ランキングアルゴリズムにおける「ページ読み込み速度」の位置づけ

2009年11月にGoogleがPageRankの要素の1つとしてページ読み込み速度について言及したが、それはランキングアルゴリズム全体においてどの程度重要なのだろうか。


公開日時:2010年02月05日 04:45

先日の講演やインタビューで、Googleがランキングアルゴリズムの1つとしてスピード要素を取り入れることについて触れられた時、「そりゃ同一のページが2つあれば速いほうがいいでしょ、その程度の話」という回答をしていたのだが、ちょうどGoogleのMatt Cutts氏がビデオにてその旨の説明をしていたので紹介しておくとともに、追加解説をする。

PageRankでスピードを加味する、という話が出た時点で、Googleはどの程度それをランキングに反映させるかについて言及をしていないにもかかわらず、あたかもそれがレリバンシー(Relevancy)よりも重要になるかのような感想を持つ人が多かったのが不思議。

ここ半年のGoogleの検索周りのアップデートを理解する時は、「検索体験を次のレベルに引き上げること」「その1つの解は、目当ての情報を取得するまでの1つ1つの時間を短縮すること」と捉えるといい。

マイクロソフトが昨年6月にBing(ビング)をリリースした際に強調したように、現在の検索エンジンはまだまだ解決しなければならない問題は山積み。その中の1つが、最終的な回答を得るために、何度も何度もクリックをしなければいけない、ということだ。

多くのユーザの検索行動は、キーワードを追加・変更したり、検索結果(SERP)とリンク先ページを何度も行ったり来たりしたり、あるいは目的のページでキーワードが含まれている場所を探すためにスクロールしたり~といったことを繰り返す。でも、ユーザが検索サービスを利用する目的は検索することではなくて、答えのある場所に、できるだけ速くたどり着くこと。だったら、そうした「無駄なクリック」は省いてあげたほうが体感的な満足度は向上するはず。

Googleも目指す方向は同じようで、検索ボックスにキーワードを入力してから、答えにたどり着くまでの全体の時間を短縮すれば、ユーザエクスペリエンスはさらによくなる、と考えているのだろう。2009年はSERP UI の数多くの改善が行われていたが、リッチスニペットサーチスニペット、(1行)サイトリンクなど、いずれも「どのリンクをクリックすべきかを素早く判断する」「より少ないクリック数で目的の情報に到達する」といった点でやはり検索全体のスピードアップが実現できているといえる。

この流れで、ランキングアルゴリズムにおけるスピードを考えてみよう。少なくとも、レリバンシー(検索意図に合致したSERPあるいは答えそのものを表示する)が最重要であることは自明であり、読み込みスピードが速いだけで答えが含まれていないページはユーザにとって不要、ということはわかる。また、ウェブページの読み込み速度という要素自体は関連性を判断するためのサインを含んでいないため、ランキングに対する影響度はさほど大きくない(なりえない)ことも推測できよう。

しかし、検索意図に合致している情報を含んでいるけれども、ロード時間に30秒も待たされるページは、ユーザにとって適切なページではない。とくれば、Matt Cuttsが説明するように「全く同じページがあれば、速いほうがいい」というのは合理的な考え。

検索マーケティング担当者からすると、「どの程度速ければいいのか」という点に感心があると思うが、とりあえず「無駄なもの」「ユーザとしてイライラするくらい、読み込み速度が重い要素」は改善する、取り除く、というアプローチでいい。少なくとも、ウェブ解析や行動ターゲティングを行うために実装しているJavaScript、合理的な目的で掲載しているFlashコンテンツなど、ウェブ(マーケティング)に必要なものはそのままでよい。Googleは、現在のインターネットには、"そうしたもの"は多くのウェブサイトで採用されていることは前提にして、ウェブのスピードについて検討をするからだ。

もっとも、検索エンジンがスピードを考慮するようなるから対応する、のではなくて、ユーザのおもてなしという観点でサイトの読み込み速度改善は取り組むお話。最近私が気になるのは、サイト内検索が重たい上に、全く関連がない結果ばかりを返すECサイトが多いこと。サードパーティーのサイト内検索ASPを利用しているサイトはそういうことがあまりないが、自前のシステムで運用されているところは、「サイト内検索は私(=マーケティング)の範疇じゃない」と考えている人が多いのか、無頓着なところが少なくない印象を受ける。しかし、ここにはクエリインテントの情報がたくさん詰まっているわけで、きちんと取り組んでみたらいかがでしょう。






記事カテゴリ:サーチニュース 2010
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