オンライントラフィックの源泉には常にスパムの問題がつきまとう。検索が注目されて以後はサーチエンジンスパムが今日まで後を絶たないが、ソーシャルメディアが注目去れ始めた今の時代はソーシャルスパムが問題だ。
とりわけ Facebook が注目を集め、そこにユーザーの投票「いいね!(Likes)」が集まり、その量によって検索エンジンやソーシャルサイトでのサイトの露出度が変化するとなれば、それを悪用するスパマーたちは当然現れる。BingはFacebookと提携し、ソーシャル検索の強化を発表しているが、ここで問題となるのは、Like を操作して集める Like Farm (いいね!ファーム)だ。
Bing Webmasterプログラム担当シニアプロダクトマネージャー・Duane Forrester氏によると、最近はLikeを大量生成するLike Farm が出現しているという。特定のユーザーをネットワーク化する、あるいは架空のアカウントを大量に作成して、露出度に影響を与えたいサイトやページに大量の Likeをつける手法だ。
しかし、同氏はこうしたソーシャルスパムはアルゴリズムで容易に検出することが可能だと指摘。次のグラフは、自然発生的なLike [1] と、スパマーによるLike [2] をグラフで示したものだ。
[1] 自然なLikeの集まり
[2] いいね!ファーム(Like Farm)
Likeグラフが示すように、自動的にLikeを集めるようなスパムプログラムを利用しても簡単に検出可能であるため、こうした努力は時間と労力の無断になるとForrester氏は説明。ソーシャルマーケティングを実施するなら、遠回りで時間がかかっても、コミュニティのユーザーと対話し、関係性を醸成していくことが大切だ。
Social and Search: A Small Business Primer
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話が少しずれますが、ソーシャルのつながりやGoogle +1、Facebook Like でコンテンツの質がわかる、スパムまみれの検索エンジンより便利、と安直に考えている方がちらほらいらっしゃいますので、少しコメントしておきます。
よく「+1やLikeはコンテンツの質を表す」と説明される方が結構いらっしゃるのですが、これは「もしユーザーがサービス提供側の意図通りに利用してくれるなら」という前提で成立します。でも現実はそうではありませんよね。皆が様々な用途で、様々な基準で使っています。
人気度≠品質、両者は別物なんですよ。Google +1やFacebook Like は、ユーザーにとっての人気度や注目度、話題性はきっと示すかもしれませんが、コンテンツの品質は表すには不十分なのです。人によって、それらのボタンを押す基準は異なるのですから。タイトルだけ見て押す人すらいますよね、現実には。
また、結局、何らかのコミュニティに属する人による評価ですから、どうしてもバイアスはかかりますし、インターネット上のコンテンツを時代の変化にあわせて適切に評価することもできないのです。バイアスがかかるのは仕方ないし享受できるメリットと比較したら無視できるかもしれませんが、しかし依然としてスケールさせるのは難しいんですよね。