[Q&A] 今、通販事業者が行うべきSEO施策とは(ダイレクトマーケティングフェア2013)

ダイレクト・マーケティング・フェア2013 で開催した会場セミナー「今、通販事業者が行うべきSEO施策とは」にていただいた質問への回答など。


公開日時:2013年09月26日 18:45

9月26日~27日に東京ビッグサイトにて開催されているダイレクト・マーケティング・フェア2013 の会場内にてセミナー『今、通販事業者が行うべきSEO施策とは』を開催しました。セミナー内にてご案内した通り、こちらのページにて追加の説明等を記したいと思います。

取り急ぎ、セミナー終了後に皆様からお寄せいただいたご質問について、改めて回答をします。

Q) Amazon.co.jp のサイトを見ると、数量違いの商品(1個入り、5個入り、10個入り等)を別々のページに掲載をしているが、こうした施策(個数違いの商品ページを別個に作成すること)はSEOとして有効なのか? ※ 同趣旨の質問を複数の方から頂きました

A) たとえば飲料水などの 350ml、500ml、2L といった容量違い、6本入り、12本入り、2箱といった具合の個数違い、そして洋服などの色(青、赤、黄色など)やサイズ(S/M/L/XLなど)違いといった、『色・サイズ・個数違い』の商品を単品管理(SKU)している場合において、ウェブページはどう作成したら良いのかといったお話は近年良くいただく相談の1つです。

結論から言いますと、原則として、1つのページで管理する(同一ページ内で色・サイズ・個数を指定できるようにしておく)方が望ましいです(あるいは canonical で正規化する)。特に、ユーザーが検索する際に、その特定条件(色・サイズ・個数)を検索クエリとして明示しないような商品の場合は特に、個別にページを作成せずに1つのページでまとめてしまった方が、余計な問題を回避できるので望ましいと思われます。

詳細を述べる前に、まず前提の認識を合わせておきますと…実はこの相談は複数の方から頂いたのですが、いずれも前提の認識に誤りがあるように思えました。おそらく質問者さんは、次のような前提理解に基づいて質問をされたのではないでしょうか。

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(1) Amazon.co.jp は SEO がきちんとできている

(2) その Amazon.co.jp にて、一部の商品は個数違いのものを別々のページで作成している

(3) あの Amazon.co.jp がやっているのだから、この施策(= 個数違いは別ページに作成すること)は良いSEO施策である
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というロジックで解釈されていたのではないのかなと(間違っていたらごめんなさい)。しかし、この前提は間違っています。

第1に Amazon.co.jp のサイト上で行われている施策の中には、SEO とは全く関係ないことや、SEOの観点からはベストではないことも当然ながら含まれています。様々なシステムやビジネス要件を加味したうえで1つ1つの決定を行っているわけですから、妥協したり、あるいはSEOうんぬんが判断基準にない事柄も数多くあるでしょう。ある優秀で成果を出しているインハウスSEO担当者が毎朝自転車通勤しているから、自転車通勤はSEOに効果的とは言えませんよね、そういうことです。つまり上記のロジックで (1)(2) ならば (3) に結びつけるのは適切ではありません。Amazon.co.jp で観察されるすべての要因をSEOと絡めて解釈することは妥当ではありません。

# 話が少しそれますが、たとえばSEOの神様と祀られる辻正浩氏が講演で紹介したSEO事例のサイトを見て、そのサイトの施策を全部コピーしたところで同様の成果が必ずしも挙げられるわけではありません。実は SEO とは全く関係ない施策もあれば、"そのサイトだから"効果的であっても別のケースには当てはめられない施策も数多くあります。とりあえず、SEOをきちんとやっている会社さんのサイトであっても、そのあらゆる施策がSEO要件を加味した結果としての実装であるとは限りません

第2に、Amazon.co.jp 以外の販売者(Amazon出品(出店)サービス)は第三者企業ですから、同じく Amazon.co.jp の SEO 施策と絡めて解釈することも適切ではありません。むしろSEO云々の要件など考えずにやっていることが多いでしょう。ちなみに Amazon.co.jpで該当商品が存在するのに出店者が個別にページを作ることは本来はイレギュラーですし、個数違いの商品を別々に作成するのも単に Amazon.co.jp サイト内検索結果で自社商品を表示させやすくするための施策であって(一般検索エンジンの)SEOとは一切関係ないでしょう。

…以上の理由により、Amazon.co.jp のサイト上の施策だからといってSEO の観点から良いとは限りません。本件の場合、単に特定出品者が自己の利益のみを追求した結果やっているわけであり、サイトのSEO的に良いとは必ずしも言えません。

その上で、本題。インフルエンザ対策マスクや飲料水、ガムテープ、ビニールひも、カッターナイフといった、サイズ・色・個数違いはあっても商品詳細ページで差別化しづらいような特性の商品は、別々のページにしたところで中身の薄いページが量産されてしまうだけなので、そういったものは無理にページを別々に作成する必要はありません。こうしたケースでは、どの商品でもレビューを集めるようにして(※ カッターナイフを買った人がレビューを書くのかよ、といったレビューの集め方の話はまた別の機会に)、1個買った人も、1ダース買った人も、Lサイズ買った人もSサイズ買った人も、どの人のレビューも1つのページにまとめてしまった方が商品詳細ページあたりの情報量や独自性(オリジナリティ)を増すことができますね。

