米Google が PPC広告プロバイダーの米Sprinks を買収。About.com へのコンテンツターゲット型広告(Contextual advertising) の配信契約も合意に達した。
米Google がメディア企業米PRIMEDIA社のPPCリスティング配信を行うSprinks事業を買収すると共に、About.com へのコンテンツターゲット型広告配信の契約について合意したことが発表された。Sprinks の買収金額は明らかにされていない。About.com への配信契約は4年間。
今回の契約により、Google は About.com と PRIMEDIA社のネットワークに対してキーワード及びコンテンツ・ターゲット型広告を配信する唯一のプロバイダーとなり、15万以上のGoogleの顧客は About.com ユーザーという新たな顧客にリーチすることが可能となる。
米PRIMEDIA社はNew York magazine誌などを媒体に持つメディア企業。Sprinksは About.com を始め中小のポータルにPPC広告を配信する中堅プロバイダー。About.com は 4500以上のトピックに分類されたディレクトリーサイト。
PRIMEDIA's About Links With Google for Targeted Advertising [PRIMEDIA Press Release]
http://www.primedia.com/pr/press/googlerelease102403/
[解説]
Sprinks は米About.com を始め CNET や MSNBC、Excite 等の検索サービスに有料リスティングを配信する"keyword sprinks"サービスやコンテンツ連動型広告(コンテンツターゲット型広告)の "content sprinks" などを提供しており、Overture の "Content Match" や Google の "AdSense" と競合する有力企業でもある。
Google はこの競合企業を買収することにより、連動型広告市場における競合企業を1社減らしつつ自社の配信ネットワークに加え、拡大させる事に成功した。
今回の Google による Sprinks 買収は、同社のAdWords 及び AdSense を地域ターゲティング広告へと発展させるための戦略の一環という見方もできる。というのも Sprinks は特定地域への広告配信が可能な "local sprinks" という技術のテストを行っていたからだ。米Overtureとの競争を優位に進めるためにも、他社の技術資源を獲得して事業展開を加速させたいという意向もあるだろう。
[分析]