Google 著者(オーサーシップ)情報は検索ランキング要因として利用していない

Google は著者情報(Authorship)を通常ウェブ検索のランキングには利用していない。Google・John Muller氏があらためてコメント。ただし In-depth articles では利用中。


公開日時:2014年05月22日 06:48

「Google はウェブページの書き手(著者)の評価をランキングに組み込んでいるのか?組み込もうとしているのか?」いわゆるオーサーランク(AuthorRank)に関する議論は SEO業界では何年も続いているが、Google は少なくとも2014年5月時点において、オーサーランク相当のものをウェブ検索ランキングに一切利用していない。

遡ると2013年10月に、米Google・John Muller氏が質問に回答する形でGoogle は著者情報(Authorship)を検索ランキングに適用していないことを明らかにした。その一方で、2014年3月に同社・Matt Cutts氏が検索機能の1つ・In-depth Articles で著者の権威性もランキング時に考慮していることを明らかにしている。

In-depth Articles は日本のユーザーには馴染みがないかもしれないが、2013年夏に米国で提供が開始された機能で、「死刑制度」「人口問題」「地球温暖化」「iPS細胞」といった広範囲なトピックを表すクエリで検索した時に、それについて詳細に記述したウェブページを専用枠内で表示する機能だ。トピックについて深く学べる高品質なコンテンツを提供出来るようにするのであれば、書き手を考慮することも合理的と言えよう。

さて、「ウェブ検索ランキングにオーサーランク相当のものは利用していない」と説明がなされているが、John Mullers氏が同社プロダクトフォーラムで改めて同様の発言を繰り返している。

Hi Kyle Just to back up what Grace & Gaieus have been saying (thanks for all your help here!), authorship only plays a role with the "in-depth-articles" feature, and otherwise has no effect on ranking in web-search at all. I think it's a great thing to set up, but I wouldn't assume that it has any effect on normal rankings at all. We use over 200 factors in our crawling, indexing, and ranking, and we regularly make changes to our algorithms, so there are many potential reasons why a site might go up or down in rankings. My recommendation is not to focus too much on your competitors, but rather to work on making your site the by far absolute best of its kind -- focus on your users, don't focus on your competitors' sites. Cheers John [John Muller, Webmaster Trends Analyst, Google, Google Authorship, May 19, 2014]

先日、「インターネット検索エンジンのお話」 --- コンテンツ評価手法という記事で触れた通り、コンテンツの重要性や信頼性を推し量るためのアプローチとして、書き手を考慮するのは一定の合理性がある。だから昔からオーサーランクについての議論が続いているし、Google も部分的に著者情報をランキング時に考慮しようとしている。

ただし、実現はそう易しいことではない。インターネットの世界の大半のウェブページは匿名、少なくともコンピュータが容易に書き手を判別できる状態にはない。Google がそれを可能にする自らの土俵を構築しようとするのであればソーシャルネットワーキングプラットフォームとしての Google+ を推進すると共に、ウェブマスターに Authorship の協力をお願いして機械がアカウントとウェブページの関係を認識できるようにする必要がある。これは大きなハードルとなるだろう。

仮にそれが上手くいったとしても、果たして Google+ (あるいは他のインターネット上に作成されるアカウント情報)を元に適切に著者の評価が行えるだろうか。たとえば、Google+ の活動状況や +1ボタンの回数、シェアの回数などの値から、著者の信頼性や専門分野に対する知見の深さまで把握することは可能なのだろうか。著者の権威性や信頼性の評価1つをとっても、解決すべき課題は山積しているのが現状だ。

In-depth Articles は比較的対象範囲が限定されているからこそ著者情報も考慮できるともいえる。ニュース検索もまた、ある程度書き手は限定されるので、ウェブマスター側の協力次第で可能性はあるかもしれない。ただ、通常ウェブ検索にこれを展開するまでにはもうしばらく時間がかかるだろう。

最後に、先日「今後はリンクの評価から著者の評価に変わる」といった趣旨の記事が話題になっていたが、そのようなことはない。コンテンツ評価手法で述べた通り、コンテンツをより適切に評価するためには多様な視点を取り入れた方が精度は高いからだ。著者の専門性や信頼性を評価できる道が開けるのであれば、相対的にリンクの重要度は低下するが、それは不要になるという意味ではないので、くれぐれも誤解しないように注意頂きたい。

オーサーランクは Google が発信した用語ではないが、SEO業界では著者情報に基づいたランキングのことを一般にオーサーランクと呼ぶ





記事カテゴリ:Google 2010-2019
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