韓国でインターネットアドレスサービスを提供するネッピア(Netpia)が、非英語圏の80言語でのインターネットアドレスサービスの試験運用に成功したそうです。今後英語を母国語としない日本や中国、ギリシャ、ブラジル市場をターゲットに売り込みを図るとのことです。
ネッピアは多言語のインターネットアドレスサービスを専門とする会社。日本でいうと JWord(Jワード)と同等のサービスを提供しますが、こちらは世界90言語に対応している点が第1の特徴です。The Korea Herald が7日伝えたところでは80言語での試験は既に成功しているそうです。ネッピアは日本語サイトも立ち上げており、日本市場も狙っているでしょう。
ネッピアの特徴は、そのインターネットアドレスサービスの実装技術にあります。JWord を利用するためには前提としてユーザーが Internet Explorer に専用プラグインをインストールしている必要がありました。インストールしていないユーザーは利用できません。また IE プラグインのため IE 以外の利用者は使えませんでした。プラグインが使えない人には何の価値もないサービスですが、プラグインをインストールさせるのは大変なことです。
この制約に対してネッピアは「プラグイン不要で(日本語)インターネットアドレスを利用可能にする」という解決策を考案しました。ユーザーに特定のアプリケーションやプラグインのインストールを要求しないのです。
ネッピアはインターネットアドレスサービスを提供するために、(1) アプリケーションを利用する (2) DNSサーバーに機能を実装する という2つのソリューションを提案しています。前者はネッピアが開発したNetpia Browser(nStic)というアプリケーションをインストールすることで実現するものです。また、このアプリケーションを使わなくても ngDN Kit というパソコン上のDNS設定を変更するソフトを利用してもインターネットアドレス機能が使えます。こちらはDNSを変更するだけなので利用するブラウザに依存しません。
後者について説明しましょう。ネッピアの説明を引用します。
日本語インターネットアドレスはネッピアが1997年独自技術によって開発した次世代インターネットアドレスシステムです。 このシステムは既存インターネットアドレス体系(DNS)をそなまま使いながらも多言語を認識させる機能(MSS : Multilingual Scan System)を 搭載させ検索エンジンの新たなパラダイムを提示したインターネットアドレスの第三の波と言えるしょう。日本語インターネットアドレスは次世代ドメイン名技術(ngDN Kit)をインターネットプロバイダー(ISP)のネームサーバに搭載し、最終的にインターネット利用者が追加操作や別途のプログラムが無くてもインターネットブラウザのURL窓に日本語を入力するだけで該当サイトに間単にアクセスさせます。(ネッピア:日本語サイトより)
つまり、インターネットプロバイダー(以下、ISP)と協力してプロバイダーのネームサーバーを設定し、ユーザーの利用するクライアントにかかわらず日本語インターネットアドレスを利用できるようにしたわけです。多くのインターネットユーザーはどこかの ISP と契約してネット接続しているわけで、その ISP に目をつけたのは賢いですね。
ただ、日本語インターネットアドレス市場は多くの企業が参入してきたら一体どうなるんでしょう。アクセスできる環境をつくるためには、キーワードが企業に購入されなければならない。しかし企業は市場に存在する全てのインターネットアドレス提供会社と契約するわけではないでしょう。すると、サービスによってアクセスできるWebサイト先に偏りがでてくるでしょう。
するとこのサービスの成功のカギを握るのはオークションと同じ会員数になりますので、インターネットアドレス市場で生き残れる企業は1〜2社でしょうか。
ネッピア Netpia(ねっぴあ)
[Source]
Netpia expands service to foreign language market [The Korea Herald / 2003.11.07]
[参考]
Non-English search takes the Web world wider [the star online]