マイクロソフトは2009年6月1日、新開発の検索エンジン「Bing」（ビング）を全世界で公開した。米国版はプレビュー版、日本版はベータ版という位置づけだ。あわせてLive SearchやMSNサーチもすべてBingにリダイレクトされるようになった。
Bingは「意思決定エンジン」と位置づけられた、新開発の検索エンジン。単にウェブページのリンクを網羅するのではなく、検索結果を整理し、利用者が検索行為に求める課題・問題の解決を迅速に行うための様々なツールを提供する。特に「ショッピング」「健康」「旅行」「地域情報」の4領域にフォーカスし、"商品を購入する""ホテルを予約する""病気について正しく理解する"といった意思決定を支援する機能を備えた。
GoogleやYahoo!など従来の検索エンジンのように単純にウェブページの候補一覧を表示するだけではない。「nintendo ds」と検索すると、「Nintendo DS Downloads」や「Nitendo DS Accessories」「Nitendo DS Repair」などカテゴリごとに自動的に分類・整理して検索結果を表示する。「osaka」（大阪）と検索すれば、「Osaka Restaurant」「Osaka Map」「Osaka Weather」「Osaka History」「Osaka Travel」など検索クエリにあわせて自動的にウェブページをフィルタリングするためのカテゴリも変わるようになっている。
商品の購入を検討しているのであれば、対象製品の調査・比較・検討から、お買い得な購入方法まで、購入にいたる意思決定全般を達成可能なサービスを提供する。たとえばデジタルカメラ「Cybershot」を購入しようとBingを使うと、ウェブページをレビューやアクセサリーなどのカテゴリで整理するだけでなく、価格比較やレビューを参照できるなど、購入という意思決定がBingだけで行えるように設計されている。キャッシュバックプログラム「Bing cashback」とも連携しており、Bingから購入手続きをすれば一定金額がキャッシュバックされる。
航空券の手配や宿泊施設の予約など「旅行」分野でも2008年4月に買収したFarecastの技術を統合することで、高度な検索機能を提供する。たとえばサンフランシスコからボストンへの航空チケットを探したいのであれば、出発と目的地の空港やフライト日時を指定することで、同一画面内で各航空会社のチケットを比較参照できる。さらに米国内の航空便であればPrice Predictorを使って過去の航空券の価格変動データから最もお買い得な航空券の時点を知らせてくれる。
残念ながらBing日本ベータ版は従来のLive SearchやMSNサーチの機能を踏襲しているだけで、新機能は体験できない。一方のプレビュー版として公開されたBing米国版はリリース前の紹介ビデオで紹介されていたように、「意思決定」にフォーカスした、他の検索エンジンにはない様々な新機能や設計が実装されていることがわかる。少なくともLive Search登場時と比較すれば市場でのポジショニングも、コンセプトも、新機能もわかりやすく提示できている。
Bing
Bing日本語版紹介ページ
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