商品データベースやWebサーバなどシステム的な制約がある場合は、canonical を使って正規化するURLを決めるという方法もあります。あるいは、個別のページが分散してしまっても、「総合ページ」を1つ作って、該当するキーワードのランディングページはその総合ページにすることもできます。この問題の解決策はケースバイケースでいくつかあるのですが本稿では紹介しきれないので別の機会に触れたいと思います。とりあえず Amazon.co.jp さんを合理的な理由なく真似るのはやめましょう。

で、冒頭にて私は「原則は」と書きました。例外の代表例として、検索利用者が、特定の色・サイズ・個数を指定して検索することが多い場合、あるいはそういった検索語句で探す(特定条件を満たす商品が探索される)ケースが挙げられます。こうした場合は、別のページに分けた方が望ましいでしょう。

たとえば近年の事例を挙げますと、ニンテンドー3DS は、カラーやサイズ違い、また限定商品(「ニンテンドー3DS LL とびだせ どうぶつの森 パック」や「ディズニー マジックキャッスル マイ・ハッピー・ライフ 限定パック」などの限定品)など、いくつかのバリエーションが存在します。これらの商品は、個別にピンポイントで検索される機会が多々あります。

こうした特性を持つ商品において、先述のアドバイスに従い「ニンテンドー3DS」という1枚のページを作成し、そこにすべてのバリエーションの商品群をまとめてしまうのは、多くの販売機会を逃してしまうことでしょう。こうしたケースは、個別にページを分けた方が、"検索利用者にとって望ましい"と思われます(※ 検索利用者にとってどのアプローチがベストなのかという視点もSEOの判断基準に取り入れるべき。結果としてそれがSEO的にも最善策だから)。実際、こうした商品は個別にユニークな商品説明ページやスペック表を作ることも可能でしょうから、同種の薄っぺらなページが作成されてしまう問題も解決できます。

以上、長くなりましたが、1. Amazon.co.jp がやっている云々は全然関係ないのでそれは忘れていただいて、2. 単に商品個数が違う程度のものでしたらページ分割せずに1つにまとめてください。


Q) 現在は Google が検索市場で支配的だが、今後、Facebook 検索は主流になるのか?

A) 2000年代に様々な検索サービスが登場してきましたが、結局みんな Google (日本の場合は Yahoo! JAPAN)です。インターネットの情報アクセスインフラとして検索というのは日常生活において当たり前の存在になったと同時に、"選択するもの"ではなくなってきているように思えます。ネットで情報を探せる、検索ツールというのは空気のような、あって当たり前の存在といえばいいのでしょうか。

Google が良いから Google を選んでいる人がいる一方で、なにげなく使っている検索エンジンがあって、ふと提供元確認してみたら Google だった、なんて人も多いのです(実際、大学生に聞くとそういう回答が返ってくることがある)。

で、皆さん自宅に帰って寝るとき、だいたい寝室あるいはベッドがあるところ、ふとんを敷いて寝ることがあっても、自らすすんで台所や玄関前で寝たりしませんよね、そこ寝るところじゃないから。じゃ Facebook は検索する場所なんですか、というとちょっと違いますよね。5年たったら何か変わっているかも知れませんが、とりあえず現在見通せる未来の範囲においては、Google を意識しておけばいいのではないでしょうか。

Q) 自社ドメインのサイトのほか、Yahoo!ショッピングや楽天市場などにも出店している。Y!ショッピングと楽天市場店のGoogleでの検索順位を改善したいが何か良い策はないのか。

A) 自社ドメインに集中すればいいんじゃないでしょうか。というか3サイトにリソースを分配しても余裕で一定の検索シェア(トラフィック流入の意味でのシェア)を確保できる程度の競争が緩い検索キーワード市場でのSEO施策であればともかく、たぶんそうではないでしょう(そうじゃないからモール出店サイトのSEOを検討されているはずで)。しかし一方で、各々にユニークなコンテンツを継続的に提供し続けるのはつらいと思われますので、自社サイトに集中した方が得策だと思われます。一昔前であればリンクをごにょごにょするなどの方法があったのですが、今日のGoogleの状況を考えますとあまりよろしいことではありません。ショッピングモールにはそれぞれ特有の利点があるのですから、無理にそこでSEOをするよりも、そのモールならではできる施策で潜在顧客をとらえると考えてみてもいいんじゃないでしょうか、ユーザー層全然違ったりしますし。

Q) 今後、有料リンクが好ましくないということであるが、アドワーズ広告も良くないのか?

アドワーズ広告はテキストリンク広告であり、つまり有料リンクということだからSEOのためにはアドワーズ広告というリスティング広告はやめた方が良いのではないかという趣旨の質問でした。

Google AdWords
https://adwords.google.com/um/StartNewLogin

Yahoo!プロモーション広告
http://promotionalads.yahoo.co.jp/

まず検索連動型広告というのは何なのか、ということをご理解いただくとよろしいかと思います。キーワードに入札・設定して媒体の検索結果に広告を表示するのはリスティング広告、一方で Google がガイドライン違反とする有料リンク(テキストリンク広告)というのは、自然検索結果の順位を(不正に)操作するために提供されているものです。販売業者の多くは「SEOに効果がある」趣旨の効果をうたっていますので、そういった類のサービスが有料で提供されていたら、それは Google がいう「ダメな」ものだということです。

# とうことでご理解いただけるのでしょうかわかりませんが、とりあえずまずはGoogle と Yahoo! 両者の媒体ページをご覧いただいて商品趣旨をご理解いただくようお願いします

[2013/09/24 19:05 時点 後日追記予定]





記事カテゴリ:サーチニュース 2013
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