2014年総括 Google 検索アルゴリズムのアップデートまとめ

2014年に Google が公表した検索アルゴリズム更新・変更発表のまとめ。


公開日時:2014年12月26日 07:26

2014年に Google が実施したアルゴリズムアップデートのまとめです。ペイデイローン、パンダ、ペンギン、ピジョン、ベニス、トップヘビー、モバイルUX、HTTPS/SSL暗号化と色々な更新がありました。

cf. Google 主な検索アルゴリズム/検索技術 変更の歴史 7+1選(2013)


トップヘビー・アルゴリズム(2014年2月)

概要:
トップヘビー・アルゴリズム(Top Heavy Algorithm)は、ウェブページのレイアウトを分析し、ファーストビュー※が過剰な広告で埋め尽くされ、主たるコンテンツを見つけづらい状態にあるウェブページの検索順位を下げる働きをするアルゴリズム。ページレイアウト・アルゴリズム(Page layout algorithm)とも呼ばれ、ユーザーがより高品質なウェブサイトを発見できるようにするための Google検索の取り組みの1つ。初めて公式にリリースされたのが2012年1月だが、2014年2月にそのアルゴリズムが更新された。

※ ファーストビュー:Above the fold、ウェブページ開いた時にスクロールせずに画面に表示される領域のことを指す。

ウェブマスターの対応:
検索順位に影響を与えない程度の広告掲載許容範囲は具体的な数値やガイドラインは示されていないが、要はユーザーの立場にたった時に受け入れられるか否か、ユーザーにとって主たるコンテンツが見やすい状態になっているか否かという基準に従って自分自身で判断をすると良いだろう。

cf.
米Google、ページレイアウトアルゴリズム(トップヘビー)を更新(2014/02)

米Google、ページレイアウトアルゴリズムを更新(2012/01)


パンダアップデート(2014年5月、9月)

パンダアップデート4 2014年5月/9月 アルゴリズムアップデート

概要:
コンテンツ品質評価に関するアルゴリズム更新を指すパンダアップデート(Panda Update)が2014年5月に実施された。SEO業界ではその更新内容や回数から、5月の更新をパンダアップデート4.0と呼んでいる。パンダは2011年2月に登場してから3年が経過しているが、コンセプトは最初の登場時に Google から説明された通り「ユーザーに有益なコンテンツを提供しているページを上位に表示されるようにする」「薄っぺらな、役に立たないコンテンツを検索上位に表示されないようにする」ことにある。最初のアップデート投入直後は特に、デマンドメディアに代表されるコンテンツファームが多大なるダメージを受けたことで知られる。

今回のパンダはデータの更新処理に加えて、より適切にコンテンツ品質推定に活用できる新たなシグナル(手がかり)をアルゴリズムに加えたというが、具体的な内容は不明。

ウェブマスターの対応:
業界外でも名前だけは良く知られているこの「パンダアップデート」であるが、実態がよくわかっていない代物でもある。つまり、ある検索順位変動の事象が発生した際に、それがパンダが影響しているか否かを判断することは事実上不可能であり、その意味でどうでもよい(気にしても意味がない)アルゴリズムとも呼べる。

既にサイト内に意味のない大量のウェブページが SEO 目的で自動生成されているようなケースであれば、noindex を付与する、robots.txt でまとめて除外する、物理的にページを削除するなどの解決方法があるが、それ以外の状況においてはユーザーに有益なコンテンツを提供することを心がけましょう以外に特にアドバイスはない。

cf. 米Google、パンダアップデート 4.0 を発表(2014/05)

cf. 米Google、新しいパンダアップデート4.1の導入発表(2014/09)


ペイデイローン・アップデート(2014年5月、6月)

概要:
Payday Loan(ペイデイローン)アップデートは、特にウェブスパムが横行する検索クエリやウェブページをターゲットとして実施されたアルゴリズムのアップデート。これらの検索クエリやウェブページで顕著なリンク構築スキームや各種のウェブスパムに対応することが目的とされる。

