ヤフーは2010年12月10日、Yahoo!検索品質の向上を目的としたスパム対策強化方針を発表した。特に、一部の業者が「Yahoo!虫眼鏡SEO」などと称して販売している、関連検索ワードやキーワード入力補助について言及している。[UPDATE]
ヤフー、「虫眼鏡SEO」業者に制裁措置、インデックスから削除 - SEMリサーチ
「関連検索ワード」や「キーワード入力補助」を標的とするスパム”商品”は、筆者の調査では2009年から横行するようになった[cf,Yahoo!JAPAN、関連検索ワードのフィルタを強化、スパム排除へ - SEMリサーチ] 。関連検索ワードは、Yahoo!自然検索結果上部の虫眼鏡アイコンの欄に表示されることを由来として「虫眼鏡SEO」と称されることもある。
依頼者は、検索窓で一般キーワードを入力した時に、自社名を伴うキーワードが候補ワードとして表示されるように(キーワード入力補助スパム)依頼したり、あるいは関連検索ワード欄に自社サイトが自然検索を独占しているユニークな検索ワードを表示する(関連検索ワードスパム)ように、業者に依頼を行う。依頼を受けた業者は数営業日程度で、意図したキーワードを表示するように操作を行う。
たとえばターゲットキーワードを「クレジットカード」、会社名を「○○○」としよう。この場合、検索窓にクレジットカードと入力しようとすると「クレジットカード ○○○」という候補が表示されるようになり、関連検索ワード欄には「クレジットカード ○○○」というリンクが表示されるようになる。これらリンクをクリックすると、依頼者のサイトしか掲載されていないYahoo!検索結果画面が表示される。こうして検索ユーザを依頼者サイトへ誘導するわけだ。
こうしたスパム行為がビジネスとして成立するのは、これらの場所への露出が相対的にクリック率も高く、リスティング広告やSEOよりも安価にトラフィックを獲得できること、そしてノウハウ・金銭的な面でのビジネスの参入障壁が極めて低いことがあげられる。
本日Yahoo!検索スタッフブログに「Yahoo!検索の品質向上に対する取り組み」と題して掲載された説明は、横行するスパム行為、それの依頼者に対する注意喚起も兼ねたものだ。
ブログでYahoo! JAPANは、こうしたYahoo!検索の各表示結果を人為的に操作使用とする行為はインターネットユーザの検索に対する満足度、Yahoo!検索の品質低下を招くため、スパム行為として禁止していることを説明。操作行為により被害が発生した場合は、『刑事・民事での法的責任を追求することがあります。』と明記するなど、固く禁じているという姿勢を鮮明に出している。さらに、実際にスパム行為を行っている業者(実行者)だけでなく、それらの企業に依頼をしている各サイト(依頼者)に対しても、何らかの措置を検討する場合があると説明し、注意を促している。
最後に同社は、関連検索ワードやキーワード入力候補といったサービスを販売・提供する企業から売り込みなどがあった場合は、問い合わせフォームより連絡するようお願いを掲載している。連絡先は次のページ。
Yahoo!検索・お問い合わせフォーム
http://form.ms.yahoo.co.jp/bin/search_inquiry/feedback
ちなみに2010年12月10日 20:00 現在、継続的にスパム行為の標的となっている検索キーワードを対象に操作したところ、”きれいさっぱり”操作ワードが削除されていることを確認した。というか、候補そのものが表示されなくなっている。
Yahoo!検索の品質向上に対する取り組み
http://searchblog.yahoo.co.jp/2010/12/yahoo_102.html
cf.
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やっとヤフーさん動いたよ!