米サーチマーケティング大手のiProspectとJupiterResearchは2008年4月7日、Googleのユニバーサル検索に代表されるブレンド検索(Blended Search、あるいは Unified Search 統合検索)の利用に関する調査結果を発表した。
ブレンド検索とは、ウェブページ(テキスト)だけでなく、写真や動画、地図、ニュースコンテンツなど、検索意図(インテント)に応じて最も適合するコンテンツへのリンクを検索結果に表示するもの。Googleがユニバーサル検索(Universal Search)という名称で2007年5月16日に発表し、その後、米Ask.comが「Ask3D」を公開したほか、Yahoo!もSearchMonkeyを発表するなど、検索各社が「多種類のデジタルコンテンツをまとめて(ブレンド)検索結果に表示する)方向に進んでいる。
ところでブレンド検索の浸透は、これまでテキスト情報だけだった検索結果が動画や写真、地図などの情報でより豊かになることを示す。ウェブページのリンクのみだった従来と比較して、こうしたマルチメディアコンテンツが検索結果に表示されることでユーザーはどのコンテンツを選択するかを明らかにするのが今回のiProspectとJupiterResearchの調査目的だ。
調査の結果、ニュース関連の検索を実施した後に「ニュース」を選択したのが17%に対してブレンド検索内のニュースコンテンツをクリックしたのは36%だった。同じく画像関連の検索を実施した後に「画像」を選択したのが26%に対してブレンド検索結果の画像コンテンツをクリックしたのは31%だった。全体としてバーティカル検索後に最もクリックされたのは「画像」だが、ブレンド検索において最もクリックされたのはニュースコンテンツだった。
これまで検索各社は検索ボックスの上部に「地図」「画像」「動画」などといった検索タブを設置してバーティカル検索を提供していたが、これらは「見えないタブ」としてクリックされることはほとんどなかった。かつて米SearchEngineWatch(現SearchEngineLand)のダニー・サリバンが実施した調査で検索タブをクリックしたのは1%にも満たなかった。こうしたユーザーの利用動向から「バーティカル検索は興味がもたれないもの」としてサーチマーケッターからも興味の対象から外されていたが、iProspectのRobert Murray氏はそうした認識が間違っていることが明らかになったと指摘。ブレンド検索の登場によって動画や画像、音声、ニュースといった多くのデジタルアセットへの投資や検索エンジンへの最適化の必要性を訴えた。
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一般的なユーザーはGoogleが動画やニュース、画像検索といったバーティカル検索を提供していることなど知らない。検索タブで用意してもそれらは本文で述べられたように「見えないタブ」として利用されることはなかった。そうしたユーザーに対して、ウェブ検索結果に多種類のコンテンツを表示することで、「こういう情報も表示できるんだ」ということを認知させ、より検索を利用してもらうと共に、体感的にレレバンシーが高いことを感じてもらうことができるということ。
cf.
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