米Google は2018年4月12日、Googleマイビジネス(以下、GMB)のレビュー投稿に関するガイドラインを更新した。否定的なレビュー投稿の禁止や、肯定的なレビューばかりが集まるように事前選別する行為を禁止することを明文化した。
Review-Gating(レビューの選別)の禁止
GMB に投稿されるレビューの内容や評価がビジネスに影響を与えると考えるビジネスオーナーは少なくない。できるだけ良い点数で、肯定的な意見が投稿されるように(スパムも含めて)様々な手法が行われている。GMB はとりわけ Google の検索結果に表示される、すなわち多くの人の目に触れること、そして競合の Yelp などと比較してスパムに弱い(=操作しやすい)こともあり、レビューの購入やレビュースワップ(お互いのビジネスに良いレビューを投稿するグループの集い)を利用してポジティブなレビューを集めるといったことが横行している。
今回 Google が禁止したのは、ローカルビジネスやローカルSEO の分野においてベストプラクティスとして紹介されることも多い、事前のレビュー選別だ。4月16日時点でガイドライン日本語版は反映されていないが、英語版では "Don’t discourage or prohibit negative reviews or selectively solicit positive reviews from customers."の一文が追加されている。
たとえば商品購入やサービスを利用したユーザーに対して、まず簡単なフィードバック(たとえば、良かった/悪かったの二択)を求めるメールを送信し、前者を選択したユーザーには Yelp や Tripadvisor、GMB へのレビュー投稿をお願いするメールを送信する一方、後者を選択したユーザーにはフィードバックを送信してもらう(レビューサイトに投稿するオプションも表示するが、控えめ)、その後、サポート部門が個別にメールや電話で連絡し、トラブルに対処するといった手順を踏む。これは一例に過ぎないが、類似機能を提供するサービスやプラットフォームの共通点は、ポジティブなレビューが望めるユーザーにはレビュー投稿を促すこと、一方で不満を持つユーザーは個別対応でその問題を解決することだ。もちろん、後者のユーザーも自らレビューサイトに投稿することで否定的な投稿がされることがあるが、個別コンタクトを取り問題解消することでそのリスクは減らしているので、総じてポジティブなレビューが集まりやすくなるようになっている。
ネガティブな投稿は必ずしもマイナスとは限らない
こうした事前選別のことを英語圏では Review-Gating と呼ぶが、Google はこの行為をガイドラインで禁止することを明文化した。Google の立場からすると、事前のレビュー選別や誘導を許すことは GMB という場が提供するレビューの信頼性が歪められてしまうためと考えられる。
もっとも、ネガティブなレビューはそのまま掲載したほうがむしろ良い(※ この話題は別の記事で言及するが、要は消費者はメリットとデメリットの両方を理解することで適切な意思決定ができるようになる)ということも複数の調査結果から明らかになってきているので、この機会に投稿されるレビューの操作・選別は中止すると良いだろう。
米国のローカルSEO や GMB管理を支援するプラットフォームを提供している企業はすでに、該当機能をオフにできる機能の提供を開始した。上記に該当する機能を利用している方は、ガイドラインに違反しないよう同機能を控えることをおすすめする。
Format Specific Criteria
https://support.google.com/contributionpolicy/answer/7411351?hl=en&ref_topic=7422769
Review-Gating is Now Against the Google My Business Guidelines