米Yahoo! Research Labsは27日、ユーザの検索意図や目的に応じて検索結果を変化させるYahoo! Mindset (ヤフーマインドセット)のベータ版を公開した。
Yahoo! Mindsetは機械学習技術を利用して検索結果をユーザの検索意図に基づいて並び替えられるサービス。例えば"LCD TV"(液晶テレビ)と検索したとき、ユーザはLCD TVを購入するためにお店を探している場合もあれば、LCD TVに関する情報を探している場合もある。このように目的が”購入”なのか”情報収集”なのかによってユーザが検索結果の上位に表示されることを期待する情報は異なるはずだ。こうした問題を解決するのがYahoo! Mindsetだ。
Yahoo! Mindsetで LCD TVと検索すると、通常のYST検索結果が表示されるが、画面上部にスライドバーが表示される。
スライドバーは左側は"Shopping"(ショッピング)、右側は "researching" (情報収集、リサーチ)となっている。このバーを左側に移動すると、検索結果は主にユーザの”購入”とう検索目的に相応しい検索結果、つまりLCD TVを取り扱うオンラインストアなどが上位に表示される。もし右側に移動するとLCD TVの情報を得るのにふさわしい検索結果 - つまりLCD TVに関するFAQやLCD TVとプラズマTVとの比較、カタログ情報のページが検索上位に表示される。このように、Yahoo! Mindsetは「購入」と「情報収集」という価値基準を用いて検索結果を並び替えられる。
Yahoo! MindsetのFAQによると、並び替えの判断軸は commercial (購入)とnon-commercial (情報収集)となっており、前者は「何かを販売しているページ」、後者を「検索キーワードに関連する情報を提供しているページ」と定義している。このcommercial と non-commercial のどちらを検索結果に多く含めるかという議論は以前 WebmasterWorld にて GoogleGuy(Google従業員と称される)がGoogleのポリシーについて説明を行ったことがあり、その中で同氏も commercial と non-commercial の検索結果に含むバランスをどのようにとるかは難しいことであると述べたことがある。また、2005年2月にベータ版が公開されたBecome.comはここでいう"non-commercial"に特化した検索エンジンだ。今回のYahoo! Mindsetは検索エンジンが”購入”と”情報収集”のどちらの軸にあわせて検索結果を表示すべきかの判断をユーザに委ねることで検索結果の関連性を高めようとしている。
Yahoo! Mindset
http://mindset.research.yahoo.com/
Shopping (=Commercial)に軸をおいた検索結果。上位にはオンラインストアが表示されている。
Researching (=Non-commercial)に軸をおいた検索結果。上位には商品情報や比較に関するページが。
Yahoo! Mindset - FAQ