大半のユーザーは有料検索広告よりもオーガニックサーチ(アルゴリズム検索による検索結果、ナチュラルサーチとも呼ぶ)を好み、特に Google と Yahoo! ではその傾向が顕著 - 検索ユーザーのこんな実態が米iProspect社の実施した調査により明らかになった。
検索エンジンマーケティング企業の米iProspect社は4日、1,649人のユーザーを対象に行った主要4つの検索エンジンにおける検索行動に関する調査結果を発表、次のような結果が明らかにされた。
- 60.5%の Google、Yahoo!、MSN、AOL ユーザーは有料検索広告よりもオーガニックサーチを最も関連性が高い情報としてクリック
- 60.8% の Yahoo!ユーザーと 72.3%の Googleユーザーがオーガニックサーチをクリック
- 71.2%のMSNユーザーは有料検索広告をクリック
- AOLユーザーはオーガニックサーチと有料検索広告の割合が半々
(iProspect 2004/05)
以上の結果は検索エンジンマーケティング (SEM) の実施において有料検索広告とオーガニックサーチ対策(=SEO)の両者への対応の重要性を浮き彫りにしている。また、サーチシェアを考慮するとウェブマーケッターは今後、Google および Yahoo! においてはオーガニックサーチ対策として Yahoo! / Google 両者への SEO対策も必要であることを示唆している。
検索ビジネスの観点から見ると、Google ユーザーの30%未満しかアドワーズ広告をクリックしていないのに、IPO申請時に提出された書類によると Google 収入の95% は広告となっている。もし Google がユーザーによりアドワーズ広告をクリックさせることが可能であればさらに売上げを伸ばすことができるかもしれない。
また Yahoo! は検索連動型広告としての Overture のみならず、オーガニックサーチにおいても Site Match Xchange というペイドインクルージョン(PFI)を提供しているため、より多くの検索からの売上げを期待できる。
なお、MSN の有料検索広告をクリックする割合が他と比較して高いのは、現在の MSN のリスティング表示形式が有料検索広告とオーガニックサーチの結果が混在しており区別が不明確なことが原因。もっとも7月に予定されている MSN Search のリニューアルに伴い有料検索広告とオーガニックサーチは明確に分離される見込みのため、今後は MSN におけるクリック割合も Google や Yahoo! と同様、オーガニックサーチに傾く可能性は十分にある。
AOL の有料検索広告:オーガニックサーチのクリック率が半数になっているのは、AOL は Google サーチを利用しているが広告の表示形式が異なることと、AOLユーザー層の違いが関係しているかもしれない。昨年出された調査結果で AOLサーチが最もコンバージョン率の高いサーチプロパティであることが明らかになっているが、その要因として AOLユーザーのネット経験が浅いことが指摘されている。サーチプロパティが異なればオーディエンスも異なることを表している一例といえる。