商用サイト専門検索サービスに求められるものは何?Zubaken.net の現状を題材にして考えてみる。
本日掲載したニュースに Zubaken がありますが、これに関して少し事業戦略の観点から少しコメント。
いまこのコラムを読んでいる皆さんの中で、どれだけの方が Zubaken を利用したことがあるだろうか。Zubaken は昨年7月1日に日本で初めて入札型の概念を導入した有料の広告型検索サービスであり、それなりの注目度があった。しかし、現在のところそれほど利用者が増えているわけでもなく、日本市場では後発であり競合関係となる Overture や Google Adwords広告に大きく水をあけられている状況である。
Zubaken は”商用サイト専門検索サービス”というポジショニングを行おうとしているはずなのに、実際にはページ検索の導入、一般の検索エンジンと何ら変わらぬインターフェース、メディア力がほとんどない提携先への検索サービスの提供・・・・と、ポジショニングが非常に曖昧になっている点が現在の低迷を招いている要因の1つであると思われる。
検索サービスの最終顧客はあくまで「情報探索のために利用しているユーザー」であるはずなのに、Zubaken はどちらかというと「広告主」の側しか見ていない。例えば”4Pロジック”による掲載順位の決定はあくまで広告主のものであってユーザーの為のものではない。4Pロジックで順位が決定づけられても、それが本当にユーザーに対して目的とする情報への到達を手助けしているのか。”商用サイト専門の検索サービス”という立場において、どのようなインターフェースの検索結果データを表示する事が望ましく、かつ”一般の”検索エンジンと差別化できるのか、という点をもう一度検討する必要があるのではないだろうか。
Zubaken はリリースされてから1年経過し、この間に様々なシステム改良やリニューアルを行ってきている。しかしその中で、ユーザー側のユーザビリティ・エクスペリエンスを向上させるようなリニューアルはほとんど行われてこなかった。
『商品やサービスの購入を検討しているユーザーに対する検索エンジン』であるならば、消費者の関心の高い価格軸における検索データの変更 - 例えば”価格が安い順””送料が安い順”あるいはユーザーが設定した価格帯での販売を行っているサイト一覧といったようなデータを提供する等、いくらでも工夫する余地はあるはずである。
コンセプト自体が間違っているわけではないのだから、あとは努力次第でいかようにも現状を改善できるのではないだろうか。