ウィキメディア財団、検索開発のために250万ドルの資金援助受ける、「Google対抗」報道を否定

Wikimedia Foundation、コンテンツの検索性を高める Knowledge Engine Project を推進するための 25万ドルの資金援助を Knight Foundation から受ける。Google 対抗の検索エンジンを開発する意図がまったくないと明確に否定。


公開日時:2016年02月22日 12:11

米 John S. and James L. Knight Foundationは2016年1月6日、ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)が推進する Knowledge Engine プロジェクトに 25万ドルの援助資金を提供したことを明らかにした。昨年9月に合意した総額250万ドルの支援金の一部。この資金援助は Wikipedia や Wikimedia プロジェクトの検索や閲覧に関するユーザー調査に充てられ、ユーザーの情報取得体験の改善のために利用される。

John's and James L. Knight Foundation Grant Agreement

Wikipedia の情報増加と共に検索性や発見性の課題

Wikipedia は2001年に創設され、誰もが無料でアクセスできる情報量は今日まで爆発的に増えてきた。2016年2月現在、Wikipedia とその姉妹プロジェクトは 300言語、3,500万記事、3000万の画像、そしてデータ容量はテラバイトレベルに膨れ上がった。情報の数量、品質、そして多様性ともに成長した一方で、関連性の高い情報へのアクセスという課題が生まれた。


ウィキペディアや同財団の情報アクセス性を高めることが目的

同財団は2015年4月にディスカバリーチームを設立し、ウィキメディア財団の管理するコンテンツのアクセス性を高めるための開発に注力してきた。今回の Knight Foundation からの資金援助はその目的を推進するための初期段階のプロジェクトを支援するものだ。

We created the Discovery team in April 2015 to focus resources on improving this core part of the Wikimedia experience and making knowledge even more accessible, connected, diverse and discoverable in an open and transparent way. To support these efforts, we received a grant from the Knight Foundation for initial research. These grant terms—and our plans—are straightforward. We intend to research how Wikimedia users seek, find, and engage with content. This essential information will allow us to make critical improvements to discovery on the Wikimedia projects. And in keeping with our values, we will make our findings public, in order for the world to better understand the way we all engage with free, open knowledge.[WES MORAN AND LILA TRETIKOV, Clarity on the future of Wikimedia search]

ウィキメディアを利用するユーザーがどのように情報を探し、発見し、閲覧するのかを調査し、把握することで劇的な改善を施すことが可能となる。

The Wikimedia Foundation will launch a new project to explore ways to make the search and discovery of high-quality, trustworthy information on Wikipedia more accessible and open with $250,000 from the John S. and James L. Knight Foundation. Funding will support an investigation of search and browsing on Wikipedia and other Wikimedia projects, with the goal of improving how people explore and acquire information. [Wikimedia Foundation to explore new ways to search and discover reliable, relevant, free information with $250,000 from Knight Foundation]


「Google対抗の検索エンジン開発ではない」ウィキメディア財団が明確に否定

一部のメディアでウィキメディア財団がGoogle対抗のグローバルな検索エンジンを開発しているとの報道があるが、同財団はこれを明確に否定。Wikipeida をはじめとする同財団の運営するメディアの知識コンテンツの優れた検索・発見・閲覧体験を、透明性が高くオープンな方法で実現するためのプロジェクトであり、今回の開発資金援助であると説明している。

Are you building a new search engine? We are not building Google. We are improving the existing CirrusSearch infrastructure with better relevance, multi language, multi projects search and incorporating new data sources for our projects. We want a relevant and consistent experience for users across searches for both wikipedia.org and our project sites. [Wikimedia Discovery/FAQ]

ウィキメディア財団のJimmy Wales氏はかつて Google対抗のオープンソースの検索エンジン「Search Wikia」に乗り出したことがあるが、2009年3月31日に中止を発表、撤退していた。また、ウィキメディア財団と Knight Foundation が2015年9月に交わした合意書の中で Knowledge Engine プロジェクトについて「メディアやニュース、情報発見を民主化し~(略)~商業的利益とは完全に無縁のオープンなデータエンジンを開発する」との記述があったことも重なり、再び Google 対抗の検索技術開発かというニュースメディアの誤報が相次ぐ原因となってしまった。

繰り返すが、ウィキメディア財団は Google 対抗のグローバルなクローラや検索アルゴリズムを開発する意図はまったくなく、あくまで同財団の関与する情報のアクセス性を高めるためのプロジェクトだ。


Knight Foundation
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/foundation/a/a7/Knowledge_engine_grant_agreement.pdf






記事カテゴリ:検索ニュース 2015-2016



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