「検索エンジンは、非現実的な設定に基づいている。あらゆるリンクを投票とみなしているが、実はそのリンクは売買されているのだ」とボーザー氏は指摘する。(グレッグ・ボーザー、ウェブゲリラ、『SEO企業による検索ランキング操作の実態(上)』 Wired News 2005年3月17日 2:00am PT)
原文は次のページにあります。
Search Rank Easy to Manipulate Part 1 [Wired]
Search Rank Easy to Manipulate Part 2 [Wired]
グレッグ・ボーザー氏の記事は、「リンク売買」の是非について論じています。SEOにおける「リンク売買」について意味がわからない人も多いでしょうから解説をします。
世界における主要な検索エンジンであるGoogle、Yahoo!(YST)、MSN Search。この3つの検索エンジンのアルゴリズム上の特徴は、ページの重要度を判断する際に外部リンクに大きく依存しているという点です。特にGoogleはその傾向が顕著であり、とりわけリンクのアンカーテキストとそのリンク先ページが強く結び付けられます。例えば私があるサイトに対して、外部リンクを10,000個はり、そのリンクの全てのアンカーテキストを「SEO」とすれば、きっとそのサイトはSEOで検索した時に上位 - 1〜5位以内に表示されるでしょう。google.co.jp でseoと検索すると、忍者システムズさん( http://www.shinobi.jp/ )やNTTデータキュビットさん ( http://www.sem-seminar.com/ )のサイトが上位に出ていますが、こうしたサイトは外部リンクを多く獲得したというよりも、アンカーテキスト「SEO」を含むリンクを多く獲得したことが大きな要因となっています。
Googleが最もシェアが高いこと、そのGoogleのアルゴリズムはアンカーテキストとの結びつきに比重を置いているという現状を踏まえれば、検索上位に表示したいと考えているウェブマスターは何とかして都合のよいアンカーテキストを持った外部リンクを獲得する方法はないものかと考えるわけです。
その一方、世の中にはサイト運営を継続するために収入源を確保したいと考えます。大手メディアであればともかく、決してメジャーではないサイトであれば全てのページの広告枠を埋めることは大変です。何とかその空きスペースを活用できないものかと考えます。特にそれが中小企業や個人であれば小遣い程度でも収入がほしいでしょう。ところで運営者の規模にかかわらず、人気サイトを運営していればそのサイトのPageRankは高いものです。
ここでリンク売買の市場が生まれます。収入源がほしいウェブマスターは「私のPageRank○のサイトからのリンクを1つ○○○円で売ります」といい、外部リンクがほしいウェブマスターは「アンカーテキスト○○○で、しかもPageRankができるだけ高いサイトからリンクが○個ほしい」というわけです。こうしてリンク売買の取引が行われるわけです。
米国にはリンクブローカーと呼ばれる、こうした「リンクを売りたい」「リンクを買いたい」人を結びつけるマーケットプレイスのようなサイトは数多くありますし、Wired Newsの記事で触れられているChristian Science Monitorのように表向き決してSEOうんぬんのことは言いませんが「テキストリンク広告」という(SEOに詳しい人ならその真の効果がわかりますけれど)一種の広告として販売しているサイトもあります。
以上がリンク売買の説明でした。グレッグ・ボーザー氏は、インターネット上でウェブを結び付けている全てのリンクは「相手(リンク先に)価値を認めたことの証」とみなした上で検索アルゴリズムを設計しているのに、現実の世の中はそうではないのだ、と指摘しています。
(続く)