米Googleは2008年6月3日、ユーザーから受けたスパムレポートやリンク売買(Paid Links)レポートなどの各種フィードバックがどのように活かされているかについての現況報告を公式ブログで行った。
Googleはサイト管理者向けに無料で提供する、Googleウェブマスターツールに検索エンジンスパムやリンク売買についてGoogleに報告できる送信フォームを用意している。ユーザーから送信された情報を精査し、効率的にウェブスパムを検出するためのアルゴリズム開発など、検索品質を改善するために活用している。
まず最初に、リンク売買(Paid Links、有料リンク)について触れた。Googleはリンク売買について厳しい姿勢で望んでおり、検索エンジンランキングの不正操作を目的としてリンクを販売したりリンクを購入するサイトに対してリンクの価値を差し引くなどの対応をとっている。今日まで非常に多くのリンク売買情報がGoogleに寄せられており、これらの情報はアルゴリズム改良にきわめて有益で積極的に活用されているとした。また、拡張性の高いスパム検出アルゴリズムの改良と同時に、かなりの割合のリンク売買に個別で(手動で)対応しているとも述べている。
2点目にウェブスパム(検索エンジンスパム)について言及した。Googleは2001年11月からウェブスパムの報告用フォームを用意しているが、現在はユーザー側の認証を必要とするウェブマスターツールからの報告フォームと、誰でも報告できる一般フォームの2つを用意している。ただし、Googleは前者の認証用フォームを通じて送られる情報を重視しており、こちらは1つ1つ、慎重に審査し、調査の対象になっているという。Googleエンジニアリング兼検索品質担当バイスプレジデント・Udi Manber氏が先日述べたように2007年に450回以上の検索アルゴリズムの改良を実施したが、そのかなりの割合はウェブスパムに関連するものだった。
Googleは高品質のインデックスと関連性の高い検索結果を提供することが重要であると考えており、今後、ユーザーフィードバックがどのようにウェブマスター向けのヘルプ文書やツールに反映されているかについて紹介していくとした。
The Impact of User Feedback, Part 1 [Google Webmaster Central Blog]
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2008/06/impact-of-user-feedback-part-1.html
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「ウェブスパムやリンク売買を報告したけれど、Googleは何のアクションもとらないじゃないか!」という声を聞くのですが(私もそう思うのですが :) )、Googleは、もらったフィードバックはちゃんと目を通して、そうした(スパム行為が)無効になるための検索品質の改良にちゃんと役立てているんだよ、だからみんな協力してくださいよ!というメッセージですな。
リンクの取り扱いは、実際、いくつかのサイトだけ極端に価値を下がられていることが確認されているので、個別対応していることは間違いないでしょう。ただし、国内ではプレスリリースうって「リンク販売始めました」という業者が後をたたないのに、(わざわざ「私たちリンク売ってるよー」と大々的に公表してるのに)対応しないのもナンセンスだと思います。
ウェブスパムについては、ウェブマスターツールからの情報に重きを置いているというのは新しい発見です。とりわけアクセス解析などの各種パーツにリンクを埋め込むタイプの隠しリンクくらい、アルゴリズムで検出・排除できるようにしてほしいですね。