SEO:コンテンツの文字数や更新頻度は本当に関係ないのか?

Google の説明は正しい。正しいのですが、SEO の業務を遂行する上では(特に企業内のSEO担当者として動く場合は)更新や文字数、ページの長さをどのように制御するのかを結局考えないといけないので、SEO の考え方の話と、業務の話は分けなければなりません。


公開日時:2014年05月19日 20:30

コンテンツの文字数や更新頻度は検索順位に関係ないのはその通り、しかし「SEO の業務推進上は」きちんと定義しないと危ないですよいう実務上のお話です。

文字数や更新回数は検索順位に関係ない、問われるのは品質

「1日に3~4記事を追加している。1記事あたり200~300ワード程度なんだけれど、最小文字数は300ワード以上と聞いた。最大文字数(長さ)についても知りたい」という質問に対して、米Google・John Muller氏(Webmaster Trends Analyst)が回答したのが以下の通り。

There's no minimum length, and there's no minimum number of articles a day that you have to post, nor even a minimum number of pages on a website. In most cases, quality is better than quantity. Our algorithms explicitly try to find and recommend websites that provide content that's of high quality, unique, and compelling to users. Don't fill your site with low-quality content, instead work on making sure that your site is the absolute best of its kind. Cheers John [...] [...] If you write low-quality content (short or long), then yes, our algorithms and even our manual webspam team may choose not to trust your website. [...] Yes. If the overall quality of your website is low, then that's going to be reflected. [...] Update frequency isn't what matters, your website just needs to be fantastic overall. [John Muller, Google, does short content treat as low quality contnet, May 10, 2014]

要約すると『推奨される最少の文章の長さもないし、1日あたりの最低投稿数などもない、ウェブサイトに用意すべき最低ページ数もない。必要なのは、数量ではなく品質である。われわれ Google のアルゴリズムは、高品質で、独自性があり、魅了するコンテンツを提供するウェブサイトを探し出すことである』。

要は Google が再三繰り返すように「ユーザーに有益な、役立つコンテンツを提供することを心がけよ」ということです。以上のことを大前提として、企業内のSEO担当者(インハウスSEO担当者)が勘違いしそうな点について、補足をしたいと思います。

『問題なのは品質であって、文章の長短は関係ない。更新頻度も関係ない」全くその通りなのですが、インハウスSEO担当者はこの発言の趣旨・意図をきちんと理解して、それを社内にどうオペレーションとして落とし込むのかを具体的に考える必要があります。


情報の充実性や更新性は品質を決定する要因になる

ページの長さや文字数、更新頻度(内容変更頻度)は(順位とは関係なく)問題ではありませんが、同時にこれらは品質を決定する要素でもある、という点に注意しなくてはなりません。つまり、SEO の運用上は、どの要素が品質に影響するかを見極めた上で、更新作業を意識する必要があるということです。

具体的なサイトを挙げてイメージしてみましょう。

A) 例えば、あなたが歴史上の人物データベースのサイト、たとえば「織田信長」「武田信玄」「黒田官兵衛」といった人物を紹介したサイトを構築したとしましょう。この場合は、それぞれの人物について詳細に、彼らの功績に触れつつ、生涯について記述し、関係する人物に触れながら本文を書いていけばよいわけで、充実した情報を提供していくことを心がけるでしょう。たとえば徳川家康についてたった3行で説明できるわけではありませんから、きっと膨大な文章量になるはずです。一方で、一度書きあげてしまうと、更新する頻度はそれほど高くないでしょう。ある人物についての新たな事実が判明した場合にそれを書きくわえていく程度で、来訪者により最新の、歴史学上もっとも有力な説を提供することが「品質」担保に繋がるに違いありません。

逆に、(例えば徳川家康について)全く新説や新発見がないにもかかわらず、毎日何かしら変更・更新作業を行ったとして、それらの作業の結果はユーザーに新しい付加価値をもたらすといえるでしょうか。ユーザーにとっての品質とは「情報の有益性」ですから、世間的に何の変化ももたらしていない話題について更新を実施することは、何の意味もないでしょう。

B) 一方で、プロ野球の試合結果速報サイトを考えてみてください。2月下旬からオープン戦が始まり、3月下旬~4月上旬に開幕を迎えて、最後の日本シリーズの10月下旬~11月上旬まで、試合が続きます。こうしたサイトで更新を怠ったら、ユーザーにとってそれは有益な情報といえるでしょうか?サイトを訪れても2009年8月の試合結果しか掲載されていなかったらガッカリすることでしょう。このサイトの場合、シーズン中は(試合が開催された日は)1回以上の更新を行うことが、結果的にユーザーに提供するに足る「品質」を満たしたことになるに違いありません。実際にシーズンが進んでいるのですから、進行にあわせた情報を提示することが品質を表します。

C) 今度は Matt Cutts(マットカッツ)氏の発言をまとめたサイトを運営しているとしましょう。同氏は最近、少なくとも1週間に1度は YouTube 上に SEO・検索関連の QAビデオを公開していますから、1週間に1回、彼の最新のコメントを紹介していくことは、最新情報を継続提供するという意味で来訪者に対する「品質」を提供することともいえます。しかし一方で、Google は決して、目新しい発言をしているわけでもありません。結局言いたいことは「小手先に走るな、コンテンツを磨け、品質を担保せよ」なのですから、そういった本質を押さえた充実した情報をペラ1枚でまとめることもまた、品質と言えるかも知れません。


