GoogleとYahoo!の期限切れドメインのリンク評価の取扱い

GoogleとYahoo!の有効期限切れドメインにおけるリンク評価の取扱について。GoogleとYahoo!の相違。自社のブランドや商品名を冠したドメインを悪用されることにもなるので、企業は知的財産の観点からドメインの保護に対する意識を高める必要あり。


2009年04月22日 16:39 | SEO(検索エンジン最適化) | TrackBack (0) |

【Googleの場合】
Danny Sullivan氏が運営するSearch Engine Landにて、有効期限が切れたドメインが得ているリンク評価の取扱についての記事が掲載されています。日本でも中古ドメインなどの呼び名で過去に使用されていたドメインの売買が行われていますが、有効期限切れドメインを再取得した際のリンク評価の取扱について整理します。前保有者が運営していたときに獲得したリンク及びその評価は、再取得後の保有者のサイトに引き継がれるのか? Google Matt Cutts氏の説明は次の通り。

There are some domain transfers ( e.g. genuine purchases of companies) where it can make perfect sense for links to transfer. But at the same time it wouldn’t make sense to transfer the links from an expired or effectively expired domain, for example. Google (and probably all search engines) tries to handle links appropriately for domain transfers. [...] The sort of stuff our systems would be designed to detect would be things like someone trying to buy expired domains or buying domains just for links. Do Links From Expired Domains Count With Google?, Search Engine Land, Apr 20, 2009]

基本事項。検索エンジンは利用者が入力した検索クエリに対して、適切な、関連性が高いウェブページを表示したいのであり、その決定にあたり本来評価すべきでない、評価することが利用者の利益に適わない類のものは除外したいわけです。

さて、ドメインのwhois情報を書き換える際は、会社の合併・解散に伴うドメイン譲渡、経営上の問題によるサイトの譲渡、引越しや会社名変更による名義・住所・連絡先メールアドレス変更など、正当な理由を伴うことが多いのも事実です。こうしたケースにおいて、whois情報が書き換わった、ドメインが譲渡されただけという理由で過去に得ているリンクという人気投票の評価を無効にしてしまうことは、適合する検索クエリでそれらのサイトが探せなくなってしまうので検索利用者の不利益になります。もちろんGoogleはこうした不合理を回避したいですから、こうしたケースでドメインが過去に得ていたリンク評価を無効にすることはありません。

次に、ドメインが失効し、一定の期間、所有者が存在せず、ある日誰かがそのドメインを取得してサイトを立ち上げた場合。この場合はDanny Sullivan氏の考え通り、それら過去のリンクを新しい所有者によって立ち上げられたサイトに引き継ぐに値する合理的な理由がありませんので、おそらくリンク評価は引き継がれないでしょう。

また、ドメイン(サイト)を譲渡してもらい、新しい保有者が従来どおりサイトを継続運営した時、あるいは、会社のM&Aなどによりドメインを取得した場合は、これもDanny Sullivan氏の説明どおり、リンクは引き継がれます。ドメイン譲渡や買収により、『かつ運営サイトコンテンツが継承されていれば』、そのままリンク評価を引き継ぎます。

冒頭で触れたように、検索エンジンはユーザが探し求めるサイトを適切に検索結果を通じて提示することを目的としていますから、コンテンツが従来と変わらない以上は過去に得られたリンク価値は所有者の違いに関係なく引き継ぎ、それに基づいてランク付けしたほうが検索利用者の利益に適います。

おそらく、リンク評価の引継ぎ有無は、whois情報だけでなく、サイトコンテンツなどその他の要因と複合的にとの照らし合わせで最終的に決定していると思われます。単純にwhois情報うんぬんや有効期限切れの有無ということで判断しているわけではないでしょう。

「whois情報を書き換えるとPageRankがゼロになるので、ドメインを書き換えてはいけません」「ドメイン所有者名義を制作会社やレジストラにしておくと将来困るから、自分の会社名義にしておくこと」などと説明をしているコンサルタントの話を耳にしたことがあるのですが、そんなことはありません。

【Yahoo!の場合】
Yahoo!(Yahoo! Search Technology、YST)は、このような有効期限切れしたドメインを第三者が再取得した時の、過去に得ているリンクの評価取扱について特別な調整は行われません。たとえば、ここに100万本のリンクが張られている8年前に失効したドメインがあるとしましょう。今日、私がそれを取得して新規にサイトを立ち上げると、その100万本分のリンク評価を最初から得たサイトが出来上がります。

Yahoo!は有効期限が切れたドメインを再取得したとき、そのドメインに張られているリンクの評価をそのまま引き継ぐことができます。だから中古ドメインビジネスというのが成立するのです。

ところで、環境・自然エネルギーなどに関連付けたイベントやキャンペーン、博覧会、サミット、組織団体など、官公庁や行政が運営に絡んでいて、かつ運用期間があらかじめ決まっているサイトのドメインというのは、このYahoo!の脆弱性を悪用する手段の標的となります。こうした政府がらみのサイト(ドメイン)というのは大抵、数多くの価値の高い自然リンクが張られていることが多く、有効期限が切れるのと同時に再取得することで、非常に(SEO的に)強力なサイトを構築することができます。

最近は会社のM&Aなどに伴い旧社名や解散・破産した.co.jp ドメインを使ったアフィリエイトサイトがYahoo!の検索結果の上位に出現しているのをよく見かけます。中には会社や商品がまだ存続しているにもかかわらず(大手企業がキャンペーン用に取得した商品ブランド名を冠したドメインを、キャンペーンが終了したからという理由で手放したことが原因と考えられる、某飲料系メーカーや、某有名外資系ホテルとか)そのドメインで全く関係ないコンテンツでアフィリエイトをしていることもあります。このあたりは欧米企業なら検索エンジンにおけるブランド保護の観点で法的措置に乗り出してくるものですが(手軽なところなら、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の手続きでGoogle SERPから該当サイトを削除するとか)、日本企業はこの検索エンジンにおける知的財産やブランド保護に関する意識が低いのでしょうね。








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