SEMリサーチ

企業で働くウェブマスター向けに、インターネット検索やSEOの専門的な話題を扱います

米Google、タブレット対応サイトSEOのアドバイスを公開

米Googleは2012年11月12日、検索エンジンとユーザーエクスペリエンスを考慮したタブレット対応サイトの構築方法についてアドバイスを公式ブログに掲載した。

同社はまず、「検索エンジンフレンドリーなタブレット対応サイトを構築するための具体的なアドバイスはない」と明確な断りを入れた上で、ユーザーをもてなすためのいくつかの提言を掲載している。6月に公開されたスマートフォン対応サイトと検索エンジンの親和性を高める方法に準拠している [参考:スマートフォン向けサイトを検索エンジンに最適化するためのポイント]。

Googleが紹介するアドバイスのポイントは次の通り。

  1. タブレットユーザーのデバイス特性と、ユーザーがサイトに期待している事柄をよく考えること。タブレット端末は大きなスクリーンを持ち、Wi-Fiでインターネット接続をしており、デスクトップPC同様の豊かなブラウジングを体験できる。つまり、タブレット端末に最適化したコンテンツを用意していないのであれば、ユーザーはスマートフォン版よりもデスクトップ版を閲覧することを望んでいる。
  2. レスポンシブWebデザインを採用する場合は、様々なタブレット端末でテストを行い、適切に動作しているか確認をすること。市場には様々なサイズのスクリーンを持った端末が流通している。
  3. デバイスごとに最適化したウェブサイトを個別に(個別のURLで)提供している場合は、リダイレクト設定に注意すること。タブレットユーザーをスマホ版サイトにリダイレクトしてはいけない。
  4. Android OS搭載端末のスマホとタブレットの区別の方法。Android OS搭載端末では、タブレットとスマートフォンをUser-Agentを用いて区別するのは簡単だ。両端末ともにUAに"Android"文字列が含まれているが、スマホ端末のUAだけは"Mobile"という文字列も同時に含んでいる。
    つまり、Android端末で"Mobile"が含まれていないUAはタブレット端末または(スマホより)大きなスクリーンを持つ端末だと識別することができる。

Giving Tablet Users the Full-Sized Web [Google Webmaster Central Blog]

http://googlewebmastercentral.blogspot.jp/2012/11/giving-tablet-users-full-sized-web.html

#

検索技術(インデクシングやランキング)の観点からは、デバイスごとに最適化されたサイトは単なる『(デスクトップサイトの)バージョン違い』として捉え、それらまとめて1つの情報実体(entity)として扱いたいと考えるわけです。検索ユーザーは、関連する情報を入手したいのであってレイアウトを求めているわけではありませんし、ユーザーエクスペリエンスの問題は、検索結果のリンクがクリックされた時に使用された端末に基づいて適切なバージョンに自動的に誘導してあげることで解決できるからです。だからGoogleはリダイレクトスキップ機能を提供したり、一部のユーザー向けにスマホ検索結果にスマホアイコンを表示して、ユーザーに情報選択権を与えるといった試みをしています。

そんな背景があるので、GoogleはよくレスポンシブWebデザインをプッシュしてくるのですが、これは検索的には良いのかもしれませんがユーザーエクスペリエンス的には必ずしも正解とは言えません。ad:tech tokyo 2012で話しました通り、いつ、どこで、どのデバイスで検索をして訪問してきたのかによって、(同じ検索キーワードであっても)インテントが異なることがあるからです。イメージしやすい例を挙げると「バーガーキング」と検索して来訪する、デスクトップユーザーとスマホユーザーは同じ検索インテントだろうか、「クリネックススタジアム」と検索するモバイルユーザーは、デスクトップ(の検索)ユーザーと同じインテントだろうか、という話です。なんか違いそうに思いませんか。

Googleは検索技術的な観点からのレスポンシブWebデザインは説明しているのですが、ユーザーエクスペリエンスの観点からは特にまだコメントしていないんですよね。そのあたり尋ねたらGoogleはどう回答するのでしょうか。

cf.

[ad:tech tokyo 2012] 検索マーケティングとスマホのお話

【ad:tech東京2012レポート(6)】多様化の時代においてマーケティングに求められる「本質」とは? [マイナビニュース]

最新SEMは複数デバイスを横断するユーザーへの意識が必須 [CNET Japan]

COPYRIGHT © 1997-2021 渡辺隆広(わたなべ たかひろ) ALL RIGHTS RESERVED.

お問い合わせ(お仕事の相談、講演依頼など)

SEMリサーチ(www.sem-r.com)に掲載している文章及び図版の無断使用及び転載を禁じます。著作権侵害行為には厳正に対処します。

免責事項:SEMリサーチは、本記事中で触れている企業、商品、サービスの全て(情報)について、有用性、適合性、正確性、安全性、最新性、真実性に関する一切の保証をしておりません。各自の判断でご利用下さい。