ウェブスパムが横行する検索クエリとは、日本語であれば「ダイエット」「バイアグラ」「パチンコ」「ローン」「キャッシング」などが該当すると思われるが、具体的なキーワードは不明だ。

ペイデイローンは2013年6月に初めて公式リリースされた。2014年は5月に2回目(2.0)、6月に3回目(3.0)の更新が実施された。2回目はスパムの激しいウェブページを、3回目は1回目同様にスパムの酷いキーワードを標的としてアルゴリズムが調整されたと米Google・マットカッツ氏は説明している。

ウェブマスターの対応:
ウェブスパムをしているという自覚があるウェブマスターが対象となる類のアルゴリズムであるため、「ガイドラインを守りましょう」以外のアドバイスは特にない。一方、外注する場合は、相手のサービス提供内容をよく確認することを勧める。一般的にウェブスパムをしていますと公言するSEO業者はいないため(確信犯または自覚がない)、相手の説明を鵜呑みにしないことだ。

cf.
Google、ペイデイローン・アルゴリズム2.0を発表

Google、ペイデイローン・アルゴリズム3.0を発表

米Google、検索アルゴリズムの更新開始 - スパムが多い検索クエリへの対策(2013/06)


ピジョン・アップデート(2014年7月)

概要:
ピジョン・アップデート(Pigeon Update)は、ローカル検索結果の全般的な品質改善を目的としたアルゴリズムのアップデート。ローカル検索のランキング決定時に、ウェブ検索で利用してきた検索技術やシグナルの多くを取り入れることで、関連性の高い地域情報をユーザーに提示することを目指した。2014年7月に米国でロールアウトされ、同年12月にはカナダ、英国、オーストラリアにも適用された。

ウェブマスターの対応:
2014年12月25日現在、日本語検索には適用されていない模様。スマートフォン検索利用者の急増により、ユーザーの位置情報との関連性は今後益々重要になってくるためそう遠くない未来に日本語検索にも適用されることが予想される。特に地域情報を扱うウェブサイトは動向を追うことを勧める。

cf. Google、ローカル検索アルゴリズムを更新「ピジョンアップデート」

cf. Google、英語ロケールの検索全てにピジョンアップデート適用を発表(インド除く、2014/12)


HTTPS/SSLをランキングシグナルに採用(2014/08)

概要:
名称なし。SSL暗号化されていることを検索順位を決定するための1つの要素として採用することを公式に発表した。ただし、現時点で検索順位への影響は軽微、数百あるシグナルの1つに過ぎないとの説明だ。URL単位で、クローラ(googlebot)がHTTPSのURLをインデックスした時点でリアルタイムに検索順位に反映される仕様だ。

ウェブマスターの対応:
実質的に検索順位へ(現時点では)無視できるレベルなので、SEOのためにSSL/HTTPS対応する必要はない。唯一検討すべきタイミングは、ゼロからWebサイトを新規に構築する段階。

cf. Google、HTTPS/SSLをランキングシグナルに採用、検索順位へ反映(2014/08)

cf. Google https/SSLシグナル、将来は暗号化強度も考慮(2014/08)


実質的な「モバイルUX」基準を検索順位へ反映する試み(2014/11)

概要:
名称なし。スマホ利用者の検索体験を豊かにするために、Webサイトの「モバイルフレンドリー」を検索順位へ反映するための実験的な試みを実施していることを発表。具体的な内容は不明だが、近年の Google の取り組みやアプローチを踏まえると、実質的に「モバイルユーザーエクスペリエンス(モバイルUX)」や「モバイルのユーザー体験」といった要因※が検索順位に反映されてくると考えられる。

※ Q(一般ウェブマスター)「モバイルユーザビリティがランキング要因として利用されているか?」A(Google)「いや」といった質問のやりとりを見たことがある方がいるかもしれない。検索エンジン会社とSEO業界双方で言葉・用語に対する共通認識・共通解釈がなければ、質問と回答が噛み合うはずがないので、業界側が「○○○はランキングとして採用されているか?」と質問した時に(意味が違うなら)Googleは「していない」と回答するのは自然なこと。

