SEO:Googleが問題視する「低品質なリンク」って、どんなリンク?

再審査リクエストのための必要な手続きを行うために、問題のないリンクまで一生懸命削除してしまい外部リンクというデジタル資産を毀損している事例が確認されています。Googleからウェブスパムを指摘され、対応する場合に削除しなければならない低品質なリンクとは何かをきちんと理解しましょう。


公開日時:2013年06月04日 01:47

近年はGoogleがスパムリンクに対する取り締まりを厳しくしたこともあり、Googleからウェブスパム(特にリンク系)を指摘され、再審査リクエストを申請せざるを得なくなったサイトは増えています。Googleから通知を受け取った個人や企業の中には、自分にはSEOの知識や時間がないから(あるいは順位をとにかく簡単に1位にしたいから)外注した人たちもおり、必然的に、再審査リクエストの処理も外注で任せてしまうことが多いようです。

しかし、再審査リクエストにかかる処理というのは、簡単なように見えて、実は多くの専門知識やノウハウを要します。特に、リンクスパムを多用する、一部の悪質なSEO会社がすぐに対応できるほどやさしい仕事ではありません。

にもかかわらず、顧客からの要望が多いからでしょうか、十分な知識を持たずに、"Googleによる手動対策(manual action)や検索アルゴリズムによる順位調整(一般にペナルティを課せられた状態)"を回復させようとするために、目を覆いたくなるような対応をとっている事例がちらほら出ています。たとえば、検索エンジンが評価している自然リンクまで削除依頼をしてしまったり、ドメインを変更してゼロからサイト構築を提案する一部のSEO会社です。

今回は、いくつかの最悪の事例を見て私が感じ取ったことを1つだけ。もしかして、Googleからリンクスパムを指摘された場合に取り除くべき「低品質な、問題のあるリンク」とは具体的にどういうリンクなのか、全く理解していない人がいるのではないでしょうか。

例えば、私のサイトも一応、名前が掲載されている AMNパートナーブログ一覧のページ(http://agilemedia.jp/partner_list/)。このページは、リンクだけが大量に並べられており、文章らしきものはほとんど存在しません。各ブログのところを、順位を上げたいキーワードとサイト名に置き換えた姿を想像すると、このページはあまり良さそうには見えないと感じる方もおられるでしょう。

では、仮に私のサイトがGoogleから外部リンクの一部に問題があると指摘された場合、私はAMNに対して、先ほど挙げたページからリンクを削除するよう依頼する必要はあるでしょうか。

ありませんよね。しかし現実に、再審査リクエストを行うために、こうした"問題がないリンク"まで含めて削除を求めているケースがあります。とんでもないことです。せっかく、ウェブでの活動を通じて、あなたのサイトへの評価や信頼の証として獲得した自然リンク、デジタル資産の1つを削除してしまうことは大きな損失です。


評価しないリンクと、評価すべきでないリンク

再審査リクエスト時に要求される「低品質なリンクの削除」の低品質とは、『検索順位を不正に操作することを目的として設置されたリンク』であり、具体的には次のいずれかに該当するものです。

  1. リンク先サイトの検索順位を上昇させることのみを存在理由とするページに埋め込まれたリンク
    例) アメブロやFC2などの無料ブログにアカウントを開設し、リンクを埋め込んだ無意味なページを自動投稿することで順位操作のためのリンクを大量生産するスキーム、外国語で記述された文書中に日本語キーワードリンクを埋め込む行為、他サイトのコンテンツを無断でスクレイピングし、そのページの片隅に埋め込むリンクなど
  2. 第三者への金銭授受または利益供与の見返りとして設置されたリンク
    例) ペイパーポスト有料リンクアドバトリアルなど。投稿及びリンクを張ることが利益供与の条件となっているもの
  3. その他、実質的に検索順位を操作すること以外の客観的かつ合理的な理由が見いだせないページに埋め込まれたリンク
    例) 相互リンクという名の不特定多数との相互リンクページ、DMOZ のように数多くの複製がネット上に散在するディレクトリなど

例:順位上昇のためのリンク設置スペース以外の存在理由がないページ
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Googleにウェブスパム行為がばれてしまい、再審査リクエストの手続きをしている方は、『評価"しない"リンク』と『評価"すべきでない"リンク』の違いを理解して下さい。Googleが問題とするのは、後者です。


「評価しないリンク」:Googleがシグナルの1つとして活用するが、リンク先ページの重要度判断に影響しないリンク。自然発生的に生まれたリンクであっても、その全てが均一の評価を受けるわけではありません。Google PageRank が説明する通り、人気が高いページからのリンクと、そうでないページからのリンクは、評価を分けるべきです。検索エンジンは、リンク先ページの重要性を判断するシグナルとして、1つ1つのリンクを文脈や歴史、関連性など様々な要因を考慮しています。結果として検索エンジンが"あまり評価しない"と判断するリンクが出てくることは致し方ないことですが、それをウェブマスターが憂慮することでもありません。たとえば先に紹介したAMNパートナー一覧のリンクは、その一覧に掲載された数やその形式的に、決して(リンク先1つ1つのサイトにとって)価値が高いとは言えないでしょうし、見方によってはスパム的な性質を帯びていると判断するかも知れません。しかし、AMNは彼らの事業的に必要があって作成したページであり、少なくとも故意の順位操作が目的で用意されたものでないことはわかるでしょう。

Googleが評価しないリンクは当然、ありえます。しかし、その1つ1つのリンクを、Googleの検索結果に引き続き表示されるために削除を求める必要はありません。


「評価すべきでないリンク」:Googleがシグナルとして用いたくないリンク。リンク先ページの重要度計算において一切の影響を与えたくないリンク。検索順位を操作する目的で設置されたリンクは、その文脈を問わず、本質的に評価すべきではありません。不正な順位操作を許すことは、最も優れた検索結果を提示するという検索の理念を脅かす行動であり、Google(やその他検索エンジン)は排除しなければなりません。従って、この種類のリンクは自動的にアルゴリズムで無効と扱うか、あるいは悪質なケースでは、その行為を実行したウェブマスターまたはその者から依頼された第三者に対し、リンクを取り除く(さもなくば検索順位を調整する)よう要請することになります。

順位上昇目的で敷設されたリンクは、そもそも「評価すべき」ではありませんので、こういった行為を行うことはリスクが伴うことを理解しなくてはなりません。


cf.
Google 再審査リクエストの書き方

[再審査リクエスト] Googleから警告文が届いた場合の、正しい対処法

Googleに申請する方は、上記記事を参考にして下さい。


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この記事を書いたきっかけは、大手企業さんで実際にあった事例です。同じドメイン上に「良いリンク」「グレーなリンク」「ブラックなリンク」が混在している状況で、ブラックなリンクだけを削除するのは多くのコストが伴うことが予想され、面倒そうな案件であることは確かです。客観的に見て、どのSEO会社も、積極的には受けたくないであろうタイプのお仕事であることは間違いありません。

私が理解できなかったことは、当事者が前者2つのリンクまで含めて丸ごと削除してしまう確率が極めて高い方法を選択したことです。もし私が担当者であれば、諸悪の根源であるスパムリンクを埋め込んだSEO会社を問い詰めてブログ群丸ごと削除させるか、and条件にして問題のありそうなリンクの絞り込みをかけて個別に依頼するか、あるいはホワイトリストを先に作成してからとりかかります。

おそらく「リンクは取り外し自由なものである」という発想から生まれた仕事であり、「リンクは顧客の重要なデジタル資産である」という理解がないのでしょう。後者の認識があれば、顧客のためにもっと優れた解決策を採用するはずです。





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化)



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