Gary Illyes 氏によるモバイルファーストインデックス解説 SMX West 2017

SMX West 2017 ゲイリー・イリーズ氏による MFI の講演。SEO の最新ニュースを欠かさず追っている方には特に新情報はないと思いますが、あらためて現在のステータスや気になるポイントを再整理します。


公開日時:2017年03月23日 09:28

3月21日から23日にかけて米国カリフォルニア州サンノゼで開催されている検索マーケティングのコンファレンス「SMX West 2017」の2日目、Google Webmaster Trends Analyst の Gary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が Mobile First Index について語った。

早朝のセッション "SEO For Google's Mobile-First Index & Mobile-Friendly World" で Gary 氏が MFI に言及した。ポイントは次の通り。

MFI のローンチ時期について

MFI のローンチ時期はまだ未定。数週間後ということはなく、数ヶ月後か。Google としては年内にリリースしたいと考えているとのこと。SEO担当者の多くはやはり MFI の導入時期が気になると思うが、(相変わらず)予定は明らかになっていない。少なくとも4月からといった急なことはないので安心を。後述するように検索品質を重視するためにテストを継続しているとのことだ。


AMP、モバイル、デスクトップ、PWA の優先度について

Google は MFI についてモバイル版およびデスクトップ版の取り扱いに注力する。モバイル版が存在せず、AMP 版とデスクトップ版が用意されているサイトの場合、Google は デスクトップ版をインデックスする。もしもモバイル版もデスクトップ版も存在せず、AMPページが用意されている場合は、AMP をインデックスする。

この情報も既報だが、あらためて情報の整理を。AMP はスピードを重視したオプションという扱いなので、基本的に Google は次の優先順位でインデックスをする。(1) モバイル版 (2) デスクトップ版 (3) AMP。

なお、PWA (Progressive Web Apps)は、サイトの別バージョンとは見なさないとのことだ。


モバイルページの発見について

Google のインデクシングの仕組みは、ウェブページに記述されたリンクをたどりながら新しい URL を発見していく。デスクトップPC と比べてさまざまな(ウェブ制作/技術的な)制約があるモバイル版では、相対的にページに到達するまでにたどらなければならないリンク数が増えることがある、つまりページを発見しづらい可能性もある。

モバイルファーストインデックスが導入されると、このリンクの発見(link discovery)が難しくなるため、XMLサイトマップがより重要になるだろう。


MFIに向けて "Quality neutral launch"

Google は MFI ローンチに向けて クオリティニュートラル"Quality neutral" を目指すとのこと。つまり MFI により検索品質が低下してしまっては本末転倒なので、検索の関連性(Relevancy)に慎重になるという趣旨だ。モバイル版コンテンツを主にすることで、従来デスクトップPC版から取得できていたシグナル(関連性を判断するためのてがかり)の一部が失われることになるが、それを代替するシグナルを探していく。


デフォルトで非表示になっているコンテンツの扱いについて

スクリーンサイズに制約のあるスマートフォン向けのサイトにおいては、標準では非表示になっているナビゲーションやコンテンツを扱っていることがある。イリーズ氏によると、MFI においては標準で隠れた(hidden)コンテンツの評価が減衰されることはない、つまり完全に(表示されているコンテンツと同様に)評価するとのこと。

なお、ユーザーエクスペリエンスの観点からは異論もあるのだが、ここは UX のカンファレンスではなく、SEO を扱うカンファレンスなので、そこは触れないことになった(笑


MFI 準備で重要なこと

ゲイリー氏は"Copy over content you want to rank for to mobile site (from Desktop)" でまとめた。つまり、モバイル版ページがインデックスの対象になるので、検索でヒットしてほしいコンテンツがモバイル版ページになければならない。これまで多くのウェブマスターはデスクトップPC版を主として作成してきた一方で、モバイル版は PC版と同様のコンテンツを完全に網羅していることは少ない。

したがって、自然検索経由でトラフィックを得たいコンテンツをモバイル版にも用意せよ、というわけだ。


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「とりあえずリリースして、あとから品質を改善していく」的な手法は今回はとらないようで、慎重に MFI の導入準備を進めているようです。気になるリリース時期が相変わらず不明ですが、もしかしたら夏を過ぎるのかもしれませんね。もともと Google は公式ブログで新機能や新仕様を発表したとき、おおむね半年以内に導入に踏み切るので私は個人的に春~初夏とみていたのですが、そういう雰囲気ではなさそうです。

MFI 関連の講演をするときに私も説明しているのですが、基本的に MFI は「モバイル版のコンテンツが評価対象になる」というだけのシンプルな話で、サイトの制作やデザインを考えるときに、モバイル版を主体に考えていけばいいだけの話でもあります。検索での経由を期待しているコンテンツがモバイル版で存在しない場合は、ちゃんとモバイル版を作っていくことが大切です。

また、レスポンシブウェブデザインや、動的配信を利用しており、かつモバイルとデスクトップ版で同じコンテンツを持っているのであれば、MFI を恐れる必要はまったくありません。





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化), 検索ニュース 2015-2016
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