MicrosoftとYahoo!の検索事業 提携合意内容 (まとめ)

マイクロソフトとヤフーの事業提携が欧米の独禁当局により承認された。2009年7月の合意内容が具体的に進められることになる。ここで改めて、両社の検索事業提携合意についておさらいする。


公開日時:2010年02月19日 02:40

欧州および米国独禁当局によりヤフーとマイクロソフトの提携が承認されたことにより、両社が昨年合意した検索事業の提携が具体的に進展することとなった。ここで改めて、提携合意内容について整理しておく。

1. 提携期間は10年間

2. MicrosoftはYahoo!が保有する中核の検索技術を利用する10年間の独占ライセンスを獲得し、さらに同技術をMicrosoftのウェブ検索プラットフォームに統合することが可能。

3. Microsoftは、Yahoo!に独占的にサイト検索アルゴリズムと検索広告プラットフォームを提供する。コンテクスト広告は非排他的に提供する。Yahoo!はディスプレイ広告技術の改善など提携範囲外の分野で引き続き自身の技術およびデータを利用することができる。

4. 提携範囲の検索技術分野は、ウェブ検索、イメージ検索、ビデオ検索の3つ(※ FORM 8-Kには記載がないが、インタビューでMicrosoftが明言している)。それ以外、たとえばブログ検索やローカル検索、モバイル検索はYahoo!が自身の技術を利用することも可能。

5. Yahoo!は両社のプレミアム検索広告サービスの独占的販売を行う。セルフサービス型の広告はMicrosoft adCenterプラットフォームで行い、すべての検索広告の価格は同プラットフォーム上の自動オークション手続きにより決定される。

6. Yahoo!とMicrosoftそれぞれが個別にディスプレイ広告ビジネスと営業部隊を維持する。

7. Yahoo!はMicrosoftの検索技術により運営される検索サービスを含むすべての自社プロパティ上の、ユーザエクスペリエンスやコンテンツ、ルック&フィール(UI)などを独自にコントロールできる。

8. Microsoftは、Yahoo!が保有・運営するネットワーク上で発生したトラフィックに対して、合意に基づいた売上げシェアを行う。同社は提携から5年間、Yahoo!ネットワークで発生した検索広告売上の88%をTAC(Traffic Acquisition Cost、トラフィック獲得コスト)としてYahoo!に支払う。また、米国外のYahoo!サイトにおいても提携から18ヶ月間、一定の広告収益の支払いを保証する。

9. 提携合意に含まれるすべての移行手続き完了は、政府の了承から24ヶ月以内(=2012年早期)を予定。Yahoo!は現状(※2009年7月末時点)の売上を基にした予測として、今回の提携でGAAPベースでの年間営業利益が約5億ドル、固定資産コストで約2億ドルのメリットが享受できると見込む。また年間キャッシュフローで約2億7500万ドルほどの効果があるとする。

10. 提携5年目以降、Microsoftは、Yahoo!によるプレミアム検索広告サービスの独占販売を中止させる権利を持つ。もしMS社が同権利を行使した場合、TACは(88%から)93%へ増加する。ただし、Yahoo!は同独占販売を継続する権利を有しており、それを実行した場合、TACは83%へ減少する。また、MS社が中止させる権利を実行しなかった場合、TACは90%となる。

11. Microsoftは提携から最初の3年間、Yahoo!に毎年5億ドルを支払う。

12. Microsoftは最初の18カ月間、各国のYahoo!のサイトで行われる検索1回あたりの売上(RPS=revenue per search)を保証する。保証するRPSは、導入直前の12ヶ月平均のRPSに基づいて決定する。

13. MicrosoftとYahoo!は、次の場合に提携を解消することができる:
a) 合意違反が何度も繰り返された場合
b) Microsoftが検索事業からの撤退、または同事業を売却する場合
c) 米国内での1回あたりの検索収入(RPS)の12ヶ月平均金額が、ライバルであるGoogleの推定RPSの一定割合に達しなかった場合、あるいは、Yahoo!とMicrosoftの米国内のクエリベースの検索シェアが一定値を下回った場合に、Yahoo!は提携終了する権利を有する
d) 提携5年目以降、Yahoo!の米国内のRPSがGoogleの推定RPSの一定割合を下回った場合に、Yahoo!は提携終了する権利を有する

14. Microsoftが検索事業の全て、または実質的に全てのサイト検索アルゴリズムまたは検索広告事業の売却を検討した場合、Yahoo!はそれを拒否する優先権と、同事業を購入する最終オファーを得る権利を持つ。


15. Yahoo!はMicrosoftから地図およびモバイル検索のサービスを受けることが可能で、非排他的契約も可能。

Microsoft, Yahoo! Change Search Landscape
http://yhoo.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=399702

FORM 8-K
http://sec.gov/Archives/edgar/data/1011006/000119312509163909/d8k.htm

参考:
comScore 検索エンジンシェア 米国 2009年12月





記事カテゴリ:MS Bing, Yahoo!検索 / YST, サーチニュース 2010


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