スタイルシートで<H1>のフォントサイズや改行を制御することが検索エンジンスパムだと思っている人が多いようなので、話をまとめておきます。
雑誌や書籍によってCSSによる<h1>のサイズ変更の扱いがスパムか否かで異なるようですが、以下の理由によりこれは全く問題ありません。以下、書籍より一部抜粋。
検索エンジンはある特定の行為を検索結果を不正に操作するものであり品質を損ねるものだとしてペナルティを科す場合、それを実施するための合理的な理由が必要です。そうでなければ全く悪意のなく通常のWeb制作業務の結果発生した作品が検索エンジンに登録されない自体も生じるからです。日常的にWebサイト制作において行われていることが不当な扱いを受けることはないということです。
これを踏まえて次の理由により CSS と <h1> の関係を説明できます。
- CSSで<h1>サイズを変更することがスパムと判断される可能性があるとする根拠は、本来の表示サイズよりも小さく表示するからという。
- しかし何を基準に「小さい」と判断するのか不明。なぜならWebを閲覧する端末により実際に表示されるフォントサイズは異なるものであり、従って"小さい"と判断することはできない。
- 標準サイズが存在しない以上、検索エンジンは単に”小さい”という理由だけで検索エンジンスパムとすることはない。もし基準の不明瞭な”小さい”という基準でペナルティを科すのであれば、それこそ検索エンジンを不正に騙すことを全く意図していないページすらインデックスから排除しかねず、検索の利便性を落としかねない。
- もしCSSでフォントを"小さく"することが不正行為だと判断するのであれば、<h1>に限らず全ての要素内におけるフォントサイズを"小さく"することができなくなるしそう考える方が妥当だ。しかし文書の構造と視覚表現を分離して後者をCSSで記述することが推奨されるような現状において、検索エンジンがCSSのみを問題と判断してそれによる制御を排除する合理性はない。検索エンジンがペナルティを科すにはそれ相応の合理的理由が必要であることは先に示した理由の通り。
- 検索エンジンにとってはむしろ視覚表現はCSSによって分離・記述された方が歓迎。なぜなら視覚表現はCSSによって記述されれば余分な(検索エンジンにとって意味のない)タグは文書上からなくなるからである。この点からも検索エンジンがCSSで"小さく"することが問題とみなす根拠が求められない。
- CSSによるフォント制御に問題がないことは既に多くのWebによって証明されている。現在のMovableTypeをはじめとする多くのCMSではCSSによってフォントサイズを小さくしていることがあるがペナルティは科されていない。この事実だけでもCSSによるフォントサイズ制御のペナルティが科される可能性は十分に否定できる。
- もしCSSによる<h1>サイズの変更がペナルティになることが正とすれば、検索エンジンは<h1>だけを例外事項として取り扱っていることになる。しかし<h1>タグだけを特別扱いする理由、つまり<h1>タグのサイズをCSSで変更されると検索品質が落ちるとする妥当性はない。
- なお、CSSによってフォントサイズを人間が認識できないサイズにして表示することは隠し文字テキストという別の理由によりペナルティが科される。これは「検索エンジンに対してのみ読ませることを前提としている行為である」とする合理的な理由がある。
H1とCSSの問題を論理的に説明すると以上のようになります。
検索エンジンスパムになるか否かを自分で判断するコツは、まず自分が検索アルゴリズム開発者側の気持ちを考えること。次に、ある事象をスパムと仮定した時の、その判断基準をWeb全体に広げたときに悪意のないページも削除されかねないかどうかを考えることです。ただ、その(検索会社の)”気持ち”を考える時に主観が入りすぎないように注意して下さい。
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