はてなに次のようなSEOに関係する質問が投稿されていました。
通常の英語ドメイン+追加の日本語のドメインの使い方についてお聞きします。(以下、省略)
経験的にこういった質問をする方の本当の悩みや問題は、様々なSEO絡みの物事を決定する時の判断基準や方法がわからない点だと思います。たとえばドメインの名称やccTLD / gTLDに関する質問をする方の多くは、あたかもSEOが最も重要な判断基準であり、SEO如何によってすべてを決定しようとするケースを見かけることがあるのですが、そもそもドメインってSEOの観点から決めることですか?という話です。
つまり、ドメインはテレビCMやチラシなど各種広告にも掲載されますし、名刺にも記載されるでしょう。メールアドレスの一部にもなりますし、商品やサービス、ウェブサイト名と紐づけられることも多いでしょう。ドメインは重要な資産の1つであり、積極的に外部のコミュニケーションで用いられるものなのですから、まず会社として、その名前を与えるウェブサイトをどう位置づけたいのか、今後どうしていきたいかというビジョンをはっきりさせて決めるべきお話です。もちろんSEOの観点からのアドバイスも得たいというのはわかるのですが、それならSEOの観点を抜きにしてドメイン名をどうしたいのか候補を出した上で絞り込みをする時にSEOの基準を使うという手順を踏んだ方がベターです。
(MFAビジネスやアフィリエイターの場合に多いのですが)ビジネス的に会社名など大して重要でなく、とにかく検索エンジンで上位に表示したいならSEOの基準でドメイン名称を決める、つまり中古ドメインも選択肢に入ってもいいでしょうが、大抵は会社の事業戦略と照らしあわせて適切な名称を与える方が賢明です。
その上で今回のはてなに投稿された質問は、日本語ドメインの扱い方についてです。純粋に技術的な観点から追求していけば、一体どれ程の効果があるのかさておき、ターゲットキーワードを含んだドメイン名にすることは(サイトのアクセシビリティやコンテンツが伴う前提で)一定の意味があるかも知れません。しかしながら、ビジネスにおいて日本語ドメインを扱うことは、今日の日本語ドメインの利用状況を考えると厳しいものがあります。日本語ドメインを取得する企業自体は増えてきた印象がありますが、その目的はブランド保護にあってメインで利用する前提にはなっていません。
この質問者のように、従来のドメインと日本語ドメインを併用してSEOの効果を求めようとする人もいるのですが、そこまで手間暇かけても有意な順位上昇効果は認められませんので、SEO目的で日本語ドメインを追加取得することは意味がありません。このあたりは、ディレクトリやファイル名称を日本語にすべきか否か?と同様のロジックで考えればいいでしょう。
通常の英語ドメイン+追加の日本語のドメインの使い方についてお聞きします。