2019年注目のサービス「Google Discover」 仕組み、SEOへの影響、最適化手法

Google Discover は検索クエリの入力を必要とせずに関連性の高い情報を表示する Googleプロダクトの1つです。昨年9月に Google Feed から Discover に名称が変更されました。検索の未来を見通すうえで注目しておきたいプロダクトです。


公開日時:2019年01月08日 15:52

新年ということで、オンライン検索において注目されている話題を適当に取り上げていきたいと思います。まずは Google Discover。

記事を読むのが面倒な方向けに先に要約すると「SEO とは別に考える、特別な対策は特にない、従来の SEO のノウハウがそのまま使える、有益で役立つコンテンツづくりを継続してね」といったところです。

検索キーワードを使わずに新しい情報にアクセスする手段を提供する Google Discover

Google Discover は Facebook や Twitter のフィードに相当する Google のコンテンツ提供手段の1つです。Googleアカウントや利用端末から収集した情報をもとに機械学習などの最新技術を駆使し、ユーザーが興味を示す、有益である可能性が高いコンテンツを自動的にフィードに表示してくれます。これまで私たちは Google で情報にアクセスするときに検索キーワードを入力する必要がありましたが、Google Discover はキーワード入力不要で、そのタイミングでユーザーが興味を持つ可能性が高い情報を配信するよう試みます。Google はこれからの情報検索を語った時に公式ブログにて "The shift from queries to providing a queryless way to get to information"と表現していますが、情報探索・配信プラットフォームとしての Google が注力するプロダクトの1つがこの検索クエリを必要としない Google Discover です。

従来は Google Feed と呼ばれていましたが2018年9月に名称が Google Discover(ディスカバー)へと変更されています。2019年1月現在、Android / iOS 端末の Googleアプリや google.com から利用することができます。

Google Discover は下記スクリーンショットのように、ページの概要を示す情報がカード形式で表示されます。

Google Discover スクリーンショット 01 20190108時点

Google Discover スクリーンショット 01 20190108時点

Google によると過去1年で8億人のユーザーが Google Feed (Discover) を利用したとのことです。


Google Discover の仕組み

検索クエリを必要としないといっても、関連性が低い -- ユーザーが興味を持たない -- コンテンツを単に表示しても意味はありません。 Google Discover は、Googleアカウントや端末から収集した情報や、機械学習を活用した高度なアルゴリズムを駆使することで、あるタイミングでユーザーが興味を示す、役立つと感じる可能性が高いコンテンツを表示します。

具体的には、ブラウザの閲覧履歴、ウェブとアプリのアクティビティ、位置情報、端末情報などからユーザーの現在(最新)の興味関心を分析し、関連性の高いニューストピックを表示します。Google Feedリリース当初は最新記事を表示するにとどまっていましたが、2018年9月のアップデート後はエバーグリーンコンテンツ(evergreen content、公開後から長期間に渡り色あせることなく役立つコンテンツのこと、この文脈では公開日時的には最新ではないが閲覧者にとってタイムリーなコンテンツも含む)も表示するようになっています(※ 筆者注 2019年1月現在、Discover が表示するコンテンツの多くは最新ニュースが多く、エバーグリーンコンテンツに相当するものは少ない印象を受ける)。

また、Discover の技術を支える Google ナレッジグラフ(Knowledge Graph)に導入された新しい層・トピックレイヤー(Topic Layer)により、より適切なコンテンツを提案するようになってきています。

トピックレイヤーとは、トピック空間を深く理解し、ユーザーがある話題に馴染み、知識の習得が進むことで興味関心がどのように見出されていくのか把握する技術です。Discover はトピックレイヤーを利用して、あるトピックについての専門知識の度合いを予測し、その興味を深めるための手助けをします。たとえばドローンの操縦の練習を始めたばかりのユーザーと、ドローンを業務で活用しているユーザーは、同じ「ドローン」のトピックでも求めるコンテンツの性質が異なります。Discover はこうした技能や専門知識のレベルを見極めて関連性が高いコンテンツを表示します。

「検索せずにコンテンツが得られる」というわけですが、将来的には Google Home Hub のようなスクリーン付きホームデバイスや社内スクリーンに関連するコンテンツを配信する時にも利用されるようになるのではないかと予想します。