ウェブマスターの対応:
モバイルUX的なもの、モバイルフレンドリーなものが具体的には不明であるが、いずれにせよ「スマホユーザーの体験を豊かにする取り組みは、Google にも評価される」ということなので、SEO の中でも比較的取り組みやすい(社内説得がしやすい/本質的にユーザーに良いことを提供出来るという意味で)事柄だと言えよう。

さしあたり、発表済み・既知の事柄である「パソコン用-スマホ用ページ間の間違ったリダイレクト」「スマホから閲覧不可能なFlash等の技術多用」「スマホだけに404エラーといった具合に特定デバイスで閲覧障害」「表示速度が死ぬほど遅い」「スマホからは文字が小さすぎる」「縦横両方向へのスクロール」といった、モバイルからの閲覧時にストレスとなる要素を取り除く、来訪するユーザーの満足度を高めるところから始めることを薦める。

cf. グーグル、モバイルUX的な要素を検索順位反映へ(2014/11)


ペンギン・アップデート(2014年10月~)

ペンギンアップデート3.0 2014年10月

概要:
ペンギンアップデート(Penguin Update)は、隠しリンクや隠しテキスト、過剰アンカーテキスト一致、ゴミのようなリンク集からのリンクといった、ウェブスパム全般を排除して検索品質を改善することを目指したアルゴリズムのアップデート。2012年4月が初めてリリースされた時(1.0)で、翌年5月に(ペンギン2.0)、今年10月(ペンギン3.0)と更新されている。

ペンギン2.x までは Google がその都度、データ処理に必要な更新を行ってきたのに対し、ペンギン3.0 では継続的に更新内容がランキングに適用されるようになった。こうしたライブ変更による影響か定かではないが、10月中旬以後、頻繁な検索順位変動が観測されるようになっている。

ウェブマスターの対応:
ペンギンアップデートは古典的なウェブスパムを標的としたアルゴリズムの更新であり、万が一ペンギンの実施直後に検索順位が大きく落ち込んでいるようならば、それまでの SEO施策をゼロから見直すことをお勧めする。以下に紹介する傾向と対策の記事でも書いている通り、業界的には検索エンジンスパムとしての認知度が高い手法が影響を受ける対象であるため、ペンギンで影響を受けるのであれば、手法そのものが間違っている可能性が大きいためだ。

もし自分自身でSEOを勉強して手を動かしているのであれば、知識の再確認と整理をすると良いだろう。インターネットで収集できる国内・海外SEO情報は、既に時代遅れのもの、背景や本質を理解せずに単に情報を垂れ流しているだけのブログなど、その品質はピンキリだ。自分が情報源としているSEOは本当に有益なのかどうかも含めて確認をしたい。

一方、SEOを外注している場合は、先述した通り施策内容の確認とその妥当性を自分で確認することを勧める。これはSEO業者の選び方で誰もが口をそろえて言うことだが、SEO は発注スキルを要するものであり、丸投げが非常にリスクが高いことを認識しておかなければならないだろう。

cf. グーグル・ペンギンアップデートはライブ更新へ

cf. 「ペンギンアップデート」 米Google、ウェブスパム対策のアルゴリズムにペンギン(Penguin)と命名(2012/04)

cf. Google ペンギンアップデート3.0 傾向と対策(2014/10)

cf. Googleペンギンアップデート2.0 傾向と対策(2013/10)


ベニス・アップデート(2014年12月?)

