最新ではない、最新SEO 2010

新年度特別企画。最新SEOとして紹介されているSEOの大半は、実は最新ではありません。最新と紹介される前に、自分で勉強する機会はいくらでもあります。


公開日時:2010年04月01日 11:54

私はSEOの記事を書くときに、「最新SEO」という切り口で紹介したことは過去にほとんどありません(書籍等で編集者が宣伝時にそういった文句を使うケースはあると思いますが)。なぜなら近年、巷で「最新SEO」として紹介される最適化手法の大半は、欧米含めたSEO業界にとって「常識」「過去のもの」だからです。

つまり、10年近く前にベストプラクティスとして推奨されているものを、今更「最新SEO」として紹介するのは私としては納得がいかないのです。さらに、あたかも「SEOには常に最新のテクニックがある」と皆さんに思われてしまうことは、本当に大事な継続的に行うべき施策を過去のものとして蔑ろにされることを危惧しています。あるいは毎年、「今年の最新テクニックは何ですか?」などと困った相談が増えてしまう結果に事実なっていることも歯がゆい思いです。

もちろん、検索技術の進化により、新たに生まれたSEO施策がないわけではありません。たとえば、それはVSEO(Video Search Engine Optimization)であったり、URLの正規化問題(canonicalization)が代表例です。これらはインデクシング技術の進化や、検索対象範囲の拡大によりもたらされたものであり、SEO系の話題でよく「最新」と称して取り上げられるリンク分析やページ分析に限ると、大半の話題は2004年時点で出尽くして議論もほぼ収束した話題です。

では、具体的に何が「最新ではない」のか。代表的な話題を、経緯を含めながら紹介します。

●外部リンクにおけるIPアドレスの分散化

IPアドレスが分散化されたリンクはSEO的に効果があるとして宣伝されることが多いですが、この話題は2004年春~夏時点で常識化しています。

経緯:2003年時点でSEOに携わっている方なら記憶しているであろう、「Googleフロリダアップデート(Update Florida)」。Update Floridaとは2003年11月のGoogle検索アルゴリズムの大幅アップデートを指す呼称です。

Update Florida は、数多くのウェブサイトの順位が大幅下落するなど、ウェブマスターにとって非常に大きな影響を与えた出来事でした。最悪なことに、Googleはこのアルゴリズム改良を2003年11月、つまりホリデーシーズン直前に行ったために、多くのコマースサイトで多大なる機会損失が発生しました。ニューヨークタイムズ紙などで、2万ドル相当のトラフィックを失ったというウェブマスターの悲痛の叫びが掲載されたのを今でも記憶しています。

ちなみに最近のGoogleは、ホリデーシーズン直前にアドワーズ広告の大きな変更やアルゴリズムのアップデートを行っていませんよね、これは当時の教訓から、ウェブマスターに配慮した結果です。

さて、話を戻します。このアルゴリズムの大幅変更があったときに、米国の多くのSEOエキスパートが様々な角度から変更点や対策について分析を行い、WebmasterWorld等のサーチ系フォーラムで活発な議論を交わしました。

その過程で、現在のSEOの基礎となる、様々なベストプラクティスや施策方法が生まれました。その1つが「Googleはリンク分析においてバックリンク全体の多様性を評価するようにしたこと」、「アフィリエイト(同盟・提携・仲間)同士のリンクの評価を減衰するなどの工夫をしているだろう」という話です。つまり、特定サイトから過度のリンクを受けないこと、外部リンク構築時には、多様なサイトからリンクが受けられる戦術を考えろという話です。

以上の経緯により、2004年の前半時点でIPアドレスの分散化は必須事項となりました。
従いまして、外部リンク構築時におけるIPアドレスの話は、全く最近の話ではありません。

●外部リンクにおけるドメインの分散化

外部リンクを受けるときは、多数の種類のドメインからリンクを受ける方がいい。これも先に触れたUpdate Floridaを通じて定まった、SEOのベストプラクティスの常識です。以下省略。

●外部リンクにおけるアンカーテキストの分散化

たとえば「転職」で上位に表示したいために1万本のリンクを受けるのであれば、7000本くらいはアンカーテキストが「転職」でも構わないが、他は表記を多様化させよという話。これもUpdate Austin / Update Florida を通じた2004年で決着がついているお話です。

同一アンカーテキストで過度に多数のリンクが張られていれば不自然なリンクに見えるからやめましょうねというのは基本事項です。

●1ページで多数のキーワード対策を行わない

1ページで多数のキーワードでSEOを行おうとすると、いずれのキーワードでも上がらなくなる。これは1999年時点の常識です。経緯もへったくれもありません。

●質の良いリンクを集めることが大事

数だけでなく、質も大事。これも2003年~2004年のAustin Update / Florida Update を通じた議論で結論が出ているお話です。以下省略。

●Yahoo!JAPANのなんとかペナルティ

原因を突き詰めると 20(ry

大抵の最新SEOは、最新ではない

以上、リンク分析系の話は、実は2004年頃に現在の主要な話題がすべて出尽くされています。現在、欧米でSEOの評価項目として挙げられるものの大半も、当時の議論を通じて皆で得られた成果なのです。


見方を変えれば、SEOの基本はここ6年、変わっていないことを示唆しています。もちろん、ソーシャルメディアの対応により外部リンク構築の戦略は変わりました。有料リンクという新しいイシューも登場しました。でも、ファンダメンタルな部分はやはり変わっていないのですよ。

「私は知らなかったんだから、私にとっては新しい、だからいいじゃないか」という反論もあると思います。でしたら米国Amazon.comで販売されているSEOの書籍1冊買えば十分です。英語が読めないのでしたら、Web担当者Forumで掲載されているSEOmozを読めばOKです。私が出している書籍を手にとっていただけるのなら、それでも事は足りるはずです。

最新SEOと呼ばれるものの大半は、最新ではなく、すでに世界のどこかに情報が掲載されています。誰かが最新の~と紹介してくれる前に、自分でそれを勉強してみたらいかがでしょう。材料は、あちこちに落ちているのですから。一通り勉強しておけば、最新~という言葉に惑わされなくて済むに違いありません。

cf.
もう使えない・古いSEO知識 2010





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化)


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