米Googleは7日、米America Online(以下、AOL) との複数年にわたる業務提携を拡大すると発表した。AOL の検索サービス "AOL Serarch" を中心とした機能強化が行われる。
今回の合意に基づき、米Googleは引き続き数千万人のAOLユーザーに対して検索サービスを提供する。またマーケティング面においても提携関係が強化され、AOL Yellow Pages 内のビジネスディレクトリーにも有料リスティングが掲載される。
米Google と米AOL との間で取り交わされた契約は、2002年5月。今回は複数年契約であることが明らかにされているが明確な期間は不明。
AOL Search に施される機能強化は次の通り。
- 洗練された検索機能 - AOL 9.0 Optimized のツールバーで検索をすると、それに関連した企業情報やキーワード、Webサイトを選別して表示する機能
- ナビゲーションタブ - AOLユーザーが Webサイトや画像、AOLサイト内のコミュニティに簡単にアクセスできる機能。新しく追加された People タブからは 特定トピックを対象としたAOLチャットルームやメッセージボード、ホームページにアクセスできる。
- ローカル検索機能の強化 - ユーザーがAOLに登録している住所や郵便番号情報を利用したパーソナライズ検索を提供。ユーザー毎に最寄りのビジネスやサービス、チェーンストアの検索結果を表示する。
- 音楽/エンターテイメント番組検索 - お気に入りの音楽やアーティストを検索できる
- ホットサーチ機能 - いま AOLサイト内で最も人気のあるトピック情報をリアルタイムで表示
- AOLサーチのデザイン変更 - フォントサイズの拡大、検索キーワードを太字表示、「新しいウインドウで表示」のボタン設置など、検索結果から的確な情報を探しやすくするための細かな機能改善が施される。またポップアップ広告遮断ツールを組み合わせることで、快適な情報検索が行える
[解説] Google を選択した米AOL - その狙いは?
ネットの主要プレーヤーである米Amazonや米Yahoo!、米MSN が自社保有の検索技術開発に傾斜していく中、米AOLは世界で最も人気のある検索技術会社との提携関係を強化した。今回の米AOLの選択は、Googleという検索の人気ブランドをAOLサービスにおける提供することにより「Googleブランドの検索が利用できる」という安心感をAOL会員に与えると共に支持を取り付けようという企業戦略が伺える。米AOL会員の75%はAOL Search を利用しており検索サービスの満足度を高めることは既存顧客の維持という点で重要なポイントだからだ。
America Online and Google Announce Expanded Alliance as AOL Enhances Search Capabilities [Google Press Release]