検索サービスを提供する米LookSmartは6日、米Microsoft が運営するポータルMSNにおいて同社との有料リスティングの配信及びライセンス契約について更新しない事を発表した。現在の契約は来年1月15日で終了する。
検索エンジン業界の専門家の間では、先日米LookSmart が Overture / Google AdWords と同じオークション形式の有料リスティング市場に参入した事で、長い間蜜月の関係だった米MSNとの契約が終了するのではないかという予測が流れていたが、それが現実のものとなった。米Microsoft は自社開発の検索技術に莫大な投資を続けており、今年の8月には米LookSmart から配信されたリスティングを表示しない形式の検索エンジンのテストを行っていた。また、Overture や Google の市場に参入したのは、収益源を米MSNというシングルパートナーに依存している事からの脱却と捉えられていたのだ。
オークション形式の有料リスティングについて、一部米LookSmart が MSN との契約獲得を目指しているという報道があるが、検索市場における将来の直接の競合企業である LookSmart に対してわざわざ Microsoft が資金を投じるとは思えない。今後 Microsoft は米Overtureとの契約更新も打ち切り、自社技術による有料リスティングの運営にシフトしていくものと思われる。
一方、今回の契約終了で大ダメージを受けるのは米LookSmartだ。LookSmart は2003年度第二四半期において米MSNから有料リスティング配信による収益の2/3とライセンス収入の全てを依存しており、これらを全て失うことになる。収益を単一のポータルサイトから依存していたことで事業基盤の危うさは指摘されていたが、今回それが露呈された。今後米LookSmart は新たなリスティング配信パートナーを模索していくことになるが、前途は厳しい。
(ACWS JAPAN SEMアドバイザー 渡辺 隆広)
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