SEMリサーチ

企業で働くウェブマスター向けに、インターネット検索やSEOの専門的な話題を扱います

米Google、Anglo Rank リンクサービスを無効にしたことを公表

米GoogleウェブスパムチームのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が、検索順位操作目的のリンクネットワークサービスを提供するサイトの名前を名指しした上で、無効にしたことをTwitterでツイートした。

「実名」を晒してウェブスパム対策実施を公表するGoogle

今回はGoogleが"Anglo Rank"というアップデートやアルゴリズム変更を行ったのではなく、Anglo Rankというリンクサービスに制裁を科したという話だ。このリンクサービスを利用していたサイトもスパムに関与しているとして、今後、Googleからウェブマスターツールを通じて"警告"が届けられる模様だ。

マットカッツ氏は過去にも度々、特定の企業やサービス名称を挙げて Google がウェブスパム対策に取り組んでいることを世間にアピールしている。古く遡ると独BMWやRICOHドイツ法人のサイトがリダイレクトを悪用していたこと、PageRankを販売していたThe Standord Dailyアドバトリアルを活用した英国Interflora学生に10%のディスカウントを提供するかわりにリンク設置を依頼したOverstock.comなどなど枚挙に遑がない。

近年は不正なリンクネットワークについてTwitterで言及することが多く、今年5月にはPageRankを流す有料リンクを無効にした(名前は挙げていない)、SAPE Links、Ghost Rank 2.0など、毎月のように公表していることが明らかだ。

ウェブスパムに手を染めないよう注意喚起?

世界最大シェアを誇る検索エンジンの検索上位に表示されれば大量の検索トラフィックを得られることから、ブラックハットなSEOでチャレンジする個人や組織は後を絶たない。ただし、悪意を持ってスパムを行っている人もいれば、知らずにブラックハットに手を染めてしまっている人々もいる。Googleが定期的にウェブスパム対策を実施したことを具体例を挙げて公表することで、ガイドラインに遵守することの重要性やGoogleが何を禁止していることを知ってもらうよう促し、ウェブマスターに適切な手順を学んでもらいたいという意図があるのだろう。

標的はAnglo Rankだけではない、他のスパムリンクネットワークも対策済み

今回のリンクネットワーク撲滅は、Anglo Rankだけではなく、他のいくつかの特定のリンクネットワークも同時にスパムと認定、排除した模様だ。

もし現在不正なリンクネットワークサービスを利用しているのであれば、Anglo Rankは使っていないから大丈夫、と安心してはいけない。一部の日本のSEO会社は、海外(英語や中国語、韓国語サイト)で構成されたリンクネットワークを提供しているため、"日本は関係ない"ということはない。

COPYRIGHT © 1997-2021 渡辺隆広(わたなべ たかひろ) ALL RIGHTS RESERVED.

お問い合わせ(お仕事の相談、講演依頼など)

SEMリサーチ(www.sem-r.com)に掲載している文章及び図版の無断使用及び転載を禁じます。著作権侵害行為には厳正に対処します。

免責事項:SEMリサーチは、本記事中で触れている企業、商品、サービスの全て(情報)について、有用性、適合性、正確性、安全性、最新性、真実性に関する一切の保証をしておりません。各自の判断でご利用下さい。