SEOの業務推進上は更新性を定義する必要があるかもしれません

…何を言いたいのかというと、扱うコンテンツの性質にあわせて、要求される更新頻度やその重要性は変わりますし、そのバランスによってもまた「品質」は決定されるということです。自然検索流入の最大化を図ることを SEO の重点に置くならば、こうしたコンテンツの運用もまた重要になってきます。しかし、SEO の知識のない部門やチームやコンテンツ編集にかかわっていると、必ずしも SEO 側が期待する形で運用が行われないことがあります。なぜなら、コンテンツ編集部門・チームの目的と、SEO部門・チームの目的は必ずしも相いれないことがあるからです。たとえば、SEO側の人間が希望するアクションが、運営側の人間にとって優先順位が低いことはよくあります。

インハウスSEO担当者はオペレーション上、Google の主張と矛盾する内容であっても、「更新頻度」や「文章の長さ」「文字数」を指定してあげないと、本来意図した SEO が推進できなくなる恐れがあるということです。Google が主張する、その「品質」を定義する具体的要件(文字数、長さ、更新頻度、キーワードの使い方等)に分解したうえで1つ1つ指示を出すようにしないと、SEO がよくわかっていない他部門・チームの人は、あなたが本来期待していた通りには動いてくれないことが往々にしてあるのです。

実際にあった事例を紹介しますと、「キーワード●●●(※ 激戦キーワード)の順位改善のためにコンテンツを毎日1つアップしてくださいといわれた結果、毎日(業務と全く関係ない)天気やランチの話を数行だけ適当に書いてアップしてた」とか「コンテンツを追加してと言われたチームが、1週間くらいの間にまとめて50ページくらいアップして、そのあとはほったらかし」など、確かに指示通りに動いているけれど SEO 的には「そうじゃないよ!」といいたいわけです。

先に挙げた具体例でいうと、B のケースのように目に見える形で「プロ野球シーズン」というものが動いており、「毎日の試合速報を掲載せよ」というサイト運営上のルールを設定することで結果的に要件を満たせるようなものは楽なのですが、現実はそうではありません。通販サイトや旅行サイトの場合、「どこを、どの程度、更新したら Google が述べる品質を満たせるのか」悩んでしまうのではないでしょうか。C のようなケースは難しいですよね。都度発言を紹介することも品質ですし、彼らの趣旨・意図を詳細に説明したストック型ページもまた品質です。


Google の説明は正しい、しかし・・・

Google はウソを言っているのではありません。全くの正論です。文字数や更新頻度など問題ではないのです。原則論としてその通りなのですが、ただ同時に、社会の要求・需要にあわせて情報を更新することもまた品質を表す以上、インハウスSEO担当者の責任として、SEO の業務推進上、更新をどのようにオペレーションとして社内に根付かせるのかは結局考えなければいけません。 SEO って難しいですね。

※ この辺りの具体的な事例は5月27~28日のセミナーで紹介する予定

似たような問題として、外部のライターさんに文章作成をお願いするケースが挙げられます。文字数やキーワードの出現回数、位置など、SEO 上は全く関係ありませんが、こうしたケースでは、私は(SEOには本来関係の無い)指示を出します。指示を出さないと、トンデモナイものが納品されてくることがあるからです。


#
最近だと「Apple の新製品発表会」前後を観測しているとわかりやすいのですが、やはり最新情報をどんどん出してくるメディアの検索結果での露出はすごいのです。あとは、リアルタイムで刻一刻と変化していく出来事があった時の検索結果を観察して頂くとよいかと。通販、不動産、金融、旅行などのカテゴリで(ビジネスに直結する話題で)リアルタイムに変化するものはそうありませんが、とはいえ、たとえば旅行のトレンドや話題が1年中全く変わらないということもないですよね。ニーズに変化があるなら、相応に新規ページを追加する、更新するなど行った方が結果的に良い場合もあるわけで。

#
なぜこういう記事を書いたのかというと、「SEO を理由にして生まれたコンテンツ企画プロジェクトというのは、作成して終わり、ほうったらかしになる」ことが少なくないからです。SEO の手段としてのコンテンツの(とりあえずの)用意という発想で生まれてくるので、運用(随時更新)という仕事が抜けちゃうんですよね。でも現実的に、SEO 側から働きかける仕事があるのも事実。となると、SEO 上は関係なくても SEO の要件を満たすために細かな指示 - それが結果的に SEO とは関係ないと言われる事柄であっても -- を出さなければ期待する成果が上げられないかもしれません。





記事カテゴリ:SEO(検索エンジン最適化)



他の検索・SEO 関連の記事
新刊:ネットショップSEO 2014発売されました(2014年5月)
グーグル、モバイル検索結果に AMPへのリンクを表示開始
金融商品の比較検討ができる Google Compare が2016年3月終了
ウィキメディア財団、検索開発のために250万ドルの資金援助受ける、「Google対抗」報道を否定
Facebook、4月12日から Instant Articles をすべてのパブリッシャーが利用可能に
Google、ウェブ検索結果右側の広告枠を廃止へ
Google、AMPページを検索結果にカルーセル形式で表示
Google検索、AMP対応を2月24日に開始、検索結果に表示へ
2016スーパーボウル、検索の82%はモバイルから Google発表
Google 検索結果のナレッジグラフカードが編集可能に
米Google、モバイルの旅行検索を刷新
「SEMリサーチ」トップへ戻る




免責事項:SEMリサーチは、本記事中で触れている企業、商品、サービスの全て(情報)について、有用性、適合性、正確性、安全性、最新性、真実性に関する一切の保証をしておりません。各自の判断でご利用下さい。