、今日のGoogleはリンクが全てではなく、コンテンツ品質やソーシャルシグナル、フレッシュネスなど、検索結果にもっと影響のある他の多くのシグナルが存在することに触れ、リンクばかり数えることは時代錯誤であるとした。


Will Google provide more link data for all sites?


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Matt Cutts氏のこの説明を受けて「だったらGoogleがカウントしているリンク情報だけを全て表示してくれればいいんじゃないの?」と考える人がきっといるに違いないのですが、それができない理由は説明しなくてもわかりますよね。

Matt Cutts氏が述べるこうした背景には一定の理解はできます。たとえば、Google の link: で得た情報をもとに統計的に○○はランキングに影響するとかリリースしてしまう会社が後を絶たないことがその例ですね。Googleが実際には評価していないかもしれない、あるいは非表示にしているデータも無数にあるにもかかわらず、統計手法であたかもきちんと調査したよ!的な情報を出されても、何も意味がないわけですよ。

また、かつて Microsoftはバックリンク情報を提供していたのに途中でやめてしまったのも、乱用が激しかったからです。検索会社が提供する、インデクシング及びランキングに関係するツールの乱用というのは本当に激しく、ちょっと古い話になりますが、かつてノルウェーのファストサーチ & トランスファが運営していた AlltheWebがURL登録フォームを用意していたのですが、そこから送信されてくるURLの92%がスパムサイトだったそうです。





記事カテゴリ:Google 2010-2019, サーチニュース 2012
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