米Googleは2009年3月11日、「Interest- Based Advertising」と呼ばれる、行動ターゲティング技術を使った新たな広告プログラムを発表した。GoogleコンテンツネットワークとYouTubeサイトを通じて、ベータ版として今後数ヶ月内に提供を開始する。あわせてベータテスト参加希望の広告主の受付も開始した。日本国内ではライバルのオーバーチュアとヤフーが2008年7月にインタレストマッチという同様の広告配信を発表済み。
Interest Based Advertisingは、ユーザ(ブラウザ)の過去のサイト訪問履歴やページ閲覧履歴を参照してユーザの興味・関心を推定し、それに関係する広告を配信するシステム。たとえば、料理好きな利用者が、「今日の料理レシピ」といったサイトをよく訪問しているとすると、有名シェフのお料理教室や地方の食材お取り寄せなどの情報にも関心を持つと推測し、それらに関連する広告をより多く表示するようになる。
Googleはこれまでも検索キーワードやその連続性、ウェブページの内容、デモグラフィック属性、地理情報などの情報に基づいて関連広告を表示するアドワーズ広告を提供しているが、利用者の過去や現在の閲覧・訪問履歴の情報を与えることですることで一人一人のIntention(意図)を従来以上に正確に把握可能になり、表示する広告とユーザのレリバンシー(関連性)を高め、広告としての価値ある情報を消費者に届けられるようになる。
なお、広告のターゲティング精度が高まる一方でより多くの個人情報がGoogleに取得されることから、プライバシーに対する懸念が高まる恐れがあるが、Googleは「透明性」(Transparency)、「選択」(Choice)、「コントロール」(Control)という3つの機能を提供することでプライバシーに配慮した広告配信を行う。
透明性とは、Googleが配信したすべての広告には、Googleの広告である旨の表示がされ、この表示をクリックすると、Googleがどのように広告を表示しているか、広告を表示するために使用している情報などの詳細な説明を提供する。
選択とは、ユーザ自身でInterest based Advertisingで選択されるカテゴリの編集が可能。近日中に日本版も提供される、Ads Preferences Managerから、興味あるカテゴリを削除・追加することができる。
コントロールは、Interest based Advertisingそれ自体を無効にする機能で、先述したAds Preferences Managerからオプトアウトすることで同ブラウザでの広告配信を停止できる。また、このターゲティング広告をオフにするブラウザ用プラグインも配布する。
新しい広告のプログラムのテストについて
http://googlejapan.blogspot.com/2009/03/blog-post_12.html
Making ads more interesting
http://googleblog.blogspot.com/2009/03/making-ads-more-interesting.html