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検索キーワードが持つ"メッセージ"の意味


2004年05月22日 08:28 | TrackBack (0) | [検索エンジンマーケティング SEM]

[要約] Webページのタイトル及び説明文を作成する際には、そのページが何の検索キーワードで上位に表示されるかを考慮した上で、そのキーワードに込められたニーズや意図を反映したものでなければならない。

検索エンジンというのは用意された検索ボックスに自分が欲しい情報に関係するキーワードを入力すると、それに最も合致すると思われる検索結果をずらっと表示してくれます。さて、この時ユーザーが入力する検索キーワードはどんな性質を持っているのでしょう。

検索エンジンを利用する時、ユーザーは何らかの情報を求めており、それを見つけるために使うものです。自分の興味・関心事があるけれども自らはそれに対する情報を持っていない - 新たな情報を獲得するために検索エンジンを利用するわけで、その新しく求める情報についてユーザーは詳細を知りません。

探し求める情報の対象について非常に曖昧な情報しか持ち合わせていないものの、検索エンジンを利用するためには「それに関連すると推定される」言葉を入力しなければ利用できません。ここで、ユーザーの頭の中に蓄積されている過去の経験・知識・見識から瞬時に(直感で)選び出された言葉が検索ボックスに入力されます。

つまり、ここで表現された - 検索ボックスに実際に入力された - 言葉というのは、ユーザーが検索エンジンに投げかけた「疑問」「質問」という意味を込めた言葉です。ユーザーが持つ「疑問」を数個の単語で表現した一種のメッセージです。探し求めている情報があるけれども私はそれを知らない。だから検索エンジンにそれを数個の言葉で表現して問う。その問いかけに対して検索エンジンは適合するWebページのリストを表示することで「回答」をしていることになります。

ただし、回答者たる検索エンジンは直接的にユーザーの疑問に回答している場合とその回答へ導くための手助けをしている場合があります。例えば「ソニー」や「東京ディズニーランド」といった直接商標や名称での問いかけに対しては検索エンジンは直接的な回答(=公式ページを1位に表示する)といった形で事実上の回答者になります。一方「ミネラルウォーター 硬水 意味」といったある特定のテーマに関係する言葉で構成された質問については、ユーザーは表示されたページのいくつかを見て求めていた質問に対する回答を探していくでしょう。その意味で検索エンジンはユーザーが回答にたどり着けるためのヒントを差し出すような存在とも言えるでしょう。

さてさて、質問者たるユーザーと回答者または手助けをする検索エンジンという関係でお話をしてきましたが、この捉え方は検索エンジンマーケティング(SEM)を実践するWebサイト運営者に対して何を示唆するのか。

検索結果に表示されるタイトル(見出し文、リード文)に気を付けなさいというお話を聞いたことがあるかと思います。どんなに検索回数が多くターゲットユーザーが実際に利用するキーワードをWebサイトに組み込んで最適化しても(あるいはペイドリスティングを利用してスポンサー枠にWebサイト広告を表示しても)実際にユーザーがクリックをしなければ意味がない、だからユーザーの興味・関心のある言葉を記述せよ、という注意事項です。しかし、「ユーザーが興味関心のあるタイトルを記述せよ」というと、単純にユーザーの気をひくためのコピーライティングばかり考えて、そのページと検索キーワードとの関係をすっかり忘れている方が少なくありません。

これは意味を取り違えています。ここでいう「ユーザーが興味関心のある」というのは、正確には「ユーザーが情報探索をしている過程」というコンテクス(文脈)においてユーザーが興味関心を示すタイトルを記述せよということです。

先述した通りユーザーは情報探索のために検索エンジンに対して数個の言葉で検索エンジンに質問をしているのです。ここで検索エンジンが返してくる回答の中に、探し求めている情報が含まれることを期待します。「質問に対する回答」を期待しているのであり、「ユーザーが概して興味がある情報」を期待しているのではありません。つまり、ユーザーはなぜそのキーワードを入力したのか、そのキーワードに込められたニーズや意図を考慮しなければいけません。

ここで簡単な例を挙げましょう。東京・神奈川など首都圏のホテル情報を掲載しているWebサイトがあったとしましょう。そしてターゲットキーワードとして(1)「ホテル 東京」(2)「ホテル 新宿」(3)「ホテル 品川」の3つを選定した時、タイトル文はどうするべきか。

Webサイト自体は首都圏のホテル情報を網羅しているので、タイトル文も「首都圏ホテル情報」などと「首都圏」という言葉で表してしまいがちですが、上記3つの言葉の場合、より明確に質問の意図が現れているのですからクリックスルー率を上げるためには工夫をした方がよいことになります。

「ホテル 東京」と入力する人は都内で泊まりたいのか、その具体的な地域はわかりません。あるいはこの人は「首都圏」の意味を「東京」という言葉で表現したのかもしれません。一方「ホテル 新宿」と「ホテル 品川」はそれぞれ地域が限定されており明白です。

従って (1) に対応するタイトル文には「首都圏」または「東京」という言葉が必須ですが、同時に首都圏の情報を網羅していることを示唆する表現にした方がクリックスルー率は上がるでしょう。一方 (2) と (3) はそれぞれ「新宿」「品川」という地域を限定する言葉を明記する一方で、必ずしも首都圏の情報を網羅していることを示唆する文章入れる必要がなくなる事がわかってきます。

また検索キーワードとして入力された言葉自体はその表記で入れる事が必須です。「ホテル 新宿」という言葉を入力した人はそのユーザーが情報探索を行う上でそれが回答を引き出せると判断した言葉であり表現です。出てきた回答(=検索結果)の中から情報を見つける際にもその言葉は質問者たるユーザーには特別な言葉になるため、絶対に入れるべきなのです。「ホテル 横浜」ならタイトル文に「ホテル」と「横浜」は必須であり、「Hotel」「YOKOHAMA」は表記が異なるため適切ではありません。

提供するWebサイトの情報や業種、利用されるキーワードが多様な場合はこの考え方が効果的に機能してきますので、是非覚えておいて下さい。






執筆者:渡辺隆広(わたなべ・たかひろ):1997年より検索エンジン業界の仕事に従事。アイオイクス株式会社チーフアナリスト、ACWS JAPAN SEMアドバイザー。現在は検索エンジン市場の最新動向および分析を中心に活動を行う。インターネットマガジンにて「勝手に診断 企業サイトのSEO」連載中。著書に「検索にガンガンヒットするホームページの作り方」がある。


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