米Microsoft 検索担当ディレクター・Stefan Weitz氏は、ウェブ検索において Google からシェアを奪うことは叶わないだろうとの見解を述べた。2014年11月4日、アイルランド・ダブリンで開催された Web Summit Conference のセッションで明らかにした。
“The question is, where is search really going?” he said at the Web Summit conference in Dublin today. “It’s unlikely we’re going to take share in [the pure search] space, but in machine learning, natural language search… and how we can make search more part of living. For us, it’s less about Bing.com, though that’s still important. It’s really about how we can instead weave the tech into things you’re already doing.”[Stefan Weitz, Director of Search, Microsoft, Microsoft's Bing hopes to bag market share with ... search apps, 2014
同氏は、純粋なウェブ検索サービスの領域において Google から市場シェアを取り返すことは難しいだろうと述べる一方で、Microsoft (Bing) は自然言語処理や機械学習などを例に挙げながら、私たちの日常生活、あるいは私たちが既に行っている物事の中に検索をどのように溶け込ませ、浸透させていくのかが重要になると話し、検索を他の様々なプロダクトの中に組み込んでいくことで将来的に検索におけるプレゼンスを確立していきたいとの展望を示した。
米調査会社 comScore が毎月発表している北米の検索エンジン市場シェアによると、2013年9月時点で Google の66.9% に対して Microsoft (Bing) は 18.0%、Yahoo! は 11.3%。1年後の2014年9月の検索シェアは Google が 67.3% に対して Microsoft は 19.4%、Yahoo! が 10.0% となっており、Google 対 Microsoft & Yahoo! 連合の検索シェア比率そのものはほとんど変わっていない。変化したことは、Microsoft が Yahoo! から検索シェアを奪ったことで、5年前の検索事業提携時における当初の目論見だった Google から市場シェアを奪っていくというシナリオは実現できていない。
こうした現実を冷静に分析すれば、検索サービス市場で Google と正面対決するよりも、Bing の検索技術を Windows や Office 製品と連携・融合させる、あるいはモバイルアプリ領域はエンタープライズ部門などから自社の製品ポジショニングを再定義して挑戦していくことがより現実的と言えよう。
comScore Releases September 2013 U.S. Search Engine Rankings
comScore Releases September 2014 U.S. Search Engine Rankings