SEM業界で働く上で最初に勉強して欲しいこと (1) 「検索ビジネスを理解する」

4月なので新しく検索エンジンマーケティング業界で働く方向けのコラムを。最初に勉強してほしいこと、(1) 検索会社のビジネスを理解すること。


公開日時:2011年04月13日 18:35

新年度を迎えるこの時期、新たに入社してきた新人向けに研修をいくつか担当しているのですが、今回はその中から毎年話をしている、「検索エンジンマーケティング業界で働く上で理解して欲しいこと、これから最初に勉強してほしいこと」について触れます。新社会人に限らず、これからSEM業界で働くことになりましたという方には参考になるかも知れません。

1つ目。「検索ビジネスを理解すること」です。

1. 検索ビジネスを理解すること

SEM業界は非常に進化のスピードが速く、毎月どころか週単位で検索技術、広告技術、その他周辺領域から様々な種類の新機能・サービスが追加・変更・廃止されています。特に日本のみならず、海外のお客様と取引するような立場になると、世界中の最新のトレンドをキャッチアップするのは、相応の時間と努力が必要です。単純に情報収集していればいいだけでなく、重要なのはその情報の整理・分析とアウトプットにあることを考えると、なおさら大変でしょう。

しかしながら、検索業界の全体的なトレンドと技術・広告・サービス動向の根幹を押さえておくと、実はそれほど大変でもありません。私は日米欧の検索業界の動向・トレンドを追うようになって10年以上の月日が経ちましたが、個々の事実は新しいものであっても、そのトレンドを(良い意味で)逸脱した、本当に革新的な技術・サービスというのは実はそんなに多くない、というのが実感です。

世間で新たにリリースされた情報は、私の頭の中に展開されている、検索業界を俯瞰した概念マップ※の中のどこかにプロットされるか、あるいは予め近い将来起こりうると予測されていたロードマップのいずれか1つに収まっているわけです。ほぼ全てが想定の範囲内である、ということです。

※ 大体1980年~2017年くらいまでの検索技術・サービス・広告のロードマップが頭の中に展開されている

具体的な例をあげると、ランキングアルゴリズムの世界というのは、究極的に「人間が良いと判断するサイトを、アルゴリズムでも判断できるようにしたい」という目標は何年も変わっていません。同様に、究極の検索エンジンを開発するためには、検索者の意図(クエリ・インテント)の理解とコンテンツの理解が欠かせないというフレームワークもやっぱり変わっていません。そして、サンドボックスの中ではなく、商業検索エンジンにおける「スパマーの存在」という課題も、etc... 普遍的な概念というのは何1つ変割っていません。世間でよく「最新のSEOは~」なんて紹介されているものも99%は実は新しいものではなく、基本的なフレームワークを理解している人間にとっては自明のことなのです。

同様に、Googleアドワーズ広告を例にとると、彼らが何故、品質スコアを導入しているのか、なぜ○×△の機能を廃止して新たに□□□を導入したのか、なぜCPCではなくCPA目標を持たせるのか、etc.. も、検索ビジネスやGoogleの事業・収益構造、フィロソフィー(検索に対する哲学)を理解していると、表裏の文脈がわかるようになりますし、将来何の機能が追加提供されるか、それによって検索マーケティングで何が実現可能になるかというのも、十分な精度で予測できるようになります。

1年後にマーケティングで何の手段を用いて何が実現可能になるかを理解した上で今仕事をするのと、次に何が出てくるかわからないまま仕事をするのは、随分と結果が異なります。将来どうなるかわかっていれば、今から準備できますし、お客様にも説明できますね。

ということで、マーケティングする側だからといって検索技術やサービスそのものの理解を放棄するのをやめて下さい。まず、Google、Yahoo!、Microsoft 3社の検索事業の内容、事業・収益構造、フィロソフィー(検索哲学)、ミッション(何の検索課題を解決しようとしているか)の基本的なところは理解しておきましょう。これらを理解すると、同時に裏の側面も見えてしまって嫌な気分になることもありますが(笑、それぞれの戦略・戦術の意味も理解できるようになるので、少しは仕事が面白くなるかも知れません。

また、特に基本的には情報非公開なランキングアルゴリズムの分野も、ブラックボックスとは思えなくなるくらいに、世界が見えてくるようになりますし、なぜ私が本サイトで、しょうもない小手先のSEOテクニックを極力紹介しないのか、その真の意味も理解できるでしょう。

2つ目は、「検索利用者とサービスを理解すること」です。

(続く)


※ 「続く」と書いて実際に続けたケースがあまりないのは自覚していますが、研修準備を並行で進めているのでたぶん続きます





記事カテゴリ:サーチニュース 2011
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