米Microsoftは2010年1月19日、検索サービスBing(ビング)の検索ログ保存ポリシーを変更すると発表した。従来、IPアドレス情報を18ヶ月間保存してきたが、これを6ヶ月に短縮する。
MicrosoftはBingで検索が実行された時、電子メールや電話番号などのユーザアカウント情報と、検索クエリなどの情報を切り離して、人物を特定できないように匿名化する。そして18ヶ月後にIPアドレスやクッキーIDなどを削除している。今回のログ保存ポリシー変更により、Bingは検索実行から6ヶ月後にIPアドレスを削除する方針に転じる。
今回のポリシー変更の背景には、欧州連合(EU)の29条調査委員会(Article 29 Working Party)によるデータ匿名化ガイドラインへの対応が挙げられる。Google、Yahoo!、Microsoftの検索各社はこれまで、検索品質の継続的改善や検索技術のイノベーションを生みだすために、検索データを長期にわたり保存していたが、欧米のプライバシー規制団体からの批判を浴びていた。
Bingプライバシーマネージャー・Reese Solberg氏は、ポリシー変更により、Bingのプライバシー保護と検索品質向上の両立が進められると説明している。
なお、Googleは2008年9月に検索ログ保存期間を18ヶ月から9ヶ月に短縮へ、Yahoo!も2008年12月にログ保存期間を90日に短縮することを発表している。仮にMicrosoftとYahoo!の検索事業提携が順調に進んだ場合、「MicrosoftはYahoo!の検索ログポリシーの従ってもらう必要があり」(Yahoo!スポークスマン)、従って、MicrosoftはYahoo! Searchから取得した検索データは3ヶ月で消去する必要が出てくる。
updates to bing privacy [Bing Community]
http://www.bing.com/community/blogs/search/archive/2010/01/19/updates-to-bing-privacy.aspx