SEO:米Google、Overstock.comにペナルティ 「10%割引と交換に外部リンク獲得」はNG


米グーグル、オンライン小売業者のオーバーストックのサイトに検索エンジンペナルティを課す。大学生と10%割引でリンク取引をしていたことが発覚したため。


2011年03月14日 16:23 | Google 2010-2014, SEO(検索エンジン最適化), サーチニュース 2011 | TrackBack (0) | 執筆:

米Wall Street Journalの報道によると、米オンラインアウトレットモール・Overstock.comが、ウェブマスター向けガイドラインに違反したとして検索順位が大幅に下落したことを報じた。

Overstock.comは今まで、多くの一般的なキーワード(ふとん、ソファー、パソコンなど)でランキング上位を獲得していた。しかし今回、Googleによるペナルティを受けたことに伴い、検索順位は検索結果5~6ページ以降にまで押し下げられた。

Overstock.comが問題視されたのは、大学生を相手に外部リンクの取引をした点だ。同社は、学生に対して同社サイトでの買い物に10%のディスカウントを提供する代わりに、学生たちが持つ、大学内の個人サイト(.edu ドメインでホストされたサイト)から、指定したキーワードにOverstock.comへのリンクを埋め込むように依頼をした。一部のSEO専門家は、教育機関だけが利用できる.eduドメインからのリンクは他のリンクよりも高い評価が得られる※と信じており、そのドメインを手に入れるための取引をしたわけだ。

たとえばテキサス州のある大学生は、新入生に向けて、これから買い揃えなければいけない商品アイテムを紹介しつつ、その文章の中のキーワード1つ1つに該当するページへのリンクを埋めていた。"...Kind of like those gift baskets you receive when being a gurest at someones wedding." という文章の、"gift baskets"にリンクを張るといった具合だ。これは日本でも未だに一部の業者が隠れて実施している、ペイ・パー・ポスト(Pay Per Post)で小銭稼ぎの個人サイトユーザーに記事掲載を依頼する時によく利用されている手法だ。

さて、なぜGoogleはこの不正を見破ることができたのか。報道によると、どうやらOverstock.comの競合企業がGoogleに通報して、同社のレビューを経て、手動でペナルティが課されたようだ。Googleは大学生に対してリンクを取り外すように告知したようだが、一部の学生はまだ問題のリンクを削除していない。

Googleはウェブマスター向けガイドラインの1つに、金銭の授受によってリンクを受けるようなスキームを用いてはならないと定めている。いわゆる有料リンクはもちろん、金銭を対価として直接的に発生するリンク、人気度操作以外の目的が全くない有料リンクエクスチェンジはGoogleとしては決して見逃さないという姿勢を改めて示したといえよう。

Google Penalizes Overstock for Search Tactics
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704520504576162753779521700.html


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補足。

まず第1に、「.eduや.ac.jp といった教育機関ドメインは、本当に(アルゴリズム的に)優遇されるのか?」という点ですが、ここは賛否両論分かれる点でありますが、私は「意味はない」という立場を支持します。.edu や.ac.jp といった教育機関は通常、意味のないコンテンツは公開していませんし、大抵、政府機関や学会、研究機関など信頼度・人気度ともに高いサイトからリンクを張られやすい性質を帯びています。つまり、大抵の.eduや.ac.jpサイトは全体的にオーソリティが高いため、そこから受けられるリンクも大抵、価値の高いものになるわけです。.edu や.ac.jp というドメインであること自体が優遇されているとは思えません。仮に検索アルゴリズムの設計にそうした計算を組み込んだ場合、学生によって簡単に検索順位を操作することが可能になってしまいます。

第2に、Overstock.comが(おそらく)競合他社または第三者の通報によってペナルティを受けたという点。これは日本国内でも最近よく観察されます。たとえば競合サイトが地方自治体サイトの広告枠(という名のSEO目的のリンク枠)から大量のリンクを受けている時、その地方自治体のサイト一覧をブログなどで一般公開して多少の注目を集めれば、Google Japan はきちんとPageRankを下げるというペナルティを課していることが何度も確認できています。

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補足の補足。たとえば、寄付・スポンサーになることにより支援企業一覧というリストに名前及びリンクを掲載できるプログラムはたくさんあるが、これは"お金を払った"結果として"リンクを受ける"から、ガイドライン違反になるのか(例 NOMOベースボールクラブ、各Jリーグクラブ、大学への寄付など)。過去のGoogleの事例を当てはめていくと、ガイドライン違反となるはずですが、たぶんペナルティを与えないでしょう。ここがGoogleの有料リンクの判定基準の曖昧な点であり、問題点でもあるのです。検索エンジンサイドとしては、有料リンクによりウェブグラフが歪められると適正にウェブサイトを評価できなくなるので厳しく取り締まりたい一方、それが主たる目的であれ付随するものであれ、金銭が絡んで発生するリンクというのは数多く、その中には SEO なんて概念を一切考えていないプログラムも多いのです。今回はたまたま第三者指摘によって発見され、話題になったから優先的に問題を処理してペナルティを与えたのでしょうが、依然として有料リンクの境界線というのは不明なままです。













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