米Yahoo! Inc. は同社の検索エンジン Yahoo! Search にホテル検索 "Hotel Finder Shortcut" を追加した。
Hotel Finder Shortcut は米Travelocity社との提携によって提供されている。Travelocity は航空券やホテル、レンタカーの検索を提供する会社。
Hotel Finder Shortcut は主として次の3つの方法で検索できる。全ての宿泊施設を検索したい時には検索ボックスに [都市名] hotels と入力して検索(例 tokyo hotels)。モーテル(簡易ホテル)を検索したい時は [都市名] motels と検索(例 tokyo motels)。bed & breakfasts(朝食付簡易旅館)を検索したい時は[都市名] bed and breakfast と検索(例 boston bed and breakfast)。
例えば、tokyo hotel で検索すると・・・
このように表示される。ホテル名(+リンク)、都市名、★5つによるユーザーからのレーティング、そして米国内のホテルなら場所を知るための地図へのリンク(Yahoo! Map)、さらにオンライン予約できる場合は空室状況を調べる availability リンクもあわせて検索結果に表示される。
ホテル情報のページにはホテルの詳細とユーザーレビュー(評価記事)、レーティング、そして空室状況検索ができる。空室状況を調べて空きが確認できた場合、そのまま Yahoo! アカウントを使って予約することもできる。
検索サービスの観点から見ると、注目点はレーティング表示。実際にホテルを利用した人からの評価が★5で表示。ホテル情報の詳細ページにはレビュー記事も掲載される。
私たち消費者が実際にどのホテルを利用するかを選択する時、それを利用したユーザーからの評価や意見は非常に重要な参考情報となる。検索結果に表示されてもユーザーからの評価が低い場合は利用するのに躊躇する。
Hotel Finder Shortcut は、ホテル経営者側から見れば、単純に検索結果に自分のホテル情報を表示させれば済むという問題ではない。実際にユーザーから高評価を与えられるように質の高いホテルサービスを提供しなければ検索エンジンから訪れたユーザーを顧客に転換することが出来なくなるからだ。
Yahoo! Search のホテル検索は、デフォルトでレーティングが高い順番に該当ホテルを表示する仕組みをとっている。従って検索エンジンからの集客を強化したいホテルはサービスクオリティを向上させてユーザーから高い支持を受けようというインセンティブが働くだろう。ユーザーから評価の高いホテルが上位に表示されることは、ホテル検索を行うユーザーにとっても有益だ。
Yahoo! のようなトラフィックの多いサイトの場合、ユーザーからのレビュー情報も相応に集まる。その情報蓄積と集中が進めば、今度は Yahoo! Search のコアコンピタンスを高めることになる。これらがうまく循環すると、有益な検索サービスに成長するだろう。
Google は基本的に、ある特定の情報に到達するためのポインターの役割しか果たしていない。Froogle もオンライン小売業者へのリンクを表示しているにすぎない。対して Yahoo! は検索を通じて提供する情報の中にユーザーからのレビュー情報を入れることで、検索結果情報それ自体の有用性を高めようとしている。情報検索するユーザー側の視点から見れば、判断材料まで提供する Yahoo! Search が便利と感じる人は少なくないだろう。それがショッピングやホテル情報といった、特定分野の検索サービスに限れば便利に違いない。Google はこの辺りのことをどう考えているのでしょう - 。