情報鮮度と直近の閲覧履歴が優先か

2019年1月1日現在、Google Discover が表示するコンテンツは、直近24~48時間に閲覧(単に開いたのではなく、読んだことが推定される)ページに基づいてカードを表示しているようです。”いま”興味関心が高いコンテンツを優先表示する傾向にあるので、公開して間もない(数時間~1日前)コンテンツが表示されやすくなっています。ただし直近で該当する記事がない、あるいは興味関心を推定することができなかった場合は、もっと過去に遡り、検索キーワードや閲覧履歴に基づいたコンテンツを表示するようになっています。下にスクロールするほど Dicover の精度も怪しくなり、”いま”興味がない記事も表示されるようになります。

Google の説明によると "Discover のコンテンツは、アルゴリズムを使って、ユーザーが関心を持つ可能性が高い順にランク付けされます。" とのことですが、現時点では単純に興味関心の鮮度がそのままカード表示順序に反映されている印象を受けます。

私の手元の端末を例にとると、4画面ほどスクロールすると「ビットコイン」関連のカードが表示されるのですが、私が記憶する限り能動的に仮想通貨の記事を最後に開いたのは大暴落しはじめた昨年11月あたりです。Googleアカウントのアクティビティにはその閲覧履歴は残っているでしょうが、私は仮想通貨の取引をしていないので現在のところ全く関心がありません。

直近の興味関心が優先されて先頭に推奨記事を表示するのは、人々の興味というのは移り変わりが早く、3日前に検索していた事柄が必ずしも今日も興味があるわけではないことが往々にしてあるからです。一方で大好きな趣味であれば頻度の差こそあれ1週間通してみれば定期的に検索するでしょうから、Discover が最新ニュースをキャッチアップできます。

ちなみに Discover は興味のあるトピックをフォローする機能と、関心がないトピック(記事)を削除する機能があります。フォローするとその話題について Discover に表示されるようになります。記事を削除する場合は、該当記事(トピック)に対して無関心(○○(トピック)関心がない)か、それともその記事を配信するメディア(サイト)に対して無関心(○○○の記事に興味がない)か選択できます。試した限り、私が嫌いなメディアのある記事を Discover から削除しても、引き続き該当メディアから類似記事が表示され続けるので、メディア単位で消した方がいいかもしれません。

Google Discover は SEO にどんな影響を与えるのか

新しい情報アクセスの手段が提供されるだけなので、検索(広告、自然検索含む)に影響があるわけではありません。

かつて Facebook や Twitter の利用者が急増した2011年頃に「フィードが便利になることで検索需要が減るのではないか」といった議論があったことを覚えている方がいるかもしれませんが、それに対する反論と同じロジックが当てはまると思います。つまり、いまこの瞬間に自分が必要とする情報がタイミングよくフィードに流れることはまずありえないのです。本記事で述べたようにフィードはあくまで興味関心を示す可能性が高いコンテンツを提示するのであって、”いま欲しい”情報を表示するわけではありません。たとえば急に会社の上司から明日札幌に行ってくれと言われて航空券と宿泊の手配が必要となったとき、タイミングよく自分の端末のフィードにお得な宿泊&航空券の情報が流れることはありません。

SEO にどう影響するかという視点ではなく、コンテンツ配信プロバイダーとしての Google が提供する Discover をどう活用することが可能なのかを考えるといいでしょう。


Google Discover に最適化する

Google が提供する情報探索手段の1つということ、検索クエリを必要としない情報アクセスということで、気になる SEO担当者も少なくないと思います。しかし Google Discover 対応のための特別な対応は必要がないといいますか、従来の SEO のナレッジや技術をそのまま適用するだけです。とりわけコンテンツの品質や信頼性が重視されるので、(さんざん耳にしていてうんざりだと思いますが)『ユーザーの役に立つコンテンツ制作をする』以上のアドバイスはありません。

検索キーワード単体で考えるのではなくて、Google の言葉を借りるなら "情報検索の旅"(Search Journey、つまり長期の検索セッション)とトピックの単位で考えることも挙げられますが、先述したとおり従来の SEO の範疇の話です。

Discover に限った話をあえてするならば、カードは画像を伴って表示されますので、コンテンツに関連性のある高画質でサイズの大きい画像(幅が 1,200 ピクセル以上)を用意する程度でしょうか。Google によると『Discover カードにサムネイル画像ではなく、大きな画像が表示されると、サイトのクリック率が 5%、ページの閲覧時間が 3%、ユーザー満足度が 3% 向上することが確認されています。』だそうです。


Google Discover Discover 用にコンテンツを最適化する
https://support.google.com/webmasters/answer/9046777?hl=ja

Discover new information and inspiration with Search, no query required
https://www.blog.google/products/search/introducing-google-discover/

Feed your need to know
https://www.blog.google/products/search/feed-your-need-know/





記事カテゴリ:Google 2010-2019, 検索ニュース 2019
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