SEO業界28年目
正式にお仕事としてSEOを始めたのが1997年7月1日から。この7月でSEO業界28年目となります。ここまで来たら30年まではがんばろうと思います。その後は AI が私の仕事を奪ってくれる未来を希望します。
それはさておき、事業会社のインハウスSEOも経験してみたいという理由でDMMに入社して3年目となりました。代理店時代にインハウス担当者に対してあれこれ提言してきたことが本当に正しかったのか答え合わせをしながら業務を進めています。ここまでの実感として、約8割程度は正しかったと思っています。残り2割は正しい・間違いというより会社固有の事情によりどうしようもない話です。
26年目、27年目を記事しなかったので今年は忘れずに28年目の記録をしました。これで終わるのもあれなので、今回はこの28年間を通じて、代理店・事業会社を問わず普遍的な真理と考えていることを2点紹介します。
代理店・事業会社どちらのSEOでも変わらないこと
中途半端なSEOの知識で口を挟んでくる人間が一番やっかいな存在
10年以上前の古いSEO知識を振りかざしてあれこれ口を挟んでくる、最新の状況を伝えてもそれを理解しようとせず古の都市伝説で押し通そうとしてくる人。プロジェクトのなかにこうした人が存在すると業務推進の大きな妨げとなります。これは代理店・事業会社どちらも変わらないなと改めて実感しています
「私は昔SEOに携わっていたんですけど最近の事情はわからないんですよね」という姿勢の方ももちろんいらっしゃいますし、こうした方とのお仕事は問題ありません。
一方で「月間500記事制作してSEOするぞ」(ゴミ作るのかよ)「キーワード●●で1位にならないと意味がない」(順位成果報酬の時代かな)「外部リンクを1,000本/月増やしたい」「私は(10年以上前に)こういうやり方でやった。だからこうやる」(そして大失敗)みたいな、いつの時代からタイムスリップしてきたんだという人に限って自己主張が激しかったりします。
代理店と事業会社、それぞれの立場で対処方法はあるのですが、いずれにせよ業務推進が滞りがちなのでどうしたものか。
ちなみに私は副業でスタートアップ企業の相談をうかがうことがあるのですが、意図が不明な施策をひたすら進めている企業がちらほら見られます。ヒアリングしたところ、某界隈出身の方が当時の古いSEO知識をばら撒いているという共通点を発見しました。
SEOしかわからないSEO担当者は役に立たない
SEOというのは本質的にサイトの運用であると同時に事業戦略やプロダクト開発と密接に関わるものです。だから、SEOを推進するためには事業ドメインやプロダクトのターゲット、その機能や仕様、ユーザー体験など、厳密にはSEOではない領域にもある程度は精通して、SEOの機能要求と絡めながら相手と会話を進める必要があります。
SEO担当者も自分が担当する事業とその市場やユーザーについて深く理解し、それを踏まえて検索プラットフォームをどのように活用すべきか考えることが求められます。その理解がないと、薄っぺらなどうでもいいSEOの話しかできないし、相手にもされないのです。
ちなみに私はDMMグループ全体のSEOを見る立場としてSEO会社や広告代理店のSEO提案を受けることがあるのですが、(自主規制)、もう少し市場やユーザーについて研究をしたうえで有効な提案をしていただきたいものです。
なお、コンテンツ制作がSEOの仕事と認識(誤認)されるようになって以後、そのSEOすらわからない人がSEO専門家を名乗るようになっています。これもまた問題です。