概要:
ベニスアップデート(Venice Update)は、検索利用者の現在地にあわせてウェブ検索結果をパーソナライズ(ローカライズ)して、利用者の近辺の飲食店や施設を検索結果に表示するアルゴリズム。

2007年5月以後、Googleはユニバーサル検索の導入により、通常の検索結果ページにウェブ検索だけでなく地図、動画、ニュース、画像、地域情報など様々な形式の情報を混在表示しているが、ベニスはその地域情報の枠(※ 多くは地図と共に3件または7件の単位で店舗名・住所・電話番号・Googleのクチコミへのリンクを表示する枠)ではなく、ウェブ検索結果として表示する地域情報ページの検索順位に影響するアルゴリズムだ。

例えば札幌駅前で「レストラン」と検索すると、ウェブ検索結果のいくつかは札幌駅周辺の飲食店の公式ページや、札幌市内の飲食店情報を集めた地域ポータルサイトへのリンクを表示するが、同じキーワードを天神駅(福岡市)で検索すると、天神駅周辺の飲食店や福岡市内の地域情報サイトへのリンクが表示されるようになる、といった具合に、検索利用者の現在地にあわせてパーソナライズする役割を果たす。

2012年2月にコードネーム・ベニス(Venice)として Google から公式に発表された。2014年12月には、ベニスアップデート実施後に米国で観察された検索順位変化・変動と同様の傾向が日本国内でも観察されているが、公式に日本語にもベニスが適用されたのかは不明だ(2014年12月25日現在)。

ウェブマスターの対応:
名称はさして重要ではないが、日本語検索結果で観察された事実に基づくと、ベニスアップデート相当のものが実施されたのだろう。今まで取り入れていなかった、検索利用者の現在地というシグナルを活用して検索結果を位置情報的に関連性の高いものに変えていくアプローチであるため、基本的にサイトオーナーも検索利用者も双方にメリットがあるアップデートといえる。本来見てほしい場所にいるユーザーの検索結果に表示されないようであれば、ローカルSEO の施策を試みると良いだろう。

cf. グーグル、日本語検索にもベニスアップデート(相当)を適用か?地域情報のローカライズが確認される

cf. ベニスアップデート、地元密着の事業者や地域メディアに恩恵か?

cf. ベニスアップデートとピジョンアップデートの違い


番外編(1):名称不明(2014年5月~9月)

概要:
2014年5月から検索結果でのビジビリティが急上昇し検索順位も改善。しかし2014年8月下旬~9月中旬のタイミングで急降下し、5月のビジビリティ急上昇前の状態に戻るという現象が英語圏及び日本語圏における一部の Webサイトで広く確認されている。5月から全体的な検索順位が上昇するも、9月に5月時点にきれいに戻るという動きから、Google が何らかの調整を加えた可能性が考えられるが、特に公式の発表は行われていない。

ウェブマスターの対応:
不明。


番外編(2):Google、日本のリンクネットワークにペナルティ、無効化

概要:
Google が不定期に実施してきた Twitter を通じたスパムリンクネットワークへの制裁報告だが、今年はついに(!)日本国内で提供される外部リンク供給ネットワークを排除したことが発表されている。「アジアでのスパムリンクってあんまり話題にならない」と私が言及した記事を読んだ 米Google・マットカッツ氏が日本のスパムにも言及してくれたという流れだった。

cf. Google ಠ_ಠ、日本国内7つのSEO目的リンクネットワークに制裁


ウェブマスターの対応:
ツイートで晒されたのはこの1回きりだが、SEO業界関係者であれば既知の通り、不定期に数多くのアフィリエイターやSEO業者が抱えるリンクネットワークが一網打尽に排除されており、人工リンクに対する Google の対策は年々厳しくなってきている。

最近はコンテンツマーケティングということが盛んにSEO業界でも叫ばれるように、人工リンクに頼ったSEOは2015年にはますます困難を極めるだろう。Google は効果的にスパムを自動で排除できている。「とりあえずリンクを張ればいいんでしょ?」「SEO業者に発注すると頼んだキーワードで1位にしてくれるものだ」といった認識を改める時だ。





記事カテゴリ:Google 2010-2016, SEO(検索エンジン最適化), サーチニュース 2014


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