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解説: Yahoo!、検索エンジン切り替え - Google と袂を分かつ (III)


2004年01月07日 00:56 | TrackBack (0) | [検索市場分析]

Yahoo!、Google との提携解消報道に関する解説記事。3つ目(最終)

解説: Yahoo!、Google と袂を分かつ (II) からの続きです。

Yahoo! は Google との提携解消後、独自検索技術でどのような機能を実装し、「Google よりも優れた検索サービス」を実現しようとしているのか。Wall Street Journal で報道されている内容から推測すると、そのキーワードは「パーソナライゼーション」にあります。

検索サービスにおけるパーソナライゼーションは今後の検索技術における注目の1つで、個々人の過去の検索行動の履歴からそのユーザーの趣味嗜好を分析、最適な検索結果を表示しようとするものです。米Microsoft が開発中の検索エンジン MSNBot で実装されることが予想され、実際すでにベータ版としてリリースされているニュース検索 Newsbot では将来のパーソナライズ機能の搭載が明らかになっています。

Yahoo! は既に Yahoo! サイトの各コンテンツのパーソナライゼーションを My Yahoo! にて提供しており、これに検索サービスのパーソナライズも組み込むものと思われます。過去の検索履歴を蓄積し、個々人に適切な検索結果を提供することで Google よりも優れた検索体験を提供したいのでしょう。この機能は確かに Google に対する差別化要因となります。なぜなら Google は Yahoo! や Microsoft のような「会員」という経営資源は保有していないからです。

また、Yahoo! は PFI (ペイドインクルージョン)の拡張も計画しています。これは「PFI の提供は全く考えていない」という Google とは意見が対立していたもので、Yahoo! は独自検索技術の投入とともに PFI による利益の獲得も考えているようです。PFI に関しては Yahoo! は既に AlltheWeb (Lycos Insite)、Inktomi (Search Submit)、Altavista (Express Inclusion)の3つの PFI を持っており、これを統合するのでしょう。

いずれにせよ当面は 新Yahoo!サーチでどれだけ精度のよい検索結果を提供するかに注目です。Inktomi も AlltheWeb も「Google に類似したアルゴリズム」は持っているとはいえ、現実にはこれらと Google の性能には歴然とした差があるのが現実です。米国市場でいえば、Yahoo!との契約を失うことで Google はいくらかトラフィックを失うかもしれませんが、市場シェアを失うことは意味しません。つまり Google の方が利便性が高ければ結局「検索は Google」というユーザー行動は続く可能性もあります。

オンライン小売業者はどう対応するか

Yahoo!のアルゴリズム検索の切り替えによってサーチトラフィックを失うのは Google だけではありません。Google のサーチトラフィックに依存してきたオンライン小売業者も Yahoo!経由で獲得しているトラフィックの大半を失うことになります。Webサイトによっては半分近く失うことになり売り上げにも影響が出るでしょう。まさに小売業者にとって Yahoo!が切り替える日は「悪夢」となるでしょう。

早急な処方箋として Inktomi 対策です。特に Google に過剰最適化(Over-Optimized)しているWebサイトはそのSEO手法も見直す必要があります。Inktomi への登録自体は PFI を利用することで解決しますが、同時に切り替え後も適量なトラフィックを獲得するためのポジショニングも急務です。


(終わり)

執筆:渡辺隆広


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