SEO:コンテンツシンジケーションにおける検索エンジンの情報扱いとSEOの注意点

記事コンテンツなどをパートナーサイトに配信・掲載してもらう場合の注意事項。


公開日時:2011年02月14日 14:43

当サイト(SEMリサーチ)は、記事コンテンツ(の一部)をアスキーさんやライブドアさんに、ヘッドライン情報をComputerworldさんなどいくつかのサイトに配信しています。また、個別にご相談の上掲載して頂いている個人の皆さま(ありがとうございます)、許諾なく全文まるごと勝手に転載をしているスパマーの皆さま(迷惑だからやめてくださいね)にもコンテンツを提供しています※1。

※1 ヘッドラインの利用は自由ですので、事前連絡不要です。コンテンツ全文転載は事前にご相談ください

さて、コンテンツを他のサイトに提供するシンジケーションは、色々なニュースメディアが取り組んでいるのですが、毎年、何件か次のような相談を頂いています。それは「パートナーサイトが検索結果に表示されるけれども、自分のサイトが検索結果に表示されない、順位が(パートナーより)下に表示される」といった内容です。

たとえば、過去に1度紹介したことがある事例ですが、シンジケーションの1つである読売新聞のサイトが問題なく検索結果に表示される一方で、同サイトへ記事を提供するオリジネイターであるCNET Japanやjapan.internet.com のサイトが検索結果に表示されない、あるいは著しく順位が大きく下落しているといった事象が発生していた時期がありました。あるいは、個人ブログが大手ポータルサイトに記事を提供した際に、(オリジネイターが個人ブログであるにもかかわらず)検索エンジンによるランク付けにおいて後者が圧倒的に重要度が高かったために個人ブログが必ず同ポータルサイトのリンクより下の順位で表示されるといった事象も確認しています。

コンテンツシンジケーションは、より大きなオーディエンスにリーチできるメリットがある一方で、検索エンジンからの流入が減少するリスクもあります。こうしたリスクを低減、あるいは無くすためにはどうしたらいいでしょうか。

この手の問題は潜在的にたくさんあるはずなのですが、意外とオンラインでは本問題に関する解決やアドバイスを提示しているコンテンツがありません。と思っていたところ、先日、Search Engine Watch にて米AOL Inc. プリンシパルSEOマネジャー・Simon Heseltine氏が上手にアドバイスをまとめた記事がありましたので、こちらの紹介とともに、日本のユーザ向けにアドバイスをいくつか追加していきます。

Is Syndication Killing Your Rankings? An 8 Point SEO Inspection
http://searchenginewatch.com/3641861

前提として皆さんが理解しなければいけないことは、第1に、検索エンジン(Google)は、誰がそのコンテンツを最初に作成した人なのかを判断しようとしている、ということです。それは公開日時やリンク解析などから拾い上げる、いくつかのシグナルを取り出すことによってアルゴリズムで判定しようとしています。しかしながら、いくつかの条件を満たさない場合、あるいは重きがおかれているシグナルが発生している場合、正しくオリジネイター(コンテンツのオリジナルホルダー)を判定できないということです。そこで、コンテンツを他サイトに提供する時には、自分のサイトがオリジネイターである、というシグナルを検索エンジンに向けて発信してあげる、その手伝いが必要であることを理解して下さい。

第2に、シンジケーションを持つ場合、自分のサイト「だけ」検索結果に表示するということは基本的にできません。確かにGoogleは特定のオリジネイターを抽出しようとしますが、他のパートナーも一定の重要度を持つ(=ユーザに価値を提供するサイト)と判断した場合は、両方とも検索結果に表示します。ただし、ランクによってオリジネイターをできるだけ上位に持ってくるようになっています。

さて、同氏が記事で紹介しているように、シンジケーションにおいて自分のサイト(オリジネイター)が検索結果に継続表示され、かつ、提供先サイトよりも上位に表示されるようにするための基本的な手順は、「提携サイトから自分のサイトにリンクを返してもらう」ことです。また、3つ目で紹介している「コンテンツ公開日時をずらす(パートナーサイトが遅くなるようにする」は有効です。Googleはコンテンツのオリジネイターを判断する基準として、「最初に公開されたコンテンツ」(=Googlebotが最初に発見したサイト)を採用しているためです。ちなみに当サイトは他パートナーよりも早くインデックスされるようにしています。

ただし、自分のサイトとコンテンツ提供先サイトにおけるサイトのランク(重要度、人気度)に大きなかい離がある場合 -- わかりやすい目安としてGoogleツールバーのPageRank でいうと、オリジネイターのPageRankが3以下に対して提供先が6以上の場合 --- Heseltine氏が4つのアドバイスで挙げている「限定したコンテンツを提供する」ことが有効です。

例えば、当サイトがライブドアニュースさんに提供しているコンテンツが「限定版」です。同サイトでは、本記事の第1段落の途中までしか掲載されていません※2。ここまで限定しなくてもいいのですが、目安として「提供するのは30~60%程度」と考えるといいかもしれません。

※2 ライブドアニュースに限定版しか配信していないのは、SEO上の理由ではなく配信して頂いているAMN側の理由。

一方、アスキーさんには記事を全文配信していますが、これは事前に「同サイトに配信しても私のサイトが検索結果で非表示になることはない」という確信があって行っています。また、ライブドアさんに全文配信を行ったとしても、SEMリサーチの方が検索上位に出てくる(と思います)。いずれも過去の私のSEOの経験上、問題がないと判断して実施しています。本件は私のSEOの経験に基づいて判断しているのですが、皆さんが同じジャッジをする必要がある場合は、先に紹介したGoogleツールバーのPageRank値でみて頂くのがわかりやすいと思います※3。

※3 検索順位の判定にツールバー表示のPageRankは意味を持ちませんが、こうした表示/非表示や特殊ケースにおいてはPageRank値はまだまだ目安として活用できる

判断ができない場合は、「限定したコンテンツを提供する」にするのが無難です。あるいは「差分」が出せればいいので、パートナーに全文提供する一方で、自社サイトに加筆を加える、という方法もあります。私は時々、アスキーさんに配信完了した後で、こちらで加筆することがあります。ただし、加筆する場合は原則として読者に与える価値を追加できることを条件としています。

Heseltine氏が2つ目で紹介している「パートナーサイトがRSS配信する時に、パートナーではなく、オリジネイターのサイトにリンクが張られるようにする」や、5つ目「パートナーサイトのコンテンツは noindex にしてもらう」、7つ目「"syndication-source" や "original-source"を追加してもらう」といったことは、ビジネス的に非現実的ですので、手順として勧める/勧めないの問題ではなく、無理なことが多いです。

さて、Simon Heseltine氏が公開したアドバイスは、「コンテンツ提供先との合意に基づいている」という前提に立っています。では、冒頭で紹介した、無断全文転載をしているスパマーが存在し、かつ、運が悪いことにスパマーが運営するサイトの評価がはるかに高い故に、無断コピーしたサイトがはるかに検索上位に表示されるような事態が発生したら、どうすればいいでしょうか。

まず最初に、相手にコンタクトをとり、著作権に違反していること、コンテンツを全文削除するように連絡をすることです。案外、著作権について認識しておらず、軽い気持ちで転載している人も多く、一言メールで伝えれば対応していただける方は経験的に少なくありません。もし相手がブログサービスを運営している場合は、そのブログサービス運営会社に依頼してもいいでしょう。

しかし残念なことに、ブログサービス運営会社の中には、権利者が何度クレームをしても対応してくれないことがあります。たとえば先日、芸能人が多数いる某大手ブログを運営するネット広告代理店C社(東京)に対して、5~6回ほど、私の記事全文コピペしているブログの管理者へ警告または削除するよう(同社が御丁寧に設置している、権利者向けの窓口から)依頼しました。ところが1カ月経過しても同社からの返答及びアクションはなく、完全にスルーしています。営業や芸能人の対応でいろいろ大変なんでしょうね、同情します。さすがC社です。著作権に対する意識が低くて残念でなりません。

ところで一部の運営がしっかりした会社を除き、何の対応もしてくれないブログサービスは少なくありません。こうした場合は、Googleにデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいてGoogleに申し立てをすることをお勧めします。どのウェブページが、どのウェブページの著作権を侵害しているかを明記してGoogleにFAXするだけです。この申請が受理されれば、問題となるサイトは検索結果から除外することができます。この手続きの場合、著作権侵害サイトそのものをネットから削除できませんが、少なくとも(彼らへの)検索流入を遮断することができますし、自身のサイトがランキングにおいて不利益を被るリスクも最小化することができます。ちなみに Bing も同種の手続きを行うことが可能です(参照:Microsoft Copyright)

最後におまけです。先日のコンテンツファーム(前編)で取り上げたOKWaveとそのシンジケーションパートナー問題ですが、このケースはパートナーの多くがインターネットにおいて(検索エンジン的に)重要度が高いと判断されているため、特定のオリジネイターを表示するのではなく、全部まとめて検索結果に表示しています。本ケースの場合、ユーザによるQ&Aサービスという特性もあり、コンテンツが特定のサイトに紐づくものではありません。つまり、検索エンジン側の判断基準であるオリジネイターは厳密には存在しないため、少数の特定サイトだけを表示するというのも道理にかなわないでしょう。検索エンジンは、従来の重複・複製コンテンツの排除という観点ではなく、別の視点で対処しなければいけない問題となります。


※ 本記事の無断転載は固く禁じます。特にアメーバブログ等への転載はお断りします。





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化), サーチニュース 2011
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