Yahoo! + MS BingによるSEO、検索マーケティングへの影響について

マイクロソフトBingがYahoo!JAPANに採用された場合、Bing日本版が投入された場合の検索マーケティングやSEOへの影響。SEOのアプローチは基本的に変わらず。Yahoo!に特化したスパム的なSEOは当然ながらコア検索技術が変わるので無効に。


公開日時:2009年08月04日 21:33

MicrosoftとYahoo!の提携合意発表後、Microsoft Bing(ビング)の検索技術や広告配信プラットフォームadCenterについて尋ねられることが多くなってきましたので、適当に現在の見解についてまとめます。

※ 2009年8月1日時点の両社の公式発表、カンファレンスコールの内容、両社幹部の発言やコメント、インタビューの内容など、現時点で得られた情報に基づいた私の個人的な見解となります。※

・SEOとは「サイトと検索エンジンの親和性を高めるためのサイト構築技術」、つまりコンテンツの内容や重要度を検索エンジン(機械)が適切に認識・理解・評価できるようにするための技術です。

検索エンジンがYahoo!、Google、百度、NAVER、Bingいずれであってもこの本質は不変ですから、Yahoo!JAPANの検索エンジンが(仮に)Bingに変更になったとしてもSEOのアプローチは大筋、変わりません。タイトルを具体的に明確に記述する、機械(検索エンジン)が理解しやすいように配慮したコンテンツを作成する、良質なリンクを獲得する、自然にリンクが増える仕組みを作るなど、大原則をきちんと理解し実行していれば問題ありません。

・もっとも、YST / Yahoo! JAPANのアルゴリズムの脆弱性を突いた、ブラックハット的なSEOで検索上位を独占するような手法を採用してきたサイトは、Bingに切り替わるのを機にその手法を改めるべきでしょう。

・コア検索技術がBingに変わることで、Yahoo!カテゴリ掲載の重要度は相対的に下がると予想されます。BingやGoogleは、Yahoo!JAPANほどYahoo!カテゴリ掲載を重視しないためです(※ Yahoo!ブランドでの検索結果においてチューニングされる可能性もありますが、現在ほどウエイトを置かないのではないか?)。

・現時点のBing日本版は、ブランドこそBingですが中身はお世辞にも完成度が高いとはいえない旧来のLive Searchです。現在の"実質Live Searchな"Bingを見て検索精度が悪いとか検索順位が高くてうれしいとか一喜一憂しているのは無意味なので注意。将来登場するであろう、Bing日本正式版が出てから評価してあげましょう。

Bingの様子を見たければBing米国版を試して見ましょう。SEOに興味がある人は、「nintendo ds」「sony cybershot」「kyoto」などで検索して検索結果を眺めてみてください。Bingはこれを「カテゴリーサーチ」と呼ぶのですが、画面左側の動的にナビゲーションを生成するExplore Paneや検索結果をグルーピングするWeb Groups、検索結果をカテゴリ毎に分類して見出し表示するQuick Tabなど検索を便利にする機能によって、検索結果のプレゼンテーションの方法がGoogleやYahoo!とはまったく異なります。特定の検索クエリで順位を上げるというアプローチが必ずしも適切ではなくなるということが理解できるでしょう。

・ところでBingのウェブグループ機能は、検索結果の多様性(diversity)を維持する役割もあります。従来の検索エンジンの表示方法 - 検索結果1ページにつき10件の候補リンクを表示する方法だと - たとえば「クレジットカード」「FX」「キャッシング」などで検索すると、比較系のアフィリエイトサイトが検索結果を占拠しており、それらを提供する会社のサイトが表示されないということがあります。あるいは、特定の会社によってSEO目的作成された、多数のスパム的サイトによって検索結果を独占されているケースもあります。

Bingのカテゴリーサーチというアプローチはこうした問題を解決して、ユーザに多様な選択肢を与えます。Bingはこれら似たようなアフィリエイトサイトは、たとえば「比較」などのグループでひとまとめにして、検索結果にはクイックタブ「比較」と3件のみを表示するようにしますので、類似した(このケースならアフィリエイトサイト)サイトで占拠されるということはないのです。

この検索結果の表示方法は検索利用者にとってありがたいですし、(クレジットカードなら)VISA、Master、AMEXなどカード事業者の公式サイトも検索結果に表示されやすくなりますのでメリットがあるでしょう。一方で、検索エンジンからのトラフィックを獲得したいサイト運営者の中には、頭を抱えてしまう方も出てくるはずです。

・今回のヤフー・マイクロソフトが提携する検索事業の「検索の範囲」とは『ウェブ検索、ビデオ検索、イメージ検索』の3つです(Yusuf Mehdi、Microsoft SVP、2009)。それ以外の検索は独占契約に含まれていないとのこと。仮にYahoo!JAPANのアルゴリズム検索にBingが採用されたとしても、Yahoo!プロパティ(旅行、地域情報、グルメ、ブログ、地図など)の検索技術もBingが採用されるか未知数。Yahoo!JAPANのすべてをBingに置き換えるとは考えづらいので、NEC BIGLOBEやgoo、米AOLがGoogleをベースに自社(サードパーティ)の検索サービスを拡充させているように、米Yahoo!(Yahoo!JAPAN)もBingと自社のサービスを組み合わせて、Yahoo!独自のユーザエクスペリエンスを維持した、保有するプロパティとその資産を最大限に活かしたサービスを展開することが予想されます。





